性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

時効を迎えた秘密の話。

秘密にしても意味なんかないから書く。

これは、大森靖子さんがいつだったか「秘密を教えて」とTwitterで募集していた時に送った出来事で、ずっと、音楽リスナーとしてあるまじき行為だと恥じて言えなかったクソエピソードで、奥さんにも言えずに過ごしていた。

だけど、実際一度話してしまうと全然大した内容ではないのではないかと感じられる様になった。

懺悔という気持ちはもう今は無くて(そもそも懺悔すべきは僕ではない)、ただの思い出として書く。

 

それは大学1年生の6月だった。

僕は本とCDを取り扱う店でアルバイトをしていた。時給は安いけれど、社割で本やCDを買える事に利点を見出し、仕事も体力勝負な所がある(CDは大した事ないけど本を満載した段ボールを持ち上げるのは体力と腰痛への対策が必要)けれど楽しく勤めていた。

大学デビューを早々に諦め、高校時代と似た様なコミュニティー(仲良い人から順に中退していく地獄の集団)に所属していた僕は友達との夏休みの予定も無く、年上の攻撃力に特化したDV彼女とも別れて何の楽しみも無かったので、どうしてもロックインジャパンフェスティバルに行きたかったのだけれどお金が無くて途方に暮れていた。

チケットは雑誌の先行販売で手に入れていたものの、旅費が圧倒的に不足しており、親に借金するという発想に何故か至らず、半ば諦めていた。

その年のロックインジャパンELLEGARDENアジカンが初登場するという事で、どちらも好きだった僕は絶望しつつレジでずっとベルセルクを読んでいた。

 

そんなある日、バイト中に財布をロッカーに入れっぱなしなのに気付いた僕は先輩に断りを入れ、事務所に取りにいった。

そのバイト先のロッカーは共用で鍵もなく、貴重品は各自で管理することが求められていたのでさっさと回収して作業に戻ろうと思いながら事務所のドアを勢いよく開けた。

いつもはノックをするのだけれど、頭は慣れないながらも楽しく感じていた商品発注の手順の復習で一杯だった為、忘れていきなりドアを開けてしまった。

 

そしたら、対面してしまった。

驚いた顔で抱き合ったまま此方を振り返る店長とパートのおばさんと。

「失礼します」

と後付けで慌てて付け足し、そちらを見ない様にしながらさっさとロッカーから財布を引き揚げて持ち場に逃げ帰った。

二人とも既婚者だったよな、パートさんの娘さんにバンプのCD貸したよな、事務所で不倫すんなよ、安月給だと外で会うって発想にならないのかな、ていうかこれから僕虐められたりすんのかな、居場所なくなって辞めることになるのかな、気に入ってたのにな、発注作業をしながらそんな事を考えてその日のバイトは終わった。

帰り掛け、店長に声を掛けさせる隙を与えず他のスタッフと一緒に逃げる様に帰ったので、翌日のシフトが本当に憂鬱だった。

 

バックれようかな、と思いながら眠りについたものの、目が覚めてみると不思議と「何もしてない自分が居辛くなって辞めなきゃいけないんだよ!いざとなったら社長に全部ブチ撒けて最悪でも道連れにしてやる!」とよく分からない怒りに思考が振り切れており、普段より早くバイト先に入るというキレある動きを披露するに至った。

不思議な事に店長にもパートさんにも何も言われず、勿論嫌がらせも受けずにバイトを終えた。店長と二人きりになったタイミングでもB'zのベストアルバムが何枚目だの、それであんだけ売れるの意味わかんないよねみたいな話をしただけだった。

無かった事にしようとしているなら、それで良かった。別のバイトを探すのも面倒なので僕としても好都合だった。

不倫してるとは言え、店長もパートさんも嫌いでは無かった。このまま黙認して済むならそれで良いと思っていた。

家に帰って、レポート課題をしようとリュックに手を突っ込んだ時、固い紙袋の様なものが手に触れた。そんなものを入れた覚えが無かったのでリュックを全開にして覗き込んでみると、本当に見覚えの無い紙袋が入っていた。

得体の知れない紙袋の中にはG-SHOCK音楽ギフトカードが1万円分入っていた。

それとメモが1枚。

「これでどうか内密に」

店長の上半分がやたら狭く、下半分が長いモデルの股下の様な癖字で書かれていた。

これは買収というものだろうか。不意打ちとも言えるプレゼント攻撃に対して気味が悪いのと気持ちが悪いのでクラクラした。それ以上に、こんな事をしないと黙ってないと思われた事があまりにショックで震えが走った。今すぐ捨てたい。

もう今晩はレポート書けないな、どうにかして寝ようと不安定なメンタルのまま席を立とうとした時に、壁に画鋲で留めてあるロックインジャパンフェスティバルのチケット代払い込み済みの半券が視界に入ってきた。

プレゼントされたものを使うのは死んでも嫌だという気持ちがあり、ただ突き返すとバイトを辞めないといけない展開になりかねないという面倒さもやっぱり根強くあった。

だからこれを売り飛ばして旅費にしようと思った。

 

翌日、学校帰りに梅田まで足を伸ばしてG-SHOCK音楽ギフトカードを売った。合計で2万円くらいになった。

僕はそのお金で東京を経由して茨城県ひたちなかに行って、エルレアジカンを観た。

エルレは観たことがあるものの、アジカンは初めてだったので、ライブが終わった途端に初めてのアジカンを何だか汚いお金で観てしまった様な気がして無性に泣きたくなった。

待ち望んでいたアジカンとの対面を自分の手で歪めてしまったのだという後悔が凄まじく、そこでようやく親に借金すれば良かった、あんなもの勢いに任せて捨ててしまえば良かったと思った。

バイトを頑張って遠征した、と純粋には言えない自分が恥ずかしくなり、結局適当なタイミングで会場を出てホテルに帰ってしまった。

その場で初めて聴いた新曲のタイトルが「リライト」だったのはちょっと変に出来過ぎていた。

 

翌朝、大阪に帰る為に立ち寄った水戸駅バイト先にお土産を買った。売り飛ばして得たお金の残りをお前たちにも食わせてやる、という気持ちで残っていた2000円でお菓子を買った。

僕は、それ以降も秘密を口外することなくバイトを大学卒業まで続け、その間店長もパートさんも在籍し続けていた。関係が続いていたかは知らないけれど、仲は変わらず良さそうだった。

そこから最初にいなくなったのは就職に合わせて辞めた僕で、その後は何も知らない。辞めてからは一度も店に顔を出さなかった。

 

これを書きながら、まだ店はあるのかなと調べてみたら閉店したという情報を見つけた。

面白くも何ともないけど、これでもう本当に終わりだから、こんな日記があってもいいかと思ってこれを書いた。

それだけです。

 

またー。

床暖房スニーカー開発秘話。

年末年始、怠惰に怠惰を重ねた。

スタバ風に言えば「トール、ホットの怠惰に怠惰を追加で」くらいのレベルで怠惰に過ごしたせいで長文を書くという自分の病と呼んで差し支えない性質が急激に鈍化した。

これが冬眠かも知れない。

このまま穏やかに月日が経ち、春の訪れと共に徐々に文章が長くなるのも良いかと思うものの、人間は冬眠などしないし、僕のソウルメイト通称北欧の藤崎竜ことムーミンですら冬眠する種族の癖に「何故だか目が覚めた」というウッカリで一冬起きっぱなしで過ごす事もあるので、もう冬眠なんて幻想通り越して幻想魔伝かつ気分によるのかも知れない。床暖房入れて朝までパーティー出来る時代だぜ。床暖房スゲー光熱費高くてマジ退くので最近では床暖房の上にホットカーペットを敷き、ホットカーペットを使って床暖房気分を味わっている。

そうやって暖をとりながら、随分前に芦屋に住みたいが為に備え付けられていたウォシュレットすら外して水道代を節約している人の話を聞いたのを思い出した。

その話を聞いた時には、そうまでして身の丈に合わなくとも住みたいと思って貰える芦屋ってスゲーなという気持ちと、憧れの代償とは言えそんな貧乏臭いことをする大人になりたくないなという気持ちが入り混じったのをよく覚えているが、どことなく似たような状況下にある。

まあ僕の場合は引っ越してガス機器の点検に来てくれた業者のおっさんに教えて貰うまで自分の家に床暖房が備わっている事すら知らなかったので憧れの代償でも何でもなく、ただの代償なのでドラマ性も思い入れもないしより悲惨な気もするんだけど、お客さんが来た時にだけ使うカッコイイ機器として割り切って活躍して貰っている。床暖房にそれ以上の必要性は今の所感じていない。この程度の温もりでこの光熱費!?という感覚から脱せない。安全な暖房器具ではあるけれど、寒いから温かいお茶を飲もうと700円払ったのにぬるいお湯が出てきたみたいな気持ちになる。許容出来る豊かさを身につけたい。

そんな訳で今年もガンガン話が逸れているけど無事に休みも明け、仕事と親密にならざるを得ない日常が戻ってきたので順調にストレスも溜まり、それに比例して文字数も自然と帰ってきている。みんなーおかえりー!

複雑な気持ち。

 

それはそうと、随分長いことスニーカーを探している。

ある日、道端で見掛けた女性が履いていたベースがカーキで部分的に黒があしらわれたナイキのスニーカーがあまりに好みで、自分のスニーカー(普段あまり履かない)がボロボロなのを思い出して買い換えようとなったのがキッカケである。

どれだけ好みだったかと言うと、同性だったら意を決してどこで買ったか聞きたいくらいの衝動だったと言えば少しは伝わるだろうか。

流石に道端で鼻息荒い男性が靴の出自を聞いてくるなど事案以外の何物でもない。それは玉山鉄二でギリ許されるくらいの気持ち悪さである。

そんな訳で、それを理想に据えてのスニーカー探しが始まったのは12月の頭であった。

結果を述べると、1月の上旬も終わろうという現在、未だに先述のナイキのスニーカーを超える物にも並ぶ物にも出会っていないので購入に至っていない。

所持しているスニーカーがボロボロではあるもののまだ履けるかな?くらいな現状が危機感の無さを助長している気もする。完全に失ってからでは遅いというのに人間とは愚かな生き物である。

ただ、何店舗も靴屋やスポーツブランドの路面店などに足を運びスニーカーを見て回ってこれだけピンとくる一足が無いのだからそもそも欲しいのかも怪しい。

どちらかと言うと履きたい一足を通り越して運命的にピンとくる一足を探して何店舗も回っているという気もする。彼氏がいるのに運命の相手を探して合コンを荒らして回るOLの様な存在になっている。

順調に目的がズレて執着に変貌を遂げつつある。そこまでして出会ってしまったら履かずにガラスケースに入れて飾り奉りかねない。

それでは本末転倒なので無難でシンプルなスニーカーをさっさと手に入れてこの熱を散らした方が良いのではと最近では自分でも思っている。さっさとABCマートでもイオンモールでも誰でもいいからどうか助けてください。

 

またー。

お正月の勝手が判らない'17

正月の過ごし方が未だにしっくり来ないので不安定になってしまう。

実家は僕や妹が宿泊も出来ない小さなマンションに引っ越してしまい、年末の忘年会という名の食事会のみで解散。正月に寄り付くアテを全く用意されておらず、親がどの様に正月を過ごしているのか知らないまま4年が経とうとしている。実家に下着の一枚も置いて貰えないという現実はそこそこライトに勘当されている可能性もある。気に食わない事があるなら言ってくれ。(連絡を寄越せとは言ってくるのでただ食事の用意が面倒なだけという可能性はある。血は争えない。スゲー解るよその気持ち。)

そんな訳で、結婚してからというもの正月は奥さんの実家にお世話になっている、というか厄介になっている。

心苦しいし、美味しいものを沢山食べさせてくれるので腹も苦しい。神・様っ(RADWIMPSの有心論の歌い方で)

奥さんの実家は非常に文学的というか知性を感じさせる家庭で、自分の実家のやれコブクロだやれ福山雅治だで盛り上がっている様とはえらく勝手が異なり、時々場違いなところに来てしまったと恐縮するも、かと言って実家のコブクロだの福山雅治だのにも僕は全くついていけずにボンヤリしているので、どうせならちょっとした知識になりそうな奥さんの実家の方が断然有益だと思って満喫させて貰っている。

今年は仏教から新興宗教が派生する経緯の話などを一言も発さずに心にメモし(でも既に全然覚えてない)、知的な表情を浮かべで場に参加している体を装った。南無三っ。

 

今年の滞在中のハイライトとしては義兄の流行がかなりメジャーに振り切れていたことが挙げられる。

落ち着いて大人しい義兄はどちらかというとナード寄りの性格をしていて物腰も柔らかいのだけれど、何か拾い食いしたのか頭でも打ったか完全にピコ太郎に魂を売り渡しており、好きあらば例のネタをぶち込んでくるという悪魔憑きの様な有様だった。

そもそも義兄が50 Centの様な風貌でヒップをポップしがちな、最悪SUM41の様な高校生のまま歳喰ったDQN的な出で立ちであればその流れを汲むのは理解出来るし、色々潔く諦めて営業的なリアクションに終始したいが、穏やかな風貌に穏やかな性格、穏やかな酔い方と何もかもが穏やかであるが為に、その義兄が良く分からないタイミングでピコ太郎のモノマネをブチ込んでくる現実に精神的に追い込まれ、愛想笑いのレベルが超進化するに至る。一体義兄の身に何が起こったんだろう。仕事でとんでもない悩みを抱えているのか、もしくは自称占い師に洗脳でもされていないかと一家騒然。最終的に穏やかの域を突き抜けてお酒が過ぎた義兄はドグラ・マグラを延々暗唱しながら眠りについた。笑う。

僕はと言えば最終的に結構展開を面白がって眺めていたし、ようやくこのイベントの参加を経て家族の輪に入れたんじゃないかとまんざらでもないが、義兄の2017年がせめて幸多きものとなります様にと祈らずにはいられない。

 

あとはアントマン、オデッセイとハリウッド映画を立て続けに観た。普段、好んで観る類の映画ではないが、何となく付けっぱなしになっているWOWOWで最初を観てしまうと最後まで観てしまうもので、尚且つ自分で選択していないので何の前情報も無しに観れて面白かった。

今は月額幾らで好きな作品が観れる時代ではあるのだけれど、そんな時代になろうが意外と映画を選ぶという時点で頓挫してそのまま観ないで過ごす様な人も多いのではないかと思う。

WOWOWの様に誰かが選択した映画を観ると興味の外側から新しい世界がやってくるのでたまには良いなと思ったし、1000円とかで日割りやってくんないかなーとボンヤリ考えながら観た。(月額500円とかであるのは知ってるが選んで欲しいので手間賃を上乗せしている)

marvelシリーズはマッチョなキャラや世界観が多いけど、作ってる側が極端にナードでギークなせいかオタク心を擽るポイントが沢山ある。全然観たことが無いのだけれど、また機会があれば観たい。

 

正月休み中の最大のトラブルと言えば、年賀状問題について記しておかねばなるまい。

喪中、喪中、面倒で出さずという3年を過ごしてきた4年目の今回、元同期が送ってくれるというので印刷済みの年賀状を購入した。

まず選択としてミスをしたのだけれど、購入した年賀状は1/4程度のスペースが空白となっており、そこそこ広大なメッセージ執筆スペースが設けられていた。

そこに一言だけコメントするとかなりスカスカであると飲み会の席で漏らした所「それは埋めなきゃ駄目だよ!書いてあげなよ!マナーだよ!」と言われ、酔って素直に感心した僕は「もう何年も出してないから知らなかった!ありがとう!」みたいな返事をし、実際結構みっちりとメッセージを書いた。(大した枚数じゃないけど)先輩には父の日の手紙レベルで日頃の感謝を、後輩には担任の先生かよというくらい温かいメッセージを書いた。

そして帰省から戻りポストを開けて愕然。メッセージは一言、もしくは無しが主流で僕が投函したメッセージ満載の年賀状が存在として滅茶苦茶重たいものに成り果てていた。

勿論、メッセージは書けるのならば多い方が好ましいという気もするけれど、単純に騙されてしまったことが酷くショックで新年早々人間不信に陥りそうになっている。

性格的にパーンと明るい訳でもないので、文字数の分だけ存在感が重い方向で作用する可能性が大きく、出社拒否及び訴訟を視野に入れて対策を練りたい。

僕は本当に怒っていますよ。

 

結果的にその怒りをライトオンのセール価格となったパーカーを購入する事で紛らわせるに至る。

バーガンディー色の温かそうなパーカー。バーガンディー好きなんですよね。何か響きがインドの神様みたいな名前だし。

 

今年もよろしくお願いしますね。

 

またー。

2016.12.31〜2017.01.01 股下89/壊れかけのテープレコーダーズ/Maison book girl/大森靖子を観てきました。(@新宿motion/LOFT)

12/30

掃除、買い物を朝から精力的にこなす。

帰ってきたらポストにT.M.Revolutionのファンクラブ会員証が届いており、完全に乙女のリアクションであったと自負している。

忙しい最中、疲れた心と体を引きずって毎夜ポストを開け、年内には間に合わないだろうと自分に言い聞かせながらもやめられなかった。

それが年内に届いたので興奮のあまり「はぁー!!」「ふぅー!!」だのよく解らないハ行の感嘆詞を垂れ流す。

ファンクラブの会員規約に並ぶ「西川貴教」の文字の多さに幸せを感じた。西川貴教じゃなくて「西川貴教」ですよ。ねえ?わかる?ねえ?

ファンクラブ会員限定コンテンツを食い入るように見る。中でもスタッフによる日記が大変素晴らしく、何を食べたとか何処に行ったとか書いてあるので大事に読まねばなるまいと正座して読んだ。

午前中頑張り過ぎたので午後からはダラダラして過ごす。買ったCDをのんびりと聴く。最終的にファミレスで夕飯を食べてあっという間に就寝。

 

12/31

 朝から東京へ。

そのまま奥さんの実家に帰るので本を持参するもピエール・ルメートルの文庫の新刊で、昨年もやっぱりルメートルの本を読んでおり、いつもカミーユという刑事が悲惨な目にあうし彼の周りでバンバン人が酷い死に方をする。ミステリーというよりサイコに近いのではないかと思うのだけれど、それを奥さんの実家に持っていくというのは何がそうさせるのだろう。

その前の年も別の作者の洋モノのミステリーを持って行っており、流石に3度目となると奥さんに悩みがあるのか軽く心配されたが、特に何もないし、まあ気付かないでしょうと高を括って持参。読みたいものを読みたい。意外と頑固なのかなと後輩に漏らすと「頑固じゃないけど意地は悪いですよね」とのこと。お前の年賀状にしっかり皮肉書いといたからな。

本が面白くて新幹線はあっという間に東京。今の所2人悲惨な死に方をしている。序の口である。

 

新宿motionにて昼からライブ。

股下89

パンクなのかオルタナなのか、両方なのかって思いながらえらさんのベースのドッシリ具合に対してドラムはスパンとしてて、ギターがずっと不穏なフレーズを弾き続けていて、この弾き倒すとか轟音で薙ぎ倒すとかそんなんじゃなくて淡々と、でも常に「不穏なフレーズを弾き続ける」ということがこんなに迫力がある事なのだなと新鮮だった。ちょっと矛盾した言葉なのかも知れないけど迫力がコンコンと積もり続けるというか。

ボーカルの昭和っぽさもそのイメージにガッツリ拍車をかけて格好良いバンドだった。

 

壊れかけのテープレコーダーズ

セトリが、スゲー、良かった!

ライブは、もっと、良かった!

最近ブルーノ・マーズという新庄剛志激似の洋楽アーティストにハマっているのだけれど、まあ色んな意味で真逆。全ての音楽要素を良いとこ取りで詰め込んだゴージャスなブルーノ・マーズにハマっている一方で余りにクラシカルかつシンプルなロックンロールを鳴らす壊れかけのテープレコーダーズに滅茶苦茶歓喜している不思議。

人さらい、街の灯が特に嬉しくてぶちアガッてしまった。ドストレート轟音。

暫く観れないと思うのだけれど、最後の最後に演奏された「希望」という新曲が凄く格好良くて、あー待ってようという気になった。

 

次のライブまで時間潰せるかなーと思い特に何も調べずファンタスティックビーストの映画のチケットを買ったら想定より上映時間が予告も含めて1時間くらい長くて、更に次のライブの開場時間も思っていたより1時間くらい早くて、結果的思ってたより合計2時間も違っており、人に迷惑を掛けてしまい助けて貰った上に物販まで代行頂くという大晦日にして今年最高の間抜けっぷりを発揮し、それに対し本当に慈悲深く手を差し伸べて貰えたお陰で無事に鑑賞できた上に物販もちゃっかり手に入れた。申し訳ない。僕もまたファンタスティックビーストだったのである。苦しい。

ファンタスティックビーストは、まあそりゃハリーポッターの別シリーズならそれも当然なんだけど随分長くて、そして随分と面白かった。

パン屋のキャラクターと、主人公の妙ちきりんなテンポが何とも愛らしかった。ヒロイン腹立つ。

 

@新宿LOFT

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Maison book girl

生で観たの初めてで、よくこのテンポで踊れるなというのと、曲がスゲーカッケーなというのと、世界観が徹底的にストイックだなというのと、あとメンバー皆凄い可愛かった。矢川葵さんが一番好きになった。

CDを手に入れて聴かねばならない。

それにしてもとんでもないお祭りワッショイな盛り上がり方で怪我しないのかなと思うくらいキツめのダイブばかりだったけど、きっとリフトとかで培った技術を持つ下にいる人たちが上手いんだろうなと思いながら遠くから眺めた。メロコアバンドのライブかと思った。

 

大森靖子

新⚫️zの鍵盤違い+小森さんが追加参加という編成で、最多のギター5本というどうなるか想像もつかない編成でのライブ。

ハイパーカウントダウンとのことで、ハイパー担当のサクライさん参加曲のSHINPIN弾き語りからスタート。弾き語りのSHINPINはキリキリとした緊張感と都市型の無機質さを個人的に見出すのでとても好きだし、原曲とは違ってどこまでも大森さんの間合いでそれが再現ではなく表現されるのがとても楽しい。

バンドを呼び込んでピンクメトセラ

非国民的ヒーローの様にしっかりロックチューンは勿論のこと、ピンクメトセラやイミテーションガールなどもギターの本数が単純に多いので音が分厚くロックだった。

バンマス畠山さんのギターにあ〜ちゃんと小森くんが全然違う乗り方をしていく印象。えらさんのベースはツアーよりもガツンとしていた(気がする)。

普段はピエール中野さんのドラムを物凄く追って聴くタイプなのだけど、サクライさんと大森さんを入れると5本になるギターは兎に角面白くって、ギターばかり気にして観てしまう。素人耳としては畠山さんが主軸、あ〜ちゃんが軽やか、小森くんがストレート、サクライさんが厚み兼ノイズ。

そこに大森さんのアコギが重なっての「あまい」が物凄く綺麗で鳥肌がうーわー!!となった。TOKYO BLACK HOLEも格好良かった。

「音楽を捨てよ、そして音楽へ」の絶叫による2017年の抱負とバンド全体での爆発っぷりがたまらなかった。

アンコールはブクガとカメダくんを引き入れて。カメダくんはサクライさんのタンバリンや鍵盤を触っていた。一瞬だけ4ギター2シンセという編成になったのが面白かった。

2017年も頑張ろう、というよりは今日本当に楽しかったからまず1日頑張ろうという気持ちになった。

 

新宿から浜松町へさっさと移動。

ジャニーズのカウントダウンコンサートのお客さんに混じってデニーズで酉年を斃す為にチキン南蛮定食。

ライトアップされた東京タワーを眺めてからモノレールの列に並ぶとまさかの初乗り的なガチ勢で形成された集団の最前ブロックに取り込まれてしまい、後方は後方で初日の出を空港の展望デッキからインスタグラムしようと殺気立っている人たちに塞がれた様な状況で、万が一自身のICカードが使用不能で弾かれたら後ろの人たちに殺されるんじゃないかという過度のプレッシャーに苛まれる。

が、無事通過出来た。新年早々死線をひとつ切り抜けたのは幸先が良いと評価されるべきではないだろうか。

絵馬に願いを書けみたいなコーナーがあったので何か書かねばと思いついたまま書いたけどまさかの「みんな仲良くしろ。」

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願いというか命令。何様。

空港は広い。荷物の整理をし、ダラダラとこの日記を書いている。デニーズで眠け覚ましにコーヒーをお代わりし過ぎて眠くはないけど胃もたれがある。程々という言葉を覚えたい。

身体が怠かったのでマッサージチェアに課金して揉んでもらう。僕はまた一歩、大人になったよ。この調子でガンガン進んでいくんで、お前らにつきましても置いてかれんなよ?って感じですね。お年玉ください。

 

機長が「皆様の後方より初日の出が御覧頂けます!」と意気揚々とアナウンスしてくれたんだけど、マジで真後ろ過ぎて誰も見えてねえだろと思ったり、たった30m程度をバスに乗る→バスが走る→バスを降りるで数分要したりと(LCCなら平気で歩かせるぞ)刺激的な移動をこなした。

あとは大人しく奥さんの実家に潜伏して正月休みを過ごす。

 

またー。

年末進行で逝く弾丸日常ツアーファイナル。

たまには人のスタイルを真似てみようという事で、普段からこっそり読んでいる友人の書式に倣う。

2016年において友人のブログに倣うということの圧倒的根暗さに震える。2006年ですらこの行為は薄ら寒く、随分とまあ控えめにお育ちあそばせたのね的なアレ。笑う。

 

12/25

休日出勤したら後輩に「助けてください」と泣きつかれて森山未來かよと思ったけど世代的に通じないよなと思うも、あまりに泣きそうだったので貰い泣きしてしまって「助けるよ!!」と宣言して盛り上がる。平井堅がいたらマジで高音でサビを熱唱しただろう。ホラ!平井!今だよ!!

ともあれ自分の仕事も終わっていなかったので倍速で片付けて有言実行でヘルプに入れたのは我ながら格好良かったものの、これが地獄への片道切符であるなどという事は気付いて・・・た。残念ながら気付いてた。丸見えだったもんね、地獄の門が開けっ放しになってるの。無用心だよね。まあそこに入っていく側の方が無用心なんだけれども。

だって表札にも記されてるもんね、地獄って。

 

12/26

地獄。

11時過ぎにオフィスなのに線香の匂いがした気がしてオカルト板のまとめスレ読み過ぎたかなと思ったら疲れて冷静な判断力を失った後輩がお香焚いてた。元カレが唐突にくれたという謎エピソードを添えて。薄い不幸を重ねて重ねて地獄のバームクーヘン。

流石に笑った。

ストレス発散に面白可愛い雑貨を5000円分買う。トゲトゲした気持ちを丸みのあるキャラクターで紛らわせようという魂胆は確かに浅いが効果はバツグンだ!

 

12/27

地獄。

終電に乗車拒否されるレベルで地獄。

ひたすら作業をして目がチカチカする。午前2時踏切に望遠鏡担いでいけるくらいの時間に退社。

タクシーの運転手がマジで延々と喋り続け、黒柳の徹子さん的な、明石家のさんまさん的な名MCだったりしたのに女子アナにちょっかい出し過ぎて干されたおっさんか何かかと思うくらいエンターテイメント。残業よりキツイ。金払って受ける仕打ちじゃねえよと思いながら地獄へのランデブー。

 

12/28

仕事納め。

大掃除、納会と並行して業務をし続けてようやく納まったのは19時くらい。

食事もお酒も全然受け付けなくて、仲の良い後輩2人と全く思い出せない雑談を延々とする。

自分の様な人間が社内にこの後輩2人しかいないのでどうしてだろうと考えた結果、自分の様なタイプは軒並み転職しているという結論に至る。辛過ぎると共に、この後輩たちが少しでも穏やかに過ごせる様にしてあげたいと特に何も出来やしないのに思う。

CDを買ってブラブラと地下街を歩いて帰った。疲れ果てていて殆ど眠れなかった。

 

12/29

朝から洗濯をしたものの、それ以外何にも出来ず気晴らしに年賀状を5枚だけ書いた。

この5枚すら出す予定が無かったんだけど、一番仲の良かった退職してしまった同期が年賀状をくれるというので買ったもの。

使い切らないと勿体無いので職場で好きな人を上から選抜して書く。

カットの予約を入れていたので、それまでカラオケでもしようと思って半年ぶりにヒトカラへ。10人は収容出来そうな部屋に通され、この店の経営状況は大丈夫なんだろうかなどと考えつつ、ひたすらにT.M.RevolutionBase Ball Bear、たまにクリープハイプにL'Arc〜en〜Ciel、最後はうろ覚えのback number。

カットの時間が1時間ズレてしまい、3時間1人で歌い倒した結果、喉が死んだ挙句にT.M.Revolutionを気持ちよく歌う為には発声を根本から見直す必要があると改めて思い知る。やはりボイストレーニングに通うしかない模様。

後輩が言うところの「押し付ける」感じで借りた本が面白くて自分用に買った。

実は作者の事をかなり詳しく知っていたのだけれど、後輩がものを貸してくれるというイベントが新鮮過ぎて言いそびれてしまった。

ギターの弦を買おうかなとボンヤリ思うも近所にお店がないので諦める。

電車に乗って美容室に向かう。引っ越しする度に家からどんどん遠くなる美容室に通い続ける理由は、カットが上手いからというのもあるのだけれど開拓する根気も勇気も無いからである。弁当屋なんかでも同じ様なメニューばかり頼み続けるタイプなので、まあ電車で行ける距離ならばこのまま通い続けるだろうなと思う。唐揚げ弁当ご飯大盛りみたいな美容室である。

何にしても年末にサッパリするのは良い事。

切りながらスゲー高いG-SHOCKを買った話を聞く。30万のG-SHOCKは確かに格好良かったけれども、あまり腕時計を身につけないので只々圧倒された。

凝り固まり過ぎて岩の様だった頭をヘッドスパで揉みほぐして貰ってハッピー兼スーパーありがたや。来年もお世話になります。

 

明日は掃除。

年末年始は東京、新宿。

初日の出よりも早く空に昇って、帰省という流れ。

恐らくこれが年内最後の日記になるでしょう知らんけど。何らかの衝動がアレしてアレだったらアレします。

いつも読んでくれてありがとうございますね。南無南無。

顔も名前も知らない皆さんも是非是非よいお年を。

 

またー。

 

来年やりたい事を考えるだけの日記。

2016年もそろそろ終わるとなると、2017年の目標みたいな話もチラホラと出てくるものの、このチラホラの出所というのがクリスマスの予定が無い界隈だったりするので妙に切なくなる。結婚しただけでその界隈から黙殺され追い出されてしまう節もあるし、仲間では無いという認定を下す側の気持ちも解らなくはない。

だけれど、結婚したからといってそういう世界の住人になれるという訳ではないという事もご理解頂きたい、という主張は贅沢なんだろうか。贅沢なんだったらごめん。僕は贅沢なんだよ。

 

今年の秋に引っ越したマンションにはパーティールーム兼ゲストルームが併設されており、それを住人が借りる事が出来るのだけれど、まだ全戸入居している訳でもなさそうな微妙に人気の無いマンションなのにパーティールームの予約はパンパンだ。その予約表を眺めながら、この世にホームパーティーというイベントは実在するのだと激しい衝撃を受けた。生きてるステージが違う。早くお家に帰ってベッドで眠りたい。

そんな気持ちになった。

これを覆すにはパーティールームでパーティーを主催するしかない気がする。

こんな精神的フィジカルの強い世界でも隙間があって、そこで細々と過ごしている自分は一体何者なんだろう、という気がしている。

これを書いている今も、パーティールームでは意味解らないアッパーなアレンジが施されたクリスマスソングが流れ、脂質と糖質とアルコールで膨らんだキラキラとした明るさで満たされているのだろう。凄い。

まあ実際は大したことないというか、普通に楽しい世界なんだろうと容易に想像がつくものの、経験値の有無はその理解を当然の様に超えてネガティヴに作用する。

 

さて、そんな訳で2017年の目標を考えてみる。

話が逸れ過ぎて突然の感もあるけれど、書き出しからするとこれが本筋なのでしっかりして欲しい。話が長い上に湿っぽくてごめんね。

最近、承認欲求についての本を読んでいてそれが中々に納得いく内容でそんな事ばかり考えてナーバスになっている。それについてはまた6000文字くらいかけて書くとして、だ。

目標というと大それた響きなんだけど、やってみたいなーという事が幾つかあるのでここに書いてみる。

 

その前に今年やったことを簡単に振り返る。

○マンションを買った

○自分にしては高い私服を買った

以上である。少ない。他にも何かあったんだろうか。しかも買い物ばっかり。楽天市場かよ。

その反省を踏まえて、以下2017年の目標。

 

1.ボイストレーニングを受ける

半年に一度のペースでガス抜きとして突発的にヒトカラ(3時間コース)に行くんだけど、その時に毎回「もっと気持ち良く歌えたらいいなー」と感じていて、そんな同期でもボイストレーニングを受けている人がいるのかと検索してみると、高齢者が趣味のカラオケの為に通っているとの情報を得て一気にボイストレーニングに親近感が湧いた。

ただ、高齢者のカラオケの最終目的地はストレス発散ではなくカラオケスナックのコミュニティーにおける熾烈なポジション争いを有利に進める為の一手である事を知っているので親近感は得ても仲間意識は芽生えない。

高齢者になっても一芸に秀でなければキャラクターを確立出来ないというのは、考えてみれば当然なのだけれど切なくもある。

あとは雨宮まみさんがボイストレーニングを受けていたのが楽しそうで、というのもある。

何だか完全に後追いみたいになっているけれど、それだけ喪失感が凄い。雨宮さんに対する感謝の気持ちというか、彼女が与えてくれた影響を自分の中に探しているのかも知れない。

ちなみにコレも完全に雨宮さんの綾波レイコスに感銘を受けた結果である。

 HOT LIMITスーツを買ったよ。 - 性格の悪そうなBLOG

まあ色々あるんだけど、半年に一度、3時間のヒトカラで気持ち良く歌う為に月に2回くらいレッスンを受けるのも良いのではないかと思っている。身1つで出来る習い事としても秀逸ではなかろうか。

 

2.あんまり知らない人と遊びたい

存在は知ってるけど、とか顔見知りだけど、くらいの人と遊びたい。

何となく自分の世界(社会ではなく、世界。ここ重要)が狭い気がして、とりあえず何かしたいという気持ちがある。

書き出しの根暗つらつら節も要は世界の引き出しの少なさ及び狭さが影響している。

単純に世の中には色んな人がいるのだなと思いたいので何かしたい。

とは言え、そこそこ社交的ながらパーティーピーポー気質では無いのでどうしたら良いのかなと考えた結果、以下の様な候補を定めた。

a.誰かと服を買いに行ってお茶をする

b.誰かと美味しいご飯を食べに行く

c.誰かと映画を観てお茶をする

ただ会うだけより楽しいのでは無いかという気がする。一緒に何か目的を果たす為に会うとなるとワンクッションというか、ハードルも低くなる気がする。(僕の場合は)

どの様に募っていけばいいのか解らないけれど、まあやってみようと思う。(相手がいないと始まらない話ではあるけれど)

 

3.パーティールームでパーティーをする。

これはもう、完全に書きながら思いついたんだけども、この脳内にあるホームパーティーを具現化せねば一生この影に付纏われるのではないかと感じ、ならばやるしかあるまいという結論に至った。

自分が想像するホームパーティーに沿って料理やイベントを用意する。そしてそれを参加者に強いる。かなりエグみのある企画であるし、場合によっては会費が発生するという恐ろしい展開が待ち受けている。金を取るのか。

とりあえずパーティールームで何かする、くらいから始めて最終的にパーティーを目指す方が良いかも知れない。突然100m全力疾走したら痛めてしまうのと同じで、取り返しのつかない傷(精神的なもの)を負う可能性がある。

アラサーでこの類の負傷をすると将来設計に関わるので多少なり慎重にならざるを得ない。

誰を呼ぶのか、パーティーとは何なのか、それを1年かけて考え、夏にとりあえずパーティールームの全貌を把握する何らかの催しをして、冬に本番のパーティーを実行する長期計画となるだろう。どうしよう書いてて全然楽しみにならない。いや、でももうこれは楽しみというより己との闘いとも言える訳で・・・。

好きなアーティストに集まってもらった自主企画よりも全然緊張を伴う。だってその時のお客さんの目当てはあくまで音楽。パーティーのために集まるとかマジちょっと今の所「日本語としては読解出来るんだけど意味は解らない」という状態だ。このパーティー偏差値から上げて、あ、アゲていかなければならないのである。道程は果てしなく遠い。

まぁ、年が明けても覚えていれば、そして他にこれより叶えたいものが無ければ実行したい所存。

 

とりあえず何でも良いけど、2016年と違う発見を自分の行動で得たいという気持ちはある。

その前に、今年の残りを楽しまねば本末転倒ではあるのだけれど。

頑張ルンバ!(懐かしい)

 

またー。

コートを買いに行くというタイプの冒険譚。

スーツに合わせる良いコートが欲しくなったのでなけなしのボーナスを握りしめて買いに行った。

本来、仕事着にお金をかけることを嫌っていたのだけれど急にコートは良いやつでもアリなんじゃないかと思い至って買いにいった。

 

事前にネットで調べてみると、タケオキクチとかポールスミスとかがお手頃かつ身の丈に合うかと思っていたものの、マッキントッシュのサイトでコートを見た時に好み過ぎてマジ新垣結衣星野源スクラム組んで迫ってくる感覚に陥ってしまい、逃げるは恥だが役に立つ!逃げちゃダメだ!逃げるは恥だが役に立つ!逃げちゃダメだ!と押し問答した挙句、えーいここだ!ここしかない!!となって、マッキントッシュと言えどピンキリとのことで阪急メンズ館及び大丸に行った。

まずは普通の紳士服売り場で2万円とかのコートを物色する。徐々にグレードを上げていかないと、急にプールに浸かって心臓がビックリする展開になりかねない。接客にも慣らしておく為にも試着などもさせて頂く。

3万円、4万円で充分可愛い。いざとなったらココでも良い買い物が出来ると自身に入念に暗示をかける。「このフロアで買えるコートの時点で去年の倍の予算だぞ」と言い聞かせる。

そう、去年は場当たり的に安い1万円ちょいのコートを購入し、かなり後悔したのだ。可愛かったんだけど劣化の速度がマジ烈&豪でマグナムトルネード。

しかし4万円など出せば余裕で何年も着れそうで一安心だ。色んなお店で試着などさせて貰い、準備運動をする。世の中には素敵な服屋が沢山あるのだなと思うも、目的はキッチリ果たさねばならない。いざ。

 

まずはセレクトショップマッキントッシュを取り扱っている所へ行くも怖くて入れず、表面をサラサラっと流す感じで逃亡。

その後意を決してマッキントッシュ ロンドンに突入し、ビクビクしながら選び、候補を絞りに絞って試着したのは15万円台のショート丈のウールのコート。

滅茶苦茶柔らかいし軽いしスタイリッシュで最高!ネットには「マッキントッシュは言うほど暖かくない」みたいな事が書いてあったけど大阪の冬は暖かいんじゃコレで寒けりゃ何着ても寒いわ!」という印象だった。

しかし、何だか違和感がある。完璧に素敵だけれど、この感覚は何だ?

15万円のコートから「15万円のコートはまだ君には早いよ坊や」という声が聞こえた気がした。

そう、コートを着ているつもりが、完全にコートに着られていたのである。ランドセルが歩いていると揶揄される小学校の入学式を彷彿とさせる「着られてる感」がこの違和感の正体だったのだ。

同年代で年齢的に15万円のコートを着ている人は世の中に幾らでもいる。だけど、そういう人たちは15万円のコートに見合うスーツを、鞄を、靴を身につけているだろう。

そうでなければ、そのコートに気圧されないセンスもしくはメンタルを兼ね備えている必要がある。

その両方が自分に欠けている事が明らかになってしまった。これは自虐でも何でもなく、単純かつ清々しいまでの事実で、これまで自虐の裏に隠れてセンスを先天的なものと思い込もうとしていた事をマッキントッシュからご指導賜わった状態。背伸びしても自分が違和感を感じている時点でどんなに商品が素敵でも、それを好きになれる訳もない。あ!り!が!と!う!ご!ざ!い!ま!す!

俺にはまだ早かったぜ!アバヨ!とする前に変に吹っ切れてしまったのでカシミアの27万円くらいのコートを試着させて貰う。

店員さんに何てお願いをすれば良いのか解らず「後学の為に・・・」と意味不明な事を口走り最早供述の域。僕が警官なら調書を取るがそこはショップ店員、サラリとした対応でフワリと着せてくれた。

え?着た?え?着てる???という軽さと柔らかさ、これはコートではなく、羽衣!?羽衣だわコレ!かぐや姫!どっちかと言うと一反木綿!マジで地面からちょっと浮いてない?などとミスター味っ子の領域に爆ぜる語彙力。

 

40代とかで買える様に頑張って働こうと思いながら退店し、マッキントッシュフィロソフィーへ。

 あ、買える。俺はここで買う事になるであろう。

店に入った瞬間にそう思った。

一着のコートに吸い寄せられる。

ストーン!と効果音がつきそうな綺麗なストレートのコート。軽くて柔らかい。着る。綺麗で滅茶苦茶しっくり来る。お値段8万円。あー買う。もう買う。店員さん、早くこれをくれ。ワシにコレをくれ!となった。

冷静に考えても8万円というのは前任の7倍のお値段。スーツ2着分。

あれ?これ悪徳商法によくある「最初にスゲー高額の商品ふっかけて、後から安い商品出して買わせる」的なアレじゃね?自分でその流れを作ってセルフ落とし穴にハマってはいないか?と思いながらも、もう欲しくて欲しくて入店5分でお会計してしまった。

あと何故かついでにマフラーも買ってしまった。アンゴラウサギ何匹分か定かでないマフラーは柔らかいが普通に神妙な面持ちになってしまう。でも買ってしまった。

 

最近、ようやく服を買ってウキウキするという感覚が解りつつある気がする。

大事に着よう、40代にあのコートが着れる様になる為にはどんな感じでやっていけば良いんだろうなーと思いながら、買ったコートを着るのを楽しみに帰りましたとさ。

 

因みにフィロソフィーは何故か2店舗行った。

それにしてもマッキントッシュもこんなに連呼されるとは思ってないだろうな。なんかごめんな。

 

またー。