性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

大森靖子さんとか色々@緑橋戦国大統領

怖い街に行く時は大体GRAPEVINEのHereと言うアルバムを聴いている自分がいる。
一番好きなのはベタに「Circulator」なんだけど、個人的に好きなのは「another sky」の頭三曲とイデアの水槽の「豚の皿」なんだけど。
どうにも怖い街に行く時はHere一択で何なんだろうねよく解らないや。
大阪に生まれ育った癖に怖い街なんてあるの?なんて偏見を向けられることには慣れているけれど、大阪にも治安の良い、ガラの悪くない街が沢山あるのにな、ってちょっと悔しい。
それはテレビのせいだと思うし、何よりテレビに与えられたキャラクターを個性として全うし過ぎた全大阪府民のせいだと思う。
別にそれはそれで微塵も迷惑して無いんだからとやかく言うなよ坊や、なんだけども。
大阪で生まれ育って28年、未だかつて純粋なる暴力の餌食になったことが無いけれどやっぱりあまり得意ではない。気性が荒いっていうのも才能だよな、とは思うけども。
同じ大阪でも西成とか堺の方へ行くと空の色が違う。空の色がいつも暗い。なんていうかそれが僕にとって怖い街の象徴で、何された訳でも無いけどいつも負けた気になってる。
そういう時にGRAPEVINEのHereを聴いていると飄々としてる上にどっしりしてて、大抵の事はどうとでもなるんだぜって言われてる気になる。
などと、別に西成や岸和田をdisりたい願望がある訳じゃなくて、単純に気質が違うよねって話に落ちつけたい。
自分で広げた風呂敷のたたみ方が解らない。

偏見だけれど、北摂と呼ばれる大人しい大阪において僕が好きなのは大阪コンプレックスに苛まれた人たちで。
皆が知っている大阪にはなれない。なりたくないんだけど、単純になれないっていう事への変なコンプレックスがある(気がする)。
コンプレックスは人を生かす。ミナミを庭とする同世代に比べて内向的な北摂の中高生のコンプレックスによって生かされている焦燥感がとても好きだ。
10代の可愛い女の子たちがこぞって自分を卑下する様は、いつ見ても圧巻。
誰かに認めて貰いたい、自分が認めたいと思っている部分を第三者に下から差し出す事でいじらしくもあるはずのない答え合わせをしようとしている姿が可愛い。
おっさんがそんな10代に「そんなことないよ!可愛いよ!」って言ってる流れがあると思うんだけど、あれは救いになるかならないかは別として物足りなさを感じる。
少女を救えるのは結局少女であり少年なのだと思う。時々そんなことを思ってしまう。
歳をとったものね。
 
そういう純粋に世話を焼いてしまうおじさんも好きなんだけど、ライブハウスにいるおじさんも好きだ。実に好きだ。
大阪コンプレックスを大いに刺激する東成区と言う土地(生まれて初めて行った)にある戦国大統領と言う親に行先を告げたら二度三度聞き直されそうな名前のライブハウスでそう思った。
戦国?大統領?戦国大明神でなくて?(大体、戦国大明神も大概意味不明だけど)
三日三晩ディープ大阪のテンションで騒ぐというイベントの最終日12/8に大森靖子さんを観に行ってきた。
ちょうど東京から「まがりかど」と言う首都東京のおじさん内で話題騒然の女子高生バンドが出演するとあってマジおじさんばっか。移民の歌が聴こえがち。思わず耳を塞いでわーん。
東京から彼女たちと大森さんを追いかけておじさんが大阪にやってくるという胸が熱いんだか背筋が寒いんだか解らない事態。
こういう人たちが自分の様な浅い人間にバトンが届くまでアーティストを応援してくれているお蔭で良い出会いがあるのだとしみじみ。
まぁ別におじさんに限った事ではないんだけど、おじさんって財力が凄いし存在感があるから単純に目立つ。
故に感謝しやすい対象と言うか。拝みたいから地蔵を置いてみました、に近い発想と言えばそれまでなんだけど。
 
いい加減ライブの感想を書いて終わろうと思うのだけれど、ここまで来るとどう話の腰を折ったものか悩む。
ええい、一年半ぶりくらいに観た河内REDSは随分逞しくなっており、爆音過ぎて眼鏡が震えて面白かった。愛らしい勢いに磨きが掛かっておりヤンチャさんマジキュート。
トビウオと言う初期マスドレばりの唄の割合のバンドは可愛らしい三人組かと思いきやガツンとカッコ良く、転がる様でいてズバズバ切り込んでくる様な鋭さが良かった。
CDを買いたかったんだけど、顔が見えなくて誰だか解らず諦めてしまった。また観に行けばいいか。
現象は相変わらず素晴らしく、ベースの彼の顔がとても好きだ。楽曲の祭感も負けじと好きだ。呼応、という言葉がピッタリ。
まがりかどは、演奏が下手過ぎてビックリしたけれど、曲が良過ぎてもう宇宙人観てる感覚だった。想定の外と言う外から入ってきた。
間違いなくまた観たい。東京からおじさんたちが来るのも解る。可愛いと噂らしいけど、おじさんたちの群れで顔が全く見れなかった。
1.7m級の巨人達は割と横幅が広くてマジ勝てる気しねえぜこれが大人の洗礼って奴か。へへっ風が出てきやがった。
 
ちょっと自分でも何を言ってるか解らないんですが、大森さんのライブは素晴らしかった。
大森さんファンが勢ぞろいでステージ前で待機している所、まさかのバースペースでの演奏との報。
悲鳴を挙げながらバーへと急ぐ大森さんファン達の悲しげな眼にうっかりキュンと来る。
しかしここは戦国大統領、生きるか死ぬかの戦国において油断は正に命取り。しっかりしてよボーイ。
チンタラしてたら大森さんが1ミリも見えない誰かの物販の変なTシャツと向き合ってライブを聴いてた。
視覚的効果を除してなお大森さんの歌はガツンとかっこ良かった。BARという雑多なスペースでライブをしている大森さんは初めてだったんだけど、普段よりグッとこっちを引き寄せてくれるようなエネルギーがあった様に思うし、何と無く優しかった。
オーバーザパーティーは好きなフレーズばかりで段々イントロから胸が詰まる様になってきた。
大森さんは小説家みたいだな、と個人的に好かん朝井リョウの唯一の名言「彼女が小説家でなくて良かった」を思い出しつつ一人ボンヤリとライブを反芻。
物販に並ぶのを毎回後回しにしてそういう事をしているのでいつも欲しい商品が軒並み売切れる。
そこまで含めての満足感がある。いつかちゃんと買うけど。
翌日まさかの22時間勤務だったんだけど、日曜のライブが楽しかったからやり過ごせた気がする。
朝4時のオフィスは妙に寒い。
木曜日から続いたライブが糧になってる気が、する。

本日のBGM
ハイスイノナサ/動物の身体
無機質で有機質で圧倒的構築感で組み上げられた音楽で出来た動物。
宿った熱の正体に気付いたら、もう。