性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

大森靖子&THEピンクトカレフ

泣いた。
とにかく泣いてしまってどうしようも無かった。
テレビの前で、ビービー泣いてた。
一度目はそんな感じでずっと泣いておりよく解らないまま終わってしまった。
二度目から何と無く形になる感じ。
大森靖子さんの声がズドンと入って来て頭の中すっ飛ばして心の中が一杯になる。
そこから小森さんのバカみたいにカッコイイ、スタジアム級のギターに無防備にされた挙句、高野さんのギターが外側から執拗に引っ掻く。
もう泣くしかない。丸裸だ。猥褻物陳列罪で捕まったら親は面会に来てくれるのだろうか。泣かされた手前、良い歳になってくると照れがあるんです。ごめんね。
それが大森靖子&THEピンクトカレフvsIDOL 2013.09.16」という作品の率直な感想。

大森さんの弾き語りとは違うドラマチックさがどの曲にもあって、まず大変に格好良い。

弾き語りで勝手に想像してた空白の部分、華道でよく華以外の虚空の部分の美学的な話を聞くんだけど、そういう部分。受け手として色を重ねていた部分からどんどん音が飛び出してくる感覚がとても楽しい。
泣いてたけど。

泣きそうになった時に大内ライダーを見るとちょっと笑えて涙引っ込むから大内さんは良い人だと思う。全然知らないけど、絶対良い人だと思う。だってあんなにベース振り回すの綺麗なんだもん、間違いないよ。何か演奏は時々怪しいけど。
菩薩の様なドラムを叩くウシくんは、予備知識一切ないのにウシくんと呼んでしまう程に包容力のあるドラムで、鼻の奥で今年亡くなった祖母の唐揚げを揚げる匂いを感じる。最後に祖母の唐揚げを食べたのはもう20年も前だというのに。
小森さんは、壊れかけのテープレコーダーズで二度ほど観た事があって、その時は曲の雰囲気に比べて硬派というか随分真っ直ぐなギターを弾く人だなと思っていたけれど、このバンドでは一人だけスタジアム級のスケールでギターを弾き続けており、ロックスターとは彼の様な人の事なのだろうな、と思った。
大森さんは、CDが小説でライブが映画。
どっちにもそれぞれの魅力がある。
歌の力、というよりも彼女の力を感じる。
撮影の二宮さんは、カメラ一つでここまでの映像を収める。間違いなく彼はこのバンドのメンバーだと思う。
どうでも良いけど僕は彼の後頭部が凄く好きだ。
高野さんは、本当に凄いギタリストで、コンプレックスと仄暗さを全部忘れない様に鎖で自分で全部繋いで引きずりながらここまで来た様なギターを弾く人で、自己評価が高いんだか低いんだかどっちでも良いんだけど下に見積もった様な発言をネット上で繰り返すから、心配とかそんな烏滸がましいものじゃなくて時々無性に腹が立つし、僕は彼のギターを聴いてこの先何百万人に評価されても万が一東京アンダーグラウンドでしか評価されなくても、それを高野さんがどう思っていても興味ないけど、勝手に凄いギタリストだと言い続けようと思ったし、誰にも聞かれてなくても言い続けるし本人に届こうが届かまいがどうでも良いから言い続ける。
僕は高野さんのギターに泣かされた回数を忘れたくないから全部引きずってでも持っていく為だけに彼を推し続ける。
僕は勝手に高野さんにギターヒーローという称号を背負わせていますのでお構いなくでご了承下さい。
ニワカが随分じゃないのとか言われてもねえ、知らないわこっちが寧ろ知りたいわどこが好きなんだ明確に教えてくれ。不思議体験アンビリバボーそういう好きが無い人生を送ってる人を僕は皆可哀想に思うよごめんね。
勢い付いていらぬ煽りが入っている。この反省は帰省先でしっかりと。粛々と。

ピントカのDVDは二枚あって、両方観たのだけど僕は高野さんがいる方が好きな様。様、っていうか間違いなく。
どこかで生き辛さを感じている人。年に幾つかずつ何かを諦めながらその余韻引きずっていることで生きている実感を得ている誰かを。
ゴーイングステディが、椎名林檎が、其々のやり方で救ってきた誰かと同じ目をした人達がピントカにしか出来ないやり方に勝手に救われて行って欲しい。
救ってくれるとは思ってない。結果的に各自救われてったら、という気持ち。
そんな余計なお世話を願ってしまう程にエネルギーに満ちた作品だと思う。
などと言いながらピントカのライブは生で未だ見た事がないので偉そうな事を言い過ぎている感があるのは百も承知だけど、観て欲しいし僕も年末にようやく観れます。
只々楽しみです。

また。