性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

オワリカラ「サイハテソングス」雑感。

オワリカラのニューアルバム「サイハテソングス」が発売になりましたので長々と雑感を。
主観のみで書きたいので、インタビュー等はまだ読んでなくて、音楽的な表現はほぼないポエム以下の代物なので中学時代に書いてた事を思い出したくないサブカル女子なんかは注意して欲しい。
無駄なものを摂取して無駄だったな、と思う快楽の虜になってるパチンコがやめられない若しくはパチンコやるとハマりそうだから出来ないというタイプに捧ぐ。

そもそもこのアルバムを一言で言うと彼らの最高傑作だと思う。
オワリカラの存在なんて知らない高校生として、友達の付き合いでタワレコ来て時間つぶしに聴いて衝撃を受け、フラフラと家に帰って忘れられず、なけなしの小遣いで買いに行くも展開が終わっており、店員さんにここらへんにあったやつ...と赤くなりながら聞いて買うという体験がしたい、というレベルの傑作。
真昼の実験惑星で主に披露されてきた10曲に転換ナンバーを加えた11曲。
その実験惑星に行って事前知識がある僕でこの衝撃なのだから、行けなかった人たちはもっと衝撃を受けていると推測している。こんな事言われても迷惑というかむしろ腹立つと思うんだけど、その衝撃が羨ましい。
こんなにファンサービスの徹底とその割りに常にズレてイマイチ功を奏してないバンドも珍しいのだけど、その辺のイメージを差し引いても、もうドカンと売れてくれ。売れなきゃおかしいアルバムが2014年にもちゃんと生まれた。
本当に幸せです。


そんな訳でロッキンの藤原基央インタビューばりに長い雑感を書く。歩道橋で人に囲まれて警察来た話が好きだ。

最高傑作は踊るロールシャッハから始まる。一音目までのタメが微かにシングルより長い。無音にも何かしら込めてあるんだろうか。流石にそこまでイメージねじ込めないのが己の限界。磨け!妄想力。僕程度の耳ではシングルより渋めなニュアンスである事しか解らない。それにしてもやっぱめちゃくちゃ良い曲だなぁ。
マッチメイカーはかなりギターをメイン、鍵盤がアシスト的な印象が強い。ライブだとツートップ気味になってかなりの攻め具合だけど、音源は奥行きがあってこれもまたとても良い。タカハシくんの歌い方にかなりバリエーションがあってやっぱり凄いな、と。発生のキレと粘りのバランスが絶妙。タカハシくんの声は、がなってる歌い方も煩くない所が好き。ホー!とかウッ!とか小気味良い。和田アキ子超えたな。そのうち頭禿げあがりますよねターンにswingに続き禿げへの恐怖。タカハシくんは遺伝子とでも戦っているんだろうか。
イギーポップツアーの神戸かどっかで演奏していた代物と同じ部分は最早「チチチ」だけという。進化論。
黒歴史にOKはファンファーレばりにスパーンとした鍵盤と開き直り全肯定な歌。
ギターのザリザリ具合は黒歴史認定した過去をヤケクソ気味に、あの日の自分の思考回路を困惑しつつ振り返るイメージ。確かにあの日の自分がいなければ僕ではなかった。黒歴史を「お前」と呼ぶのに対して自身を「僕」と称するところに黒歴史を拗らせる人間の気質が現れている気がしてならない。
最後の唐突な終わり方と同時に考えるの放棄。
黒歴史からサイハテソングに繋がるのが、地続きながらも、という感慨深さ。サビの歌い方がどうにも不思議で、そこでトーン落として抑えながら歌うんだけど、お陰で最後のサビの夜明けっぽさがスッとくる。
「風が暗がりに咲く花の蕾を撫ぜて 開かせた」という歌詞が書けるタカハシくんの文学的な表現とサビのストレートはカーブ見せてのストレート。日本語は終わってなんか、ない。
大好きなムーディーオワリカラディープゾーンを今回のアルバムで担当するMUSIC SLIDER。サビの部分のギターってライブだとファンクっぽい方じゃない気がしてるんだけど、大体ムードに酔ってるから解らない。艶やかにしっとり濡れてる夜の中でそのギターが程よく効いてる。
NO SHELTER(for stranger)もかなり前からあった曲。ギターと鍵盤が同じタイミングで音出す所気持ち良い。個人的にはここでようやくドラムとベース目立って来た感がある。嬉しい。オワリカラの曲は言葉の繰り返しがとても効果的だなぁ、と思う。
通路は、僕なんかでは褒め所が解らない。優秀なアイキャッチであるとは思うのと、日本語で遊ぼう的な教育番組で流れていても不思議でない謎のユーモアと口ずさむ魔力がある。後半の文章パートが意外と重いのが油断ならない。やはりここはサイハテなのだ。
SINIBASYO A GO! GO!は黒歴史と並ぶ厨二パート。カワノさんが恍惚とした表情で叩いてるのが思い浮かぶ。ドラムの振動喰らってる様なピーじゃなくてピリピリピリーなのが良い。音の粒の話。牙だらけ。まだまだとんがっていたいお年頃。ここまでストレートな曲って実は無かったと思う。凄く楽しい。
そこから急転直下はなとゆめ。
ギターと歌い出しだけで120点。鳥肌。思春期はジャンプと花とゆめで育った。そっちのはなゆめに寄せてるのかと初めて実験惑星で聴いた時は思ったけど、どっちかというと昭和の少女アニメに近い。とても愛おしい曲で、上手く説明できない。
マーキュリーは問答無用のラブソング。グングン広がって鼓舞される。これもイギーポップ時代に原曲があった気がする。波打ち際をグラビアアイドルが駆けてくる爽やかさがあったと記憶している(多分mixiとか掘ったら出てくるんじゃない?)けど、こんな格が違う曲になるとは。一番仕掛けが多い曲でもあって、聴き所が多く映画みたいな印象。
Lは一番好きな曲。まさかこれで終わるとは。ベースのタメからの鍵盤のパーン。コーラスのボイスエフェクトのLっぽさ。啓発本のヤバさが如実。
何よりも後半の鍵盤無双だけでもこのアルバムは買うしかない。所々引っ掛け所を作りながら底から天へ昇るソロの高揚感には毎度毎度興奮してしまって、もう。文句なしで歴代最長の見せ場だと思うし、歴代最強の破壊力だと思う。

特典については、大人気なくというか、大人ならではでコンプした。気に食わない人も大勢いるだろうけど、きちんと購入しているので少なくとも僕とアナタの共通点、大好きなオワリカラにその分売り上げが入っているという事実をもって黙認して貰えると嬉しい。
別に解りあいたいとか思ってないし、こっちが正しいとも思ってない旨だけでも伝われば。
長いので特典についてはサクッと。

HMV特典:はなとゆめEP
とりあえずこのはなとゆめだけでも良いから売って欲しい。これは特典の為だけに録った、というのが許されないくらいに良い。特典付買うなら僕ならこれ。砂場はタカハシくんの弾き語りで聴けるソレの音源盤。ライブであまりやらなくなったけれど、またやってほしいな。

タワレコ特典:マーキュリーの嵐EP
サイハテソング、マーキュリー、Q&Aの弾き語り。サイハテソングは派手さが無い分、よりストレートに刺さる。ホントに良い。Q&Aはラブ人間金田さんのカバーによる歌い方に近い、語りかけ調。金田さんの影響かと思っていたら原さんではないか、とのご意見を頂戴した。誰かに歌われる事で、誰かに魅せられる事で影響が如実に現れる弾き語りの面白さ。

ユニオン特典:受け取れてないので後日追記。→女王と船EP
さよなら女王陛下はバイオリンとピアノでしっとり。船(陽気な船長ver.)はニンマリしてしまう様なホワホワした陽気さがあってとても楽しい。

もうライブツアーが始まるね。
オワリカラが西から東、北から南まで周るので、僕なぞが言っても意味がないでしょうが、沢山の人に刺さって欲しい。
会場でオワリカラとライブを作ろう!

それにしてもまぁ、こんだけ書ける自分よりこんだけ書かせるオワリカラが凄いわ。

またー。