性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

崩壊書評vol.7

本は読んでるけど書きとめなくなってきてまー崩壊書評とか言って最初から書評から逃げてますからねはははとか笑っておりますが、やっぱり本読むの楽しい。
ただこれが何かしら身になってんのかなーと思うとゾッとするし考えないように。
またいつか本屋でバイトとかしたいなー店員大体皆捻くれてるけどそこも魅力的。何故書店員の性格は暗いのかみたいな新書読みたいです。

窓から逃げた100歳老人/ヨナス・ヨナソン(小説)
海外で800万部売れたらしく、映画になるとのことで何と無く興味があって、でもどうせ映画気付いたら終わってるだろうと思って本にしてみた。800万人の外国人と相容れない事が解った。ユーモアの方向性がいつも血生臭さとアルコールに向いてる気がした。時代背景的にそりゃそうか、100歳に期待してどうする、何だかんだ人生の先輩に色々背負わせてんだなーと妙な方向で考えさせられてしまった。親が見せてくれなかったバカ殿やごっつに近しい気がする部分も100歳だと賞賛されたりするのかな。

遺伝子はダメなあなたを愛してる/福岡伸一(エッセイ)
読者の相談に生物学の観点から応えてくれるというエッセイなんだけど、問題の解決しなさ凄くて、これは「人に相談する時は大体答えが自分の中で決まっているOL的精神」を大前提にしないと相談者が怒り出すレベルだなと笑った。
笑うのが健康に良いという生物学的(?)見地に立ってこのスタンスなのか、本まで出してるのにそこまで空気が読めないタイプなのか解らないけど何にしても楽しそうな人だなーと思った。仕事では付き合いたくないけど友達にしたいタイプ。

うせもの宿/穂積(漫画)
「式の前日」で一躍注目株になった印象で、前作「さよならソルシエ」は編集に恵まれなかった感が素人目に凄まじく、また掲載誌的にもしっかりしたテーマで重た過ぎて耐えられなかったんじゃないかと思われるガッカリ感だったのだけど、今回は安心して読めてる。ファンタジーと軽くホラーが上手く融合されてて、ただサイズ的に短めを想定してそう。来訪者の探し物が見つかる宿の不思議と冷んやりした世界観。
何か暗いんだけど話が面白い人がしっくりくる居場所を見つけたのをそんなに親しくないんだけど眺めて安心している心境。

川上未映子(エッセイ)
人の日記を読むのは背徳感があっていい。どことなく好きなアーティスト、大森靖子さんに通ずる所があった。たまたまブログで公開されていたゴッホについての記事を読んだのがキッカケだったのだけど、サボテンを巡る記述では何故か無性に泣けて仕方がなかった。無くしたものへの気持ちの揺れ動きを客観視出来た時にどうしようもなく悲しくなるのは僕だけなんだろうか。

孤独だった。孤独になりたくない癖にどうして誰かを孤独にしたがるんだろうな。馴染みの居酒屋で孤独に苛まれながら飲んだお酒を思って泣いた。そこで泣いて泣いて泣いて、あと200ページくらい残ってるのに、誰かの死を願う場面でまた泣いて泣いて泣いて。
何かもう、慎ましやかに暮らしていけたらいいなと切々と思った。1日で読み切ってしまう程に面白かった。

わたしを離さないで/カズオ・イシグロ
冷静に、抑えられた文体が逆に凄い痛みを伴う。後半になるともう悲鳴に近いというか、どうしてそんなに抑えて語れるんだよとこっちが叫んでしまいそうになる。
とても美しく強い文章だと思った。
かなり抑揚が効いているので冷静な言葉の裏側で何を考えているのかめちゃくちゃ考えさせられて凄い甘いものが食べたくなるけど気持ち良い疲労感。

今年もたくさん本読めますように!
(もう1月終わるけど)

またー。