文庫本よりもハードカバーの方が"効いてる"と思っていたし、新書は知的だと感じていた中学高校を経て、絵本を所有している自分が好きな社会人へ順調なステップアップを果たした挙句、子供の頃読んだ漫画を読み返したい欲に頭をもたげるテンプレートさながらの文系人生歩んでいる事に突然気付いてしまい、恥ずかしさのあまり大きい声出してしまった事あるよーって人いますか？僕もだよー。
ライブでは「参戦って何と戦ってるんだよ派」なんだけども、バレンタインフェアに関しては断言出来る。
中年女性の屈曲なフィジカルと勝者のメンタリティー、そして己の財布の紐と戦っているのだ。
バレンタインフェアは試食と言う名の餌付けと男性ショコラティエとの触れ合いからなる動物園の様な側面を持ち合わせており、この両方が揃ったブースではまず死闘が繰り広げられる。競争相手を弾き飛ばしながらのアピール合戦。登場人物全員ストライカー日向小次郎。
ただでさえ声が通らず、影の薄い僕は前線で身体を張り、ボールを収めるポストプレーに徹し、忍耐強くチャンスを待つ。本来なら裏のスペースに抜けて店員さんの視線を引き出したい所ではあるものの、最前線のレジ前はおばさん達の壁で隙間もないし、どんどん割って中に切り込んでくる彼女達と同じカテゴリーに入るのも気が進まない。よってジワジワとポジションを押し上げてチャンスを待つのが僕の恒例の作戦である。
店員さんなんかもゴリゴリとやってくるおばさんは面倒なのか、大人しいこちらに待てを掛けてそちらを先に片付ける。まるで中東の笛である。
オリンピック出場を決めたサッカー日本代表の様に我慢の時間帯を耐える強さが求められるが、相手はイランでもなく韓国でもなくさながら松木安太郎なのが難しい。声にファウルもオフサイドもないし、スタミナ切れも望めない。絶望の国である。
一方、チョコレート一粒の単価が500円を超えてくるとこちらの独壇場である。一粒税込みで考えると800円近くするお店は騒々しい表通りから一本路地裏に入っただけで静かで格式高い料亭がありました的ないい旅夢気分系の現象が起こっている。その界隈でなら落ち着いて買い物が出来るものの、今度はその値段のチョコレートを買うか否か、己の財布の紐との戦いが始まる。
普段、一箱80円とか90円のチョコレートを食べて倹約に努めているのはこの日の為なのだから思い切りよく買い物をしようと思ってはいるものの、流石に一粒で800円となると怯んでしまう。ドラッグストアでダースが10箱買えるとか思ってしまう。トムハンクスも食べたとか書いてあるんだけど何故か脳裏には朽ちたベンチに座るキアヌリーヴスしか思い浮かばない。頼む、キアヌ、幸せになってくれ。
ただ、今年においてはフェア開催期間の序盤に参戦したことが功を奏しており、この様に一度挫けてしまった買い物も反省して同シーズン内で次に活かす事が可能なのである。今年のバレンタイン、僕はトムハンクスに並ぶつもりでいる。ウェイ的に言えばワンチャン決めるぜ、である。何だよワンチャンって。犬か。
拝啓父上・母上、そんな感じでよく解らない事を書きまくっていますが、しっかりどっぷりバレンタインフェアを楽しんでおります。サンバ！サンバ！
今年はまず手始めに貴腐ぶどうのチョコレートを買ったんですが、すぐ食べたいのに「置いておけば熟成する、半年後くらいが美味しさのピーク」とか言われて、これだけの戦いを経て手に入れたチョコレートに更に待ったをかけられるスリリングな展開。「まず手始めに」って書いといて半年とかおかしいだろ。手に汗握る時間との戦い。果たして僕は熟成を待てるのだろうか。
食べちゃってどうせまた買いに行くんだろうけども。
まー皆様方におかれましても、楽しいバレンタインとなりますようにって感じですかね。
現場からは以上でーす。
あとマイルドヤンキーの後輩が最寄のTSUTAYAにAVを借りに行ったら友達の親がパートしててレジで思わず引き返したという話を聞いて、地元愛とか言って土地に根付き過ぎてるのも大変だなーと思う一方でやっぱり憧れも若干ある今日この頃。
マイルドヤンキーの生態をネットで調べるとどいつもこいつも斜に構えて彼らを値踏みしててマジバンプオブチキングングニルかよって感じなんだけど、多分僕と同じ様にそれを書いた人はマイルドヤンキーを心のどこかで羨ましく思ってるんじゃないかなーと邪推している。
ただ、自分の様に根無しに近い感じでいるとあらゆる事が楽な訳で、彼らは自然体にあらゆる付き合いごとを成しているものの、どこかでそういう目に晒されていたりもするし、それに鍛え上げられた結果がマイルドヤンキーなのだろうなと思ってちょっと眩しく見える。
どこかでどうにかしとけばああ言う人生もあったのかなとか考えるんだけど、タイムシフト出来るのはキムタクだけってネットが言ってるし想像して楽しむしかないなって思ってます。
またー。
