性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

崩壊書評vol.16

年度末などは忙しさから本屋さんが開いてる時間に帰れなかったりして、ネットでまとめて本を買ったりしていたのだけど、その手軽さに慣れてしまって未だに疲れてしまうとネットでまとめ買いしてしまう。
本屋に行って直感で選ぶと己のセンスの無さ故に失敗も多いし、ていうかむしろそっちの方が多いんだけど変な達成感みたいなものがあって、そういうの忘れたらどこまでも忘れ続けちゃうタイプ。気をつけたい。
図書館をよく利用する様になって興味の度合いを無視して手当たり次第借りるという読み方も並行でしてて、内容はともかく3連続で水に濡れてバリバリしわしわになった本を引いてしまい、何だこの辺りは最近まで海の底に沈んでいたのかという気分になったりしつつ、それはそれで楽しんでいる。

ショートソング/枡野浩一(小説)
短歌をテーマにした小説。
枡野さんは勿論、色んな人の短歌が沢山登場する小説なのだけれど、短歌がどれも強烈に物語性があって短歌って凄い世界だなと思う一方で、短歌のインパクトが強い故に小説部分が軽く感じられる。ていうか多分、いや間違いなく軽い。短歌だけ読み返した。

オーデュボンの祈り/伊坂幸太郎(小説)
ミステリーなのかミステリーじゃないのか判断つかないうちに読み終わってしまった。
登場人物の個性が何となくシュールなのばかりで伊坂さんは性格が悪いんじゃないかとニヤニヤしながら読んだ。
全部が繋がってるんだと思って読み返すとこれもこれもこれも繋がってんのかーとビックリした。読み返さなくても感心出来る程の集中力が欲しい。

空港にて/村上龍(小説)
貧乏人の喪失感を金持ちが埋めるみたいな感じ。何も持ってない主人公がモテるラブコメばりに共感が薄くて僕には向いてなかった。

老人喰い/鈴木大介(新書)
洗脳なんだろうと思うけど、この気持ちを100倍薄めれば大体の若者は抱いてるんだろうなと思うと非常に身近な話で、本当にやるかやらんかみたいな差しかないんじゃないかと思う。
賢くてスリリングな世界があるんだなーというよりは、そういう世界もありますよね、そりゃくらいに受け止められてしまうのにゾッとした。

お家賃ですけど/能町みね子(小説)
私小説。歩みも進展も緩やかでホッコリした気持ちになれた。最後の最後で爆笑してしまって、そこまでのんびり読んで来た分、物凄いツボに入ってちょっと床を転がってしまった。

女子をこじらせて/雨宮まみ(エッセイ)
北条かやさんが能町さんに指摘されてた流れで、「元々興味あったけど買うの先送りにしてたらマジ最悪なタイミングで買う事になった」という形になってしまった本。ただ、ここで買わないと次はいつか解らないぞ、という気持ちで買った。
北条かやさんの方は言動が受け付けないので読み比べすら断念してしまった。
雨宮さんのこの本は正しく理解出来るかはさておき、深々突き刺さる部分があって、そこに対して言葉にしてくれて本当にありがとうございますと思った。そこに関して今後も度々読み返すと思う。自分にもう少し素直になれたらいいな。

タモリさんの凄い点を著書視点でまとめてある本。我ながら何故タモリさんについて人がどう捉えてるのか知りたくなったのか謎。
読みながら、タモリさんに詳しくない上に笑っていいとも!も殆ど観てなかったのに何故読んでいるんだろうという気持ちになったのだけれど、面白かった。
大前提として著者の樋口さんの「人を笑わせるというのは最難度の技術で偉そうにお笑いを評する素人はカッコ悪い」という価値観と僕のソレが完全に一致するので、そういう人から見て考察されるタモリさん像なので楽しく読めたのだと思う。タモリさんにずっと抱いていた感覚は、なんかよく解らないけどいいな、で読後もそれはあまり変わらなかったんだけど前より「いいな」が強くなった気がする。
タモリの「料理は家庭で出来る最高にクリエイティブなこと」って言葉、スゲー良いなと思った。

またー。