大分の緩やかな山の勾配や低い位置で力強く育つ植物を眺めながら、こんな穏やかな土地で過不足無く大切に育てられて出荷される牛とか鳥になるのも良いかな、と思った。
これが人間本位な発想だとは重々承知しているのだけれど、本能的に種を繋ぐみたいな所だけに幸せがあるとは思えないのでこういう人間がいる事を黙認して欲しい。
別府に到着して何だかんだありつつも鳥天を食べて温泉に入った。
前々日、前日と好き放題に食べて半分死んでいる胃が癒された気がした。
宿泊を予約していたゲストハウスは名前のほんわかさとかけ離れたハードコアさで窓が閉まらないを筆頭に鍵なども含め守備力に問題を抱えているものの、何となくダラダラするのを許容してくれる圧倒的な大らかさがあった。あととても安いのに布団は快適だった。
普通に日本人の老人も宿泊していて不思議な感覚になる。
夜はライブ。
2016.10.09 @別府ブルーバード劇場
会場は映画館をそのまま劇場として利用しているスペースで、物販も映画館にあるガラスのショーケースに陳列されていてとても雰囲気が素敵だった。
最初の2〜30分程は映画館ならではの大きなスクリーンでMVを流してくれて、こんな大きな画面で観るのは初めてなので衣装の緻密さに目を奪われた。何度も観たMVなのに凄く新鮮に観えた。
ライブはTOKYO BLACK HOLEから始まって、でもその後はI love youやさっちゃんのセクシーカレー、コーヒータイムなど明るくも切ない曲が聴けて、前日の長崎のカッチリめのセットリストとは全然違う雰囲気で同じツアーとは思えないなと衝撃を受けた。
新曲の非国民的ヒーローのMVもテレビもバタバタして観ておらず、弾き語り披露された非国民的ヒーローを聴きながら、パワーの放出の仕方が自分の中にある共作者の子さんのイメージと完全に一致していて早く音源が聴きたいなと改めて感じた。家に帰ったらとりあえずMVを観なければ、とも。
思い出には無いので共感に欠けるのだけれど、給食当番制反対を聴いていると最近胸が苦しくなる。食べるの遅いなと口には出さずとも思っていた事、クラスメイトの気持ちを理解してあげられなかったのはどうしてだったのかなと延々考えてしまう。
頑張って下さいに腹が立つ気持ちが理解出来るようになったタイミングでそういう事がバーっと気になる様になった。それから何年経っても、凄く昔の些細な後悔は消えない。(とは言え別段それでダメージを受けている訳ではなく、これからは気を付けていこうみたいな感覚)
何故かここ数年で特別苛立ったと言えるかも知れない事を思い出した。
それは、この内容が薄い長文ブログに「もっとこうした方が読まれる」「原石は磨かないと光らない」みたいな事をわざわざ送ってきた人がいた事で、その人はどうやらブログで副収入!みたいな感じで月に数万円稼いだ事があると豪語していて、色んな人にアドバイスを送ってるっぽかった。
そういう世界を嫌悪しているとかじゃないんだけど、そういうのを目指していない人にそういう視点からアドバイスを送る時点で何かズレてるというか、その神経って何なんだろうなと思うし、調べれば普通にもっと詳しく解説された新聞記事とか出てくるのにわざわざ検索に引っかかりそうなニュースばっかり載せて自分のコメントは一文みたいなキュレーション気取ってる人だったので、自分の意見を積極的に発信するなら意味があると思えるけど、こんな文字の無駄遣いで小銭稼いで喜んでる人に「磨いてない原石」だと思われた事が自分でも信じられないくらい腹が立った。
文法がどうとか表現がどうとかを学んできた訳ではないけど、自分が書きたい事を書いているというのは自分なりに考えてやってる訳で、それは原石を自分なりに磨いてるって事だと僕は思っていて、コピペで金まで稼いでる人にそれが無かった事にされてるというのはどうにも受け入れ難かった。
それをバーっと思い出して、何か本当に結構自分のこと好きなんだなとか自分の表現にプライドと言うか愛着を持ってたんだなと思い至ってライブと関係なく泣きそうになっていた。
凄い話が逸れてる。でもそういう感想もあるんだから仕方ない。呼び起こされて、それを大森さんのサポートを受けて自分の手で倒せた気分になった。加えて、これが一番苛立った出来事という己の平和さを改めて実感する。のうのうと生きてんな、これからもそんな感じでいけたら嬉しい。
ピアノでのKITTY'S BLUES、オリオン座、キラキラ、青い部屋は絞り出す様だけどガツンとした強さがあって圧倒されっぱなしだった。
呪いは水色、少女漫画少年漫画の愛おしさに涙腺が緩む一方で愛してる.comのフローリング転がってしまいそうな恥ずかしさ、絶対彼女ゲームの妙な一体感とソワソワ感にウキウキした。
アンコールはDMでリクエストがあったという秘めごと、デートはやめようから一転、強烈なあたし天使の堪忍袋とPINKで終演。
格好良さに時間の感覚まで全部持って行かれてあっという間だった。(色々と封印を解かれて考えまくっていたせいもあるんだけど)
別府まで来て良かったと心底思った。生はスゲー。
終演後、ファンの人たちと食事。大分は何でも美味しい。基本的によく分からない話をしてゲラゲラ笑って解散。
さっさと就寝。
日の出は見逃したものの、朝風呂をハシゴして温泉を満喫しまくった結果鼻血を出す。
微妙に時間を持て余してしまい、地震の体験が出来る車で震度7を体験するなどして過ごす。これは機会があればマジで一回体験しておいた方が良いと思った。乗りたがってくれた奥さんに感謝せねばならないし、冷静になれる気がしない、という感覚を知っておく事が冷静になる為の近道であると思った。あと消防署員のお兄さんたちが滅茶苦茶格好良かった。
ネットで気になったプリンどら焼きを食べ、待合室で君に届けの最新刊を読みニヤニヤしてしまう。ささやかな事案であると自負している。風早くんはいい加減にして欲しい。
のんびり電車で帰る。
また楽しい旅行が出来るようにコツコツ働こうと思ったけど、今日は帰ったら何もせずに爆睡しそう。
またー。