友人の婚姻届に証人としてサインした。
巷では親族でなく友人にサインしてもらうパターンも増えつつあると聞いていたものの、それを求められるという展開は全く想定しておらず身に余る光栄であると共に自分が果たして彼らにとってどんな風に見えていて何者なのかが解らず困惑した。そんな素敵な人間でいれてるんだろくかほんとうにわわわわわわたくしでよろしいのですかあああああ人生わかんねーなってなった。
とは言え真っ先に書いた様に大変に光栄だったので二つ返事でこちらこそお願いしますという気持ちで引き受けた。どうしようを通り越して超どうしようとあとから思った。超あとから超思った!具体的に言うとひと月以上前に言われてたのに前日になって思った。
当日、友人カップルは友人夫妻になるべく意気込んで遠方より新大阪に婚姻届と共に降り立ち、もう1人の証人となる友人との待ち合わせ場所として狙いを定めていたカフェが残念ながらどこも満席なのもあり、昼前からビールの飲み比べセットを舐めつつ待つ事となった。率先してそこを選んだ訳ではなく、仕方なく酒場を選んだことを強調したい。緊張をアルコールで和らげ様とした訳ではなく、結果的にそうなってしまったのである。
友人は1年前の冬にネタ的な勢いでお揃いにして呉を旅行した贔屓目にみて若干ダサいライ◯オンのパーカー(ユタ州ばりにのどかな州の名前が異常に細いフォントで記されている)を着てくる気合の入れ様で待ち合わせるなり僕と僕の奥さん二人掛かりでdisってしまった。口が悪い。
ちなみに僕は揃いのパーカーを荷物になるからという友達甲斐のない理由で友人宅に置いて帰った。ちょっとした悪人である。
自宅に移動し、予約していた某メルヘンのサンドイッチのパーティーセットを食し、腹ごしらえをした後に婚姻届にサインをした。
婚姻届は成人男性の平均的な筆圧に耐えうるか些か不安が残る薄い紙で出来ていた。自分たちの時もこんなに心許ない素材だったか奥さんに尋ねるものの、奥さんもこんなに薄くはなかった気がすると曖昧な返答をくれた。覚えてる訳もない。自分の時だって緊張していたのである。恐らく紙質まで詳細に覚えていられるのは役所の人間と発注を受け婚姻届を印刷した業者と3回くらい婚姻届を提出したことがある人と色んな人に証人となってくれと言われる人望が有り余っている聖人くらいのもんである。結構いるけど自分は入る余地がないんで覚えてなくても仕方のないことなのだ。
書きながらペン字を習っておけば良かった、間違えたら全員書き直しになるからヤバイぞこの連帯感を煽る感じ軍隊式の新人研修っぽいな行ったことないけど、ていうか本籍久々に書くけど全然馴染みがない土地だなこんな町名本当にあるのかな、判子が俺の存在感より薄い気がするけど大丈夫か、ただ単純に手汗がヤバい、などなど余計な事ばかり考えながらも無事に書き終えた。
その後からジワジワ友人カップルの夫婦化に伴う幸せを祈り、祝う気待ちが湧き出して来た。
このまま出しに行くというので最寄りの役所に提出しにいった。そこは僕と奥さんが提出したのと同じ市役所の同じ休日受付窓口で、所縁もない土地で2人はあっさり夫婦となってしまった。
先輩風を吹かせていいのか悪いのか判断がつかず、特に気の利いたことも言えず、何故か脳内で延々とらんま1/2のオープニングテーマが鳴り響いていた。(KUSU KUSUの地球オーケストラだった。普通そこはじゃじゃ馬にさせないでだろ)
桜が綺麗に咲いており、天気も良く、控え目にいって最高のロケーションで記念撮影をし、市役所に掲げられがちな率直かつシリアスな交通安全標語を人生訓として解釈し胸に刻むなどした。この美しい門出をバッチリ納めるカメラマンとしてだけでも十分なのに2人の人生にガッツリ加担させて頂きヤバいくらい光栄だな、やらかす予定は全くないんだけど悪いことして新聞載ったりしない様気を付けようと思った。
本当に、本当に嬉しかった。
お祝いの焼肉を食べ、宅飲みをし、最終的にアニメ覇穹封神演義を鑑賞して日付が変わった頃に呆気なく寝た。
全員が緊張しており、その緊張からようやく解き放たれてドッと疲れたのだと思う。よく寝た。
客間が新婚夫妻で埋まってしまったのでもう1人の証人となった友人は書庫を兼ねた部屋に泊まって貰った。地震がこないで本当に良かったと思う。ジャンプコミックスの下敷きにならなくて済んだ。
翌日はのろのろと起き出し、全員でポプテピピックの最終回を鑑賞し、蒼井翔太に度肝を抜かれ、ガストでのんびりと朝食を摂るなどした。
夫婦とは何か、何をしたらアウトでどこまでセーフか的な話を気怠い空気で和気藹々と話した。結婚は制度的なもので、かつカジュアルなものなんじゃないかとボンヤリ思った。
上手く行くに越したことはないんだけど、ダメでももうどうしようもなく詰んでしまうイベントではないとその話をしながら思った。
しかし、当然ながら友人夫妻には末長く幸せでいて欲しいし、先輩(?)として同じ役所に婚姻届を提出してしまっている僕と奥さんも、可愛い後輩が出来たということで上手く続くと良いなと思った。まーダメならダメで、ではあるけれども。
どうやら誰の人生もそれぞれ結構長そうな気がするので、どうか良い感じであって欲しい。
夜はライブ。感想は別のエントリーで。
翌日は有給休暇を取得した。
年に何日かは絶対に消化しないといけないと言われており、その日数に1日足りないまま今年度が終わろうとしていたので滑り込みで取得した。
前後がパンパンに詰まっており休まない方が楽なレベルだったので取得したものの心の底から喜べない事態であるが休みは休みである。
特に日中の予定が無かったので高校野球を観戦に甲子園へ足を運んだ。
山口、長崎、大阪、佐賀などの代表校の試合をビールを飲みながら応援した。大阪桐蔭の選手は体格、落ち着き、スイングスピード、球速の全てで頭ひとつ抜き出しており、吹奏楽部も貫禄の一言だったんだけど、対戦相手の伊万里の在校生及びOBの結託した大応援団の和気藹々とした雰囲気にとても惹かれた。
強大な優勝候補相手に苦戦しながら徐々に喰らいつける様になり、最後には遂にランナーを生還させ、まだまだステージを上げようという熱狂をチームと応援席が一体となって生み出していた。
僕自身は大阪桐蔭を応援していたんだけど、とてもグッとくる光景だった。
一度帰宅し、お弁当のおかずを作り置きなどしてから再出動し、生まれて初めてお笑い芸人のワンマンライブを観になんばグランド花月へ。
2度ほど新喜劇を観に訪れたことがあるけれど、単独公演は初である。
お目当はチョコレートプラネットで、ここ半年くらい度々動画を見てファンになってしまった中、単独公演があると知り、チケットを予約した。
流れとしては漫才から始まったものの、ロバートやインパルスでコントに目が向いてラバーガールというコンビを知り、その人を傷つけない笑いの取り方がとても素敵だなと思って他にもないかと探しているうちに辿り着いたのがチョコレートプラネットで、加えて博多華丸大吉であった。疲れたOLが可愛い若手俳優にハマるのとある種同じである。笑いに優しさを欲していたのだ。
その中で一番ハマったのがチョコレートプラネットだった。
小さなジャブを繰り返し打ち、それを積み重ねる丁寧さと計算に基づいて隙の多い設計ながら異様にしっかりした小道具。急にぶち込まれる勢い。
お笑い芸人さんのネタバレは絶対に書けないので詳しくは述べないけれど、その魅力が遺憾無く発揮された90分に及ぶライブだった。
東京03のDVDを鑑賞した時にも感じていたのだけれど、長い尺の中での地続き感が面白さに及ぼす影響はエゲツないのだな、音楽のライブと同じ様にネタをセットリストとして組んでライブ全体でひとつの大きなうねりを作るのだなと自分の爆笑をもってチョコレートプラネットに改めて思い知らされた。
あとはただ2人の体格が好きだなと。良い、肩幅だと思う。
また彼らの単独公演を観たいし、他にも色々足を運びたい気になっているが、これ以上飛び込む先を増やしてしまうと破産一直線である。
用法容量を守り、ご利用は計画的に、であるけれど、楽しいことは決して無駄にならないという気もするので積極的に自分を甘やかすスタイルを採用したい。
またー。