性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

恐い間取りに住む阿佐ヶ谷姉妹。

阿佐ヶ谷姉妹さん著の「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」と松原タニシさん著「恐い間取り」をお盆休みのお供にと帰宅途中に購入したら両方そこそこの分厚さでズンと重く、最近amazonの方が品揃えが良いので頼ってしまい、久々に本の重みを体感するに至る。

ネットでバズっている作品は逆に実店舗の方が在庫があることが多いので待たずに手に入って良かったと思うと共に、自分と同じように本は重たいから運んできて欲しいという感覚が最早一般的なものなんではないかと電車に揺られながら考えるなどした。

スマホから何でも手に入るので、「お箸より重いものを持ったことがない」から「スマホより重いものなんて持ったことがない」にシフトする日も近いかも知れない。ただスマホiPhone 8 plusだった場合そこそこの重量があるので箱入り感が物凄い薄らぐ気がする。iPhone 8 plusを片手で扱えるお嬢様とか絶対強く生きていけるハズである。

重いものを運ぶ云々の話となると本2冊は億劫だけれど米5キロは達成感があるという自己矛盾に行き着く。

米5キロよりもたった2冊の本を敬遠してしまうのは恐らく「誰が持ってもまー重い」という基準を米5キロが突破しているからだろう。そこまでくると筋トレの域なんである。比べて本2冊は人によっては全く苦でないこともある。高校時代、森くんという剣道部主将の学友(剣道部主将というだけでクラスメイトよりも学友と呼びたくなる。格好が良いので)は毎日リュックに辞書を2冊入れて当たり前の様に登校していた。それが彼にとって普通過ぎて重たいとも感じていなかったが、僕は重たいので絶対に持って行かなかった。

この、人によっては重たいみたいな領域にあるものを持った際に「重たい」と感じてしまう敗北感が本2冊を持ち運ぶという行為から僕を遠ざけるんである。

何の話だと思うだろうが、まあ要するにそういう言い訳なのだと読み流して欲しい。

 

そうこうして購入した本であるのだけれど、夜更けに「恐い間取り」から読み始めたところ、あまりに怖過ぎて眠れなくなってしまった。間取り図付きで淡々と恐いエピソードが語られており、引っ越し好きの賃貸族だった実家がよくもまあこの手の物件を引かずに暮らしてこれたものだなと感謝してしまった。(これは小野不由美先生の残穢を読んだ時にも感じた)

家の話だけでなく土地、スポットの恐い話も収録されており、家の中も外も恐いというサービス精神に読みながら「これはやり過ぎだ」「ここまで怖くする必要が果たしてあるのか」「こんな思いをさせて酷い」「僕を怖がらせて一体何が目的なんだ」という感想を抱いた。何が目的って怖がって貰うことが目的なのだから著者と読者が完全にwin-winな関係であるハズなのに本当に読みながら怯え、怒ってしまった。理不尽な怒りをぶつけてしまい、松原タニシさんには申し訳ない。

さて眠れなくなったぞ、夜中の3時を目前にこれから風呂にも入らねばならないというのに、ということで「恐い間取り」を脇に置いて「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」に手をつけることにしたところ、これが自画自賛ながら名采配であった。

のほほんとしている。根暗にイジイジしているのに湿度が低く、優しくてクスリと笑ってしまうエピソードが満載であった。

阿佐ヶ谷姉妹さんほどよくテレビで見かける芸人さんでもオフはだらしがないのだなとか、オフが結構あるもんなんだなと妙な安心感と共に、私生活の頑張るエピソードのハードルが本当に低めに設定されきっていてタイトルの通りのほほんとする。阿佐ヶ谷愛が凄いので、行ったこともない阿佐ヶ谷への憧れが募る。

この本のお陰で恐怖を緩和し、無事にお風呂に入ることに成功したので気を良くして(気を大きくして)、風呂上がりにまた「恐い間取り」を読み進めてはやっぱり無理だ眠れねーわクソがとなり、「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」に助けを求めて癒されて持ち直すというのを繰り返していたら朝方には2冊とも全て読み終えてしまった。

お盆休みのお供がお盆休み初日を迎える前に読み終わってしまった。

この、塩っぱいものの後に甘いものを食べると止まらなくなってしまう現象が読書でも引き起こされるという事実を我が身を持って体験した達成感はあるものの、流石にやり過ぎたなと思いながらようやく眠った。

この2冊の合わせての読後感を上手く表現出来ればと思うのだけれど、少し手を考えたい。

それがお盆休みのお供に出来なかったこの2冊へのせめてもの償い、というかそうやってればお盆休みを上手いこと消費出来るんじゃなかろうかというアレである。

 

はじまったばかりのお盆休み、こんなブログを読まされて皆さん幸先があまりよろしくないけれど、おみくじの原理でこう、徐々にお盆休みの質が尻上がりに良くなっていくことを願うばかりである。

 

僕は最近アマゾンプライムビデオに追加されたと噂のアルスラーン戦記を観たいと思いつつ結局高校野球を観てるうちに毎日終わってそうである。こんなになっちゃダメだよ。

暑いから気をつけてね。

 

またー。