性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

移動都市に住む水木しげる先生タッチのサラリーマン。

ベージュのステンカラーコートに強い憧れがあった。

これまで何度か試着したものの、水木しげる先生が描くタイプのサラリーマンの様な似合い方を高い再現度で成してしまい「なんて需要のない等身大フィギュア…」という気持ちで、おもちゃ博物館ですらお嫁に行けないとペタンコになるまで凹み、少しずつ時間をかけて原型を取り戻した頃にまた同じことを繰り返し、今ではほんのちょっと凹みが戻らないくらいになってしまっていた。

しかしながら年齢が似合い方に追い付きつつあるのでは、という逆転の発想が誕生日を前にムクムクと湧き上がり、遂にはセールで1万円になっていたベージュのステンカラーコートを自身へのプレゼントとして手に入れるに至った。

決して「今の俺のお洒落レベルなら着こなせる様になっているハズだ!!!」などというポジティブな理由ではなく、水木しげる先生風サラリーマンとしての自分もこの歳になれば自然の摂理である、受け入れる他ないのだからいっそ着てしまおうぜという切ない言い訳をタラタラ述べ述べしている結果の購入といった感じである。

前向きでなくとも自己実現と言えば自己実現、どんな形でもゴールに入れば得点は得点という開き直り精神で春や秋に大活躍して貰おうと思う。折角手に入れたのだから。

ちなみにポチったその日、寝落ちしたソファの上で未だ届いてもないコートを着て歩いていたらイキった小学生の集団に囲まれてセイタカアワダチソウでコートをバシバシ叩かれまくって半泣きになるという悪夢をみた。どんな夢だよ。

子供相手に怒鳴る訳にも暴れる訳にもいかず、やめて…と言っていた自分の弱さに起きて泣きたくなったし、お風呂に入る元気も無くなってそのまま寝た。

 

映画「移動都市/モータルエンジン」を公開初日のレイトショーで観た。

タイトルの通り、都市が移動する未来の話なんだけど、予告編でロンドンが動いて他の小さな都市を狩らんとする様に滅茶苦茶惹かれて絶対観たい!!!と意気込んで初日を迎えた。

子供の頃、自転車の行動圏に図書館が点在する地域に住んでいたのに移動図書館という存在が大好きだったし、移動動物園も好きだったし、大人になった今でも献血カーやら健康診断の移動レントゲン車なんかのお世話になる際に「移動する施設」にドキドキしてしまう為、そんな自分が移動する都市を目の当たりにしたらどうなってしまうんだろうというワクワク感もあった。結果、フィクションなのでフィクションとして処理され何事もなく映画を楽しんでしまったのだけれど。

感想としては軸が移動都市そのものと復讐劇と逃亡劇の3筋あり、それを同じくらいの派手さで押し出した結果、移動都市の魅力が物語が進む程に薄まるという事態を招いていたのでは、というものである。

どれも単体ならば面白かったろうに、もしくは補助的に描かれていればこれまた面白かったろうに、世の中にある名脇役という称賛をストーリーそのものに対して必要だと思う日が来るとは、と唸った。

でもヒロインは可愛いし(故に安く値踏みされるシーンでは「しばくぞてめえ」と普通に思った)、彼女と行動を共にする主人公もギーク感が程良くて素敵だった。

期待を上回るほど衝撃は無かったけれど、映像も格好良くて楽しめたとは思う。

 

またー。