性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

ただ長いだけの東京滞在日記。

金曜日、定時退社を決め、帰るタイミングが事務のお姉さんと一緒だったのでオープンしたばかりの商業ビルの某エリアをブラブラしながら感想を述べる。思ったよりパッとしねえな、という意見で一致。意見が一致すること自体稀ではあるので多少新鮮な気分だった。

駅で別れ、新大阪で新幹線に乗り換え、東京を目指す。

サラリーマンで一杯の新幹線は少し蒸し暑く、狭く感じた。疲れが充満していた。

名古屋を過ぎた辺りからは解散してしまった昆虫キッズというバンドのことをふと考え、解散ツアーでステージに引っ張り上げられた時、ギターを弾きなよと促された際に「こんなに好きなバンドのライブの一部に自分がなることは決して許されない」という気持ちが強過ぎて弾けなかったのを思い出して少し気落ちする。

最早誰の記憶にも残っていない場面であるけれど、やっぱあの時弾く事が一番邪魔をしなかったのでは無いかという気持ちになってしまう。でも後悔ではない気がする。終わった事、どうでも良いし、どうしようも無い。

東京に着いてからも移動を重ね、大崎、新宿と空いていた埼京線が池袋で一気に激混みになった事に恐怖を感じた。これが映画「翔んで埼玉」のヒット効果なのかと愕然とする。埼玉がバズっている。GACKT

友人に駅まで迎えに来てくれて、挨拶もそこそこにオススメのお店へ連れていって貰う。

小さめではあるけれど食べ物がどれも美味しいお店で夢中で食べた。そして安かった。

お互いの仕事の話、音楽の話、地元の話などをした気がする。店主の方が僕と同郷の同地域の出身の方で親近感が湧いたものの、郷土愛というものが本当に無さ過ぎて全く話を盛り上げることが出来なかった。嬉しかったんだけどな。

美味しかったからまた行きたい。

友人宅で勝手に借りた寝袋に入ったらそのまま寝てしまい、気付いたら朝になっていた。

あまり眠れないことが最近やたら多かったので物凄くガッツリ寝ていたことに衝撃を受けた。

 

土曜日。

お腹が減ったという理由で友人を起こしたのに結局朝食も摂らずに買い物に付き合って貰う。

アラン・デュカスのチョコレートがネットで見掛けてからずっと気になっていたので日本橋まで買いに行った。

試食させて貰ったガナッシュが美味しくて即購入した。普段食べているチョコレートの12倍の値段だった。界王拳かよ。

お昼ご飯をあーでもないこーでもないと探している中、僕の土地への愛着の無さについて友人がズバリな見解を述べてくれてハッとした。

割と物事を「ただの事実」としてしか認識しない節があるので、地域性とかすっ飛ばして事実の優先順位で考えてしまうんだなと思い知った。

友人が見つけてくれたラーメン屋の券売機で話しかけてくれたおじいさんと結局店を出るまで話していた。おじいさんを含めて3人組と勘違いされるくらい普通に話していたせいで横並びのカウンターに通されてちょっと気まずい。

おじいさんは色々な土地に出張にいっていたらしく、博多や大阪、高知の美味しいお店を教えてくれた。博多のお店以外は上手く聞き取れなかったけれど、博多のお店だけは聞き取れたので食べログで検索してお気に入り登録をした。

博多はたまに行くので本気で活用させて貰おうと思う。

僕も友人も割と親世代や高齢者にウケが良さそうな雰囲気があるので話しかけやすいと思って貰えたのかな、とボンヤリ考えた。

友人が仕事用のシャツを買うというのでついていったら真剣に吟味して試着もしっかりして選んでいたので感心してしまった。

億劫になってついついその場をさっさと終わらせたくなってしまうタイプなので、ちゃんと自身に合うものを選んで買い切るという姿勢を偉いと思った。見習わなければ。

人の買い物についていくと、その人の考え方が見えて楽しいから好きだ。

その後、目黒まで移動して青柳カヲルさんの個展「living iDoll」へ。

f:id:oka_p:20190317204430j:image

会場は「rusu」という古民家をそのまま利用したギャラリーで、作家のお祖母様が老人ホームに入所されて空いてしまった民家をそのまま貸し出しているとネットに書いてあった。

rusu | レンタルギャラリー・貸し画廊 Rental Gallery jp

生活の気配が残っている部分と展示の為にバツンと無に帰した部分が混在していて不思議な空間だった。展示が無ければその温度差が少し怖いくらい唐突に切り替わっているのではと思った。

とある絵描きと、その絵描きの脳内にのみ存在する女性アイドルYouInme(ゆいみ)ちゃんとの暮らしを具現化するというコンセプトに家の古さや生々しさがピッタリだった。

僕の中で青柳さんが描く女性は淡いものも儚いものも強いものもどこか全て濃くて重たいものを感じていて、それが「いる」という感覚として残るのが好きな所で、それが正確な解釈なのかは解らないけれど、そこが好きだと思っているからこそ展示から伝わる物語が頭にイメージをガンガン湧かせてくれて何度もグルグル見て回った。

序盤から終盤を経て入口へ帰る、を何度か繰り返すうちに、台所に強く惹きつけられる様になった。

とある絵描きとYouInmeちゃんとの濃密な幻想の生活の中で、ぽっかり空いた我に帰る様な現実味がある空間が殺風景な台所である様な気がして、そこに飾られた花の絵が凄く気に入って最後はそればかり眺めていた。


f:id:oka_p:20190317204405j:image

f:id:oka_p:20190317204410j:image

(※会場は撮影可との事でした。2枚目は友人が撮影していたものを拝借しております)

そもそも家の中で台所って物凄く現実を突き付けてくる場所だと思っていて(食事だったり炊事だったり)、そこからまた濃い空間へ向かうというのが凄く良かった。

他のお客さんと青柳さんが話されているのを聞いて、まだこの花の絵が販売していると知って手に入れたいと思って購入の申し込みをした。

展示は3/23まで開催中とのことで、東京に住んでいればもう一度行けるのになと思いながら受け取れるイメージの容量がパンパンになってしまったので帰った。

偶像化するということと、具現化するということについて延々とエゴや愛や、そもそもそう感じて願ってしまう人格を形成するに至る為に積み重ねてきたそれぞれの受け手の人生のことを考えながらガラガラのモスバーガーで友人と音楽の話をした。

東京駅まで友人に送って貰い、解散。

バタバタしたスケジュールに付き合ってくれて本当にありがとう。

その足で2年前に辞めた会社の同期2人と夕食の待ち合わせ。

仕事の話を沢山したと思う。辞めてからの方が仲良く出来ている気がする。結局、ライバル視して貰っていたんだなと思うし、その席から降りてしまったんだと思う。

居なくなってしまったことをチクリと責められもしたけれど、単純に勝ち負けを気にせずに会える今も嬉しいという内容の話もされて、僕も嬉しかった。

それに恥じない様に程々に頑張っていれば何度でも喜んで会えるんじゃないかと思う。

終電の新幹線に乗って、新大阪まで殆ど寝て過ごした。

忙しなくて短い東京滞在だったけれど、行けて良かったなと思った。

 

またー。