性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

今更レビュー:SHAZNA「Gold Sun And Silver Moon」

SHAZNAの「GOLD SUN AND SILVER MOON」をちゃんと評価してくれる人と未だに出会えないので、もういいなって思う所を全部書いてしまおうと思う。

このアルバムは1998年にリリースされたSHAZNAのメジャー1stアルバムで、僕の中では彼らの最高傑作。ただの住宅街に住む内向的だった中学生はカルチャークラブを知るわけも無く、ビジュアル系というシーンすらまだ完成されていない時代に飛び出してきた女装してる綺麗でゴツいお兄さんは随分な衝撃だった。

このアルバムとの付き合いはそこから始まり、2年に1回くらい聴きたくなって聴いてを繰り返すくらいの感じなのだけれど、コレが良いと人に言っても大概笑い話になってしまう現実に納得いかない。

「えー?SHAZNAー?ウケるー」とか言われても何一つ微塵もウケないですけど?かなり飛び道具感溢れる受け入れられ方をした弊害がこんな所で生じているのかと、そのお陰で売れた節もあるので溜息をつくのも何だかなぁ、という現状。

 

この作品は全体的にエキゾチックで若干サイケですらある幻想的な雰囲気が横たわっていて、そのほわっとした膜を隔ててJ-POPが鳴っているという1枚を通しての一体感がまず素晴らしい。

冒頭の「White Fairytale」のイントロからしてシングルとはサイバーな導入に切り替えた上にアルバムの雰囲気にあわせる為に歌詞と曲名まで変えている徹底ぶり。バリバリにクリスマスのラブソングなのにシンセや打ち込みが鳴る中でギター二本が伸びやかに絡むという破壊力。

そこから「Lily of the Vally」「SWEET ANGEL」とビジュアル系なのにサイケ全開の砂漠を行く灼熱感ある展開に。Kula Shakerくらい程良く気持ちよいと思うんだけど、もう全部が全部西野カナばりの身近なラブソングなのが面白い。

LUNA SEAが好きな人なんかにもオススメしたい「AURORA」の太いギターに幻想的なシンセ、そこからの繋ぎの為にイントロのギターを追加した「SWEET HEART MEMORY」のバンドとしてのカッコよさは鳥肌モノ。


SHAZNA- Sweet Heart Memory - YouTube

ノスタルジックな曲調から一転「MAGENTA STORY」はこれぞヴィシュアル系な攻撃的で甘美な方向へ大きく舵を切って硬質なドラムとラウドなギターでキメまくり。上手く繋いでキラーチューン「Melty Love」という怒涛の流れに絶叫。三白眼ギラッギラで繰り返しの魔力にとりつかれた様なPVが大体の人の印象なんじゃないかと思うんだけど、僕にとってはこれの曲のギターとシンセが絡む部分がハマったキッカケなので皆さんにもそこを聴いて欲しいと声を大にして言いたい。


SHAZNA Melty love - YouTube

そこからまたドップリと深く潜っていく「ROMANCE」の熱帯夜っぷりの振れ幅が低めのキーのツインボーカルの掛け合いにはゾクゾクする甘さがある。その妖しさを引っ張って「すみれSeptember Love」は本家一風堂よりも情報量が多くて煌びやかなんだけど、ちゃんとサビはシンプルでフワフワ。「Refrain of Dreams」でしっとり深く落としておいて最後の「das Spiel」でラウドかつデスボイスぶちかまして嵐の様に去っていくオマケ付きで幕を閉じる。

最後に蛇足的に何故か「Melty Love」がまた収録されているけれど意図は不明。アルバムの雰囲気から除外されたオリジナルバージョンという扱いかも知れないけど、アルバムバージョンの方が良い曲に仕上がってる気がするので特に言う事無い。

 

そんな訳でセールス的には売れたハズなのに今では真面目に受け取って貰えない(僕の周囲がそうなだけかも知れないけど)SHAZNAについてダラダラ書いてみた。僕が好んで聴いてるアーティストの中にはCASCADELUNA SEAが好きな人が多くて、僕もC好きだけど案外その中間にいるバンドがSHAZNAなんじゃないかと思う訳で。

今後も懲りもせずアルバム聴いていこうと思った。

 

またー。