性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

崩壊書評vol.8

読書にもグルーヴがあって大事らしいですよ。
音楽におけるグルーヴの認識の違いについて記事を読んだ直後にそんな話を聞いたのでギョっとしてしまう。
読書のグルーヴって文体とか言葉選びとか展開のリズム感みたいな解釈で良いんだろうか。
そう考えると自分の好みの変動に応じてしっくりくるグルーヴとやらが変動していくんだと思うんだけど。
例えば石田衣良が好きだった高校生の頃はあのリズム感が好きだったけど、今ではハイハイセックスドラッグロックンロールねみたいな感じがダメになってそれ以降どんな本を書かれているかもチェックしなくなってしまった訳で、そういうモンが読書のグルーヴなのかなと思ったり思わなかったり。

はひふへ崩壊書評でーす。

最底辺女子/鈴木大介(新書)
高齢初犯とタイトル的にどちらを読もうかと思って高齢初犯を選んで重たい気持ちになったのだけれど、こちらも興味が絶えずに読んで同じくらいかそれより少し深くまで落ち込んだ。読まなきゃ良いのに。
性ビジネスの底の方で生きる人たちの言葉や傾向を纏めた。
ただ、根が真面目過ぎる人程、普段は堅苦しく面倒は行政のお陰で助かるハズのものを得られないでいるケースなど読むと他人事ではなく、自分も人に迷惑をかけるのを極端に嫌う傾向にあるので震えた。
いざと言う時は頼ればいい。しっかり納税してきたじゃん。と何故か自分に言い聞かせた。

ダンジョン飯/九井諒子(漫画)
あり得ないくらい美味しそうな食べ物の写真があってどうやって作るの?って聞いたら「まずこの肉は10年に1頭出るかどうかの肉質のやつで、ここ5年出回ってなくて」みたいな事を言われて手に入らなくてガッカリするみたいな。そんな漫画。
無茶苦茶面白く、どの料理も美味しそうで知識に感心してしまうのだけれど実生活に全く活かせないグルメ漫画
「中華一番」か「きのう何食べた?」で言えば確実に「きのう何食べた?」のリアル調理路線なのにミスター味っ子よりなに一つ活かせないというのが気持ち良い。
ダンジョンに潜むモンスターを料理する漫画なのだけど、料理そのものよりモンスターの性質や生態についてもの凄く細かく練られており読んでいて何度も感心する。

加瀬亮が声優として頑張ってるらしいよ」という又聞き情報を奥さんから頂戴した。転職してしまった後輩が好きで映画を随分勧められていたけど本は全然面白くなかった。
無機質が巡るというか。
全部諦めが根底にあってサバサバしてる気がして読んでて感情が動かなかった。

スタンドバイミー/スティーヴン・キング(小説)
キング作品は長いのが多いので手が出せなかったので、短いのから読んだ。クリスの事ばかり考えてしまってどうにもならん。泣ける。

チヨコ/宮部みゆき(小説)
人質カノンの感想再び。宮部さんの短編には何の感想も湧かない。

中年童貞/中村淳彦(新書)
特に根拠らしい根拠はないけど確かに!そうだわ!と思ってしまうし、何と無く明るくない自分を客観視するに何か間違えたらこうなってたんだろうなーくらい気持ち悪い人生であった。

ことば地獄/ワタナベアヲヰ(同人誌)
100冊完売おめでとうございます。
想像以上だった。
言葉のリズム感と余計な解説をバッサリ切った文章に想像膨らみ、そこに鋭く針突き刺して割ってくる感覚が素敵だった。
本人がどこで何をしてるか解らないくらいが丁度いいんじゃないかと思えるくらいの強烈な読後感を手に入れた方は各々味わっているでしょうし、ワタナベさんには穏やかに私小説の続きの世界を生きていて欲しいものです。

他にも色々読んだのに書く気になれなかったのは中年童貞の感想文を4000字書いた事実が気持ち悪くて全消ししてしまったせい。
皆で笑いながらビショビショの昆布を振り回す夢をみたのもきっとそのせい。
年度末の忙しさに妙な不安を抱いて毎日毎日新しいのに急に始まりをやたらめったら押し付けてくる春がまた来る。
春は着るものに困るけど、そういう強引な所も好きだよ。

遠征がはじまる!

またー。