性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

脱毛体験にいっただけの日記。

こんな個人情報は誰も欲しくないだろうけれど、肌が弱い為に剃刀負けが頻発しており、特に財力が備わった訳でも無いのだけれどいい加減頭打ちも良い所なので諦めも付き、思い切ってずっと気になっていたヒゲ脱毛の体験コースを申し込んだ。

どれだけ剃刀負けするのかと言うと、悪戯盛りのガキ大将ばりに生傷が絶えない。ごめん解りにくくて。

さて、脱毛にも色々種類があるものの、こちとら先述の事情でもって美容というよりマジ剃刀負け一択みたいな所があり、弱めの光魔法もとい光脱毛では埒がHEART OF SWORD〜夜明け前〜なので永久脱毛を選択した。

この永久脱毛が電撃で毛の生産工場を爆破するというポケモンの様な内容で、どれだけの痛みを伴うのかハラハラし、何度か予約をキャンセルしようとしてその度に思い留まるという行程を経た。

あと何故か収録曲が全9曲なのにバージョン違いのHEART OF SWORD〜夜明け前〜が2枠を占めるT.M.Revolutionの「restoration LEVEL→3」は非常にコンセプチュアルで格好良いので皆聴いたらいいと思いますよ。インストかな?くらい歌が始まらない曲もあってボリューム半端ない濃密な40分程度を味わえる親切設計。

 

訪れた脱毛屋は某有名エステチェーンで、お客さんが美意識の権化ことF4みたいな人ばかりだったらどうしよう赤紙が発動して天パのイケメンとどうこうなってしまう、と早く到着してしまった為に10分程度テナントビルの周りをグルグルと歩き回る。どうせ店内で待たされるだけなんだからさっさと行けよと自分を鼓舞するもウダウダと予約時刻ピッタリまでウォーキングは続いた。まったく健康志向で嫌になる。

覚悟を決めたと言うより予約した癖に気持ち的にはもう諦めの境地で震えつつ入店し、さあ来いF4どうとでもなれという気分で待合い室に座るものの、僕を包んだのは意外にも妙な親近感だった。

周りの客はスクールカーストでいうと中の下から来ましたみたいに大人しく、肌だけでなくメンタル的にも剃刀負けしてそうな雰囲気の人ばかりだったのである。

中学時代の昼休みを思い出す空気感に戸惑う僕。どこにもいない道明寺。それはそれで寂しい。

皆一様に俯くようにスマホを覗き込んでゲームに没頭しており、誰も僕の視線にも全く気付かない。もしかしてメンタル方面のクリニック的なところに来てしまったのかと疑ってしまう程に覇気がない。何かに魅入られてエナジーを吸われているのかも知れない、悪魔くんを呼ばなければエロイムエッサイムエロイムエッサイム我は求め訴えたりしても残念ながら悪魔くんは人間なので召喚出来ませーん!何だこのテンションいい加減辛くなってきたわ。

そしてスタッフの方々は男女ともに異常に声のキーが高い。フォーリミとヒステリックブルーといった感じで、漏れなくマスクを着用しているので全員が腹話術で喋っている可能性を見出してしまう。

つられてこちらの返答も基本キー高めである。出し慣れない音域の為に声が掠れてしまう。修行が足りぬ。

 

まずは脱毛についての印象やら疑問点をヒアリングされたので「高そうだし時間かかりそうだし痛そうだしで毛が無くなる以外は全て不安」と馬鹿正直に申告したらちょっと対応してくれたお兄さん言葉に詰まってた。突然本気出してごめん。

しかし流石プロ、何故時間が掛かってしまうのか、痛みはどの程度なのかなど懇切丁寧に説明してくれる。時間については毛の生える周期と一気にやるとスゲーパンパンに腫れるという事などを知識として得る。

唯一コストについてはそれにしても高いって感覚が覆らなかったので割愛するけれど、まー出せない額でもないなと歩み寄りはみせた気がする。

 

その後、体験で100本から150本のヒゲを処理して貰う。

客層及びスタッフの声のキーの高さにそぐわぬ重低音のドスの利いた、10曲中7曲で人が死んでそうな洋楽ラップを何故かBGMにし、歯医者にある椅子を三段階くらいかっこ悪くした様な椅子とベッドの間の子みたいなのに寝かされ、アイマスクを装着された上で他愛ない世間話をしながら地味に痛い電撃を喰らう羽目になった。

痛い!って程でもなく、どっちかというとピリっとした?ちょっと熱かった?くらいのインパクトでフェイスラインからアゴの脱毛を体験する。鼻下はゴムでパチン!とやられる様な類の痛みがあるものの、痛いかどうかと言われると微妙なレベルで済んだ。肌質や体質によっても左右されるのだろうか、そんな事よりも口下のヒゲを処理している最中にもスタッフの人が平然と会話を続ける為、話してもいいのかジッとしとかないといけないのか判断が出来ずモゴモゴと出来るだけ口を動かさずに喋ってしまう。

非常に間抜けな光景だったと思うし、目隠しされてヒゲ抜かれるなんてちょっと性癖の域に片足突っ込んじゃいないか、もしかして待合室で他のお客さんが個々の世界に没頭していたのは無意識にその手のお店と同じ互いに不干渉を徹底するスタンスを取る為だったのだろうか、だとすればキョロキョロしていて申し訳ない。視線が痛かったろうに。

そんな事を考えているうちに30分程度で終了。冷却ジェルを顔に分厚く塗りたくられ、暫く放置された後に拭き取って貰って終了。

 

感想としては「思った程痛くない」「めっちゃ早い」「喋っていいのか判断がつかない」というもので、最後の感想は綺麗にスルーされた。拾う素ぶりくらい見せてくれてもいいんじゃないでしょうか。

どこのヒゲをどれくらい減らしたいかを告げ、見積を出して貰うと、まー当たり前だけど高い。保護を名目に生えて来てくれたモノをわざわざ金払って死滅させるという背徳感が値段を釣り上げているんだろうか。

ただ、この金額で随分楽になれるのならばそこまで高いとも思えず、悩む。

僕の場合、コンプレックスではなく手間と生傷回避というつもりなので余計に高く感じるのだと思われる。コンプレックス発進だったら即決していた気がする、というレベルの金額だった。

ただ、やっぱり施術だけでなくケア用品も多少必要っぽいのが面倒ではある。

 

後日談として、若干腫れて輪郭が若干丸くなって健康優良児っぽくなったものの、赤くなったり痛みがあったり痺れたりはしなかった。

これは体質によるので僕は楽な方だったのかも知れないけれど、不自由なく過ごしている。

 

で、契約したのか、そしてそれは幾らのコースでどの程度の効果を目指すものなのか、それについては書く気にならないので割愛する。

とりあえず体験してみたら良いんじゃないでしょうか。口コミ読んでも結局体感しないと分からないなっていうのが1番の感想でしたとさ。

あとスタッフの人に「どちらかと言うと童顔」と微妙過ぎる評価を頂いたので脳内で「童顔=ヒゲ似合わないから抜けという圧力なのだとしたら、童顔と断言出来ない時点で別にヒゲが似合わない人種という訳でもなさそう」と前向きに(店からすると後ろ向きに)受け止めて店を後にしたのであった。

 

またー。