性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

3つの美しさにキャパオーバーした1人の話。

ゴスと言うには明るいピンクの装いの女の子の落としたパスケースを拾ってあげたら暫く後をついてこられてスゲー怖かった。

壺か宗教か絵を買わせたいのかなと思ったけどそんなガッついた印象もなく、声も全然聞き取れないのでラリってんのかな?それとも酔っ払ってんのかな?と思いつつ、何度も繰り返される「ありがとうございます」に対して「たまたま気付いただけなので。良かったです」と言って目的地と逆の信号が変わりそうだったので駆け足で横断歩道を渡ってまいてしまった。

申し訳無かったけど、どうしようもない。

どうせならもっと目の保養になる様な、それでいて人とのコミュニケーションに長けていそうな人の後をついて行けば良いのになーと思いながら遠回りするハメになり、遅刻ギリギリとなってしまった。

何を伝えたかったのだろう、何が目的だったのだろう、ていうか単純に心配になった。

どうか上手く生き延びてくれ、僕なんかに心配されない程度には、そう願わずにいられない。

 

さて、日曜に色々鑑賞したのでその雑感を。

まずは中村明日美子先生原作の「ダブルミンツ」公開記念の展示を観に渋谷はスペイン坂へ。

渋谷は明確な居場所じゃない感を抱いているので、居るだけで少しずつ疲れてしまう。

坂の多さだけが都会っぷりを微かに紛らわせてくれる。最先端のTOKYOの中でも屈指の都会渋谷と言えど、未だこの坂を解消する程の未来感ある発展は見せていないのだなと意味不明なことを考えながら歩く。

明日美子先生の展示はダブルミンツと新装版で刊行された作品を軸にしたもので大変に美しかった。

明日美子先生の描く髪の毛や睫毛の曲線はあまりに完璧で、それにグッと入り込んだ後に全体を引いて見るとその集合体っぷりに改めて衝撃を受ける。隙が見当たらない。闘っても勝てる気がしない。闘う必要は無いんだけど。

僕は、明日美子先生のただでさえ最強の曲線の中でも先生が描く女子高生の太腿が突出して最強(言葉がドラゴンボール並みにハイパーインフレを起こしているのは承知で)だと思っている。

ダブルミンツにもその最強の中でも最強が発揮されており、原画の展示もされていたので脳内で2、3回悲鳴をあげた。ギャー!

物販コーナーは同級生とダブルミンツの2強で、ランダムアクリルキーホルダーの佐条くんか草壁が欲しいなと思い、シークレット含めて全5種なので3つ買えばどちらかだけでも当たるだろうと購入したら、見事に3連続で原センという展開であまりに華麗なる原センジェットストリームアタックが決まってしまった。

原センは良い人だと思うんだけど、良い人の向こう側へ行けない感じがもどかしくて見ててウッてなってしまうので推しではない。

どうしたらいいんだろう、これを機に原センを再評価すべきではなかろうかと思いながらカフェでスコーンをモソモソ食べた。

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続いて同じく渋谷でオリエント工業の展示を鑑賞。

これまでも興味はあったもののショールームなどには足を運べなかった。それはやっぱり興味の域を出ない(どうしても実用の意思が最も優先されるべきであるという気持ちが強かった)のもあり、一方で一度そちらに渡ってしまったら戻れないのではという自分への評価もあった。

場内は明るい雰囲気で、老若男女が思い思いに展示を鑑賞していた。

薄く、それでも確実にそこにある血管や足裏の皺、耳たぶの感触に至るまで、あまりにリアルで驚いた。こんなに人間だったのだなと思いつつ、その完璧さから逆に人形っぽさも感じ取れて複雑で不思議な存在だなと改めて感じた。

儚さみたいなものを見出さなかった自分に少し安心した。理由はよく解らないけど、例えば自分は所有していない訳で、所有している見ず知らずの誰かの人生を展示から思ったりするのって嫌な領域もあったりして(勿論ラブドールへの理解を深めるというのは大事だけど、そういうのじゃなくて)そういうの抱かずに見れて良かったなと思った。

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みんな綺麗だった。

 

そこから大阪に新幹線でビューンと移動して、さいあくななちゃんの個展を観に心斎橋へ。

去年の京都での展示から引き続いて、というか地続きでエネルギーが更に増した展示だった。

さいあくななちゃんの絵は、個人的には自分の為に笑って自分の為に泣いて自分の為に怒って自分の為にキラキラするという事を思い出させてくれる作品が多く、改めてそこに立ち還らせてくれるピンク多めの世界だった。

ピンクの中に流れる緑とか黒がどれだけ僕を励ましてくれるかは上手く表現出来ないんだけど、これが上手く表現出来る日まで頑張ろうと思った。

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展示されている作品の一部は販売もされていたのだけれど、展示作の中でも一番好きなものには値札がなかったので購入は控えた。

やっぱり一番好きな作品が運命的なタイミングで手に入らないと意味が無いと思う。

素人考えなんだろうか。素人だからいいんだけど。

作品集などを購入して帰宅。

ミニライブも催されていたのだけれど、流石にこれ以上インプット増えると熱が出るぞという脆弱な身体に疲労が蓄積しまくっていたので観ずに退散。

案の定、あっという間に寝落ちした。

 

流石に1日に全然違う(けど全部綺麗なもの)を3種類鑑賞すると消化に時間が掛かる。3つの地球をボンと手渡されたみたいな。死んでも吐きたくない古代ローマかつ満漢全席。頭がパンパンで痛いくらいなんだけど、漏れなく全部、意地でも自分なりに消化したい。

 

※掲載されている写真は全て撮影可のものです

 

またー。