性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

ブラジルのハードロックバンドによる六甲おろしを聴きながらダイヤモンドを一周。

学生時代、割と長々とハードロックやメタルを聴いていた時期があり、その頃に一番聴いていたANGRAの来日ツアーが大阪でも催されると知って衝動的に行きたくなりチケットを購入した。

後にそれがレコ発と知って慌ててCDを手に入れたのだけれど、洋楽のハードロックやメタルにありがちなアルバムごとの過剰なまでのコンセプトの存在をすっかり忘れており、ライナーノーツに記されたむせ返る濃さにウッともヒッともつかぬ声をあげてしまった。

この手のアーティストは映画の様にアルバムにストーリー性を持たせており、それをインタビューなどまで解説を寝かせることもなくバンバン自分たちから事細かに説明してくる暑苦しさがある。厳つい音に対してその辺の人懐こい印象がどうしても意外と甘えん坊な大型犬を彷彿とさせるんであるが、そのコンセプトの作り込みっぷりが小学生の頃にFF6魔法陣グルグルの影響のみで構成された物語をノートに書いた過去の自分を思い出し気恥ずかしさを思い出してしまうような世界観がそこにはある。

ドラゴン倒すだの伝説のバイキングだの色々あるのだけれどANGRAの今作は「2048年、人類はAIに支配されていた…人間の尊厳を取り戻せ」みたいなコンセプトで作成されていて現代っ子!!!となった。テーマが本当にリアルタイム。2040年代には本当にそんな感じになってるんじゃないかという謎のリアリティーがコンセプトに据えられていて時代が変わったんだなという気持ちである。

ANGRAの僕にとっての最大の魅力はハードロックなのにラテンな空気というか、妙な明るさがあってシリアスになり過ぎないところで、それが今作も発揮されていて聴きやすいし親しみやすいんだけどちゃんとハードロックというバランスの良さに現れていて嬉しくなった。

来日公演まであまり日がないので過去に聴いていた音源まで手が回らない辛さはあるものの、当日までこの新譜だけでもしっかり聴いておきたいと思う。

 

阪神タイガースのホーム最終戦を観戦しに行った。

自分でチケットを買おうと思っていたら、年間シートを譲って頂けてとても嬉しかった。

冷たい弱い雨が降ったり止んだりする中、譲ってくれた方たちが仕事終わりに到着するまでひとりで観ることになるかな、と覚悟していたんだけど、後ろの年間シート勢の老夫婦がずーっと相手をして下さって楽しかった。

前も譲って頂いて来たことがあって、何と無く背中を覚えていたとのことで有難い話だなーと思いつつ、お爺さんのよく当たるボヤきとも予言とも取れる予想と、お婆さんに次々頂いたお菓子を食べながら世間話なんかも色々して、ニッチな自分の職種をご存知で、普通に話してまず理解されないので嬉しくなってしまって完全に懐いた大きな犬の様な状態になってしまった。お恥ずかしい。

試合は先制を許す難しい展開ながらも、投手陣が今シーズンを象徴するかの様にしっかり抑え続け、これまた今シーズンを象徴するかの様に打線が何とか得点を奪って勝つ、という内容だった。

その中でも大山選手、陽川選手、中谷選手という苦しみ続けた若手の主砲候補3人が得点に繋がる活躍を最終戦で見せてくれたのに感動したし、三人の揃い踏みがホーム最終戦に間に合って良かったと思った。

翌日発表された通り、金本監督は最下位の責任を取って辞任されるとのことで、試合後の挨拶を聞いていた身としてはどうしても寂しい気持ちになってしまった。

問題が多い監督ではあったと思うのだけれど、若手育成が蔑ろにされていた(と取られても仕方ない)状況のチームを引き受け、とにかく若手にチャンスを与えまくってくれた(与え方に問題が多々あったとは思う。それによるベテランの扱いや、若手の二軍への落とし方など)結果は今年の北條選手であり、梅野選手であり、糸原選手であると感じていて、ここに大山選手や中谷選手、植田選手、板山選手、江越選手、高山選手などが入って来れたらもう一年あったんじゃないかな、という気持ちになってしまう。(高山選手や中谷選手はチームと一緒に大きく躓いてしまった感があるけど)

何より好きな球団は何と無く阪神タイガースかなーという状態だった僕に大山選手という好きな選手を見つける機会をくれて、ファーム戦を含めて10試合以上も甲子園に足を運ばせてくれたのは監督のお陰でもあるのでとても感謝している。ありがとうございました。

またいつか指揮してくれたらいいのにな。それこそ盛大に蒔きまくってくれた若手選手がベテランや主軸になったタイミングで帰還してくれたらいいのに、などと漫画みたいなことを考えてしまう。

次の監督が誰かはまだ解らないけれど、来シーズンを楽しみにとりあえずドラフトを心待ちにしたい。大好きな下関国際の鶴田投手はプロから声が掛かるかどうかが一番気掛かりで、まー大学や社会人も有りだとは思うんだけどプロ志願してくれてるのが嬉しいからどこかで活躍して欲しいなーと。阪神には誰が来てくれるのかな…万が一にも鶴田投手来てくれたらファーム戦だろうが滅茶苦茶通ってしまいそうで破産の危機だけどそうなってくれないかな…。

 

あとは映画「灰とダイヤモンド」を鑑賞。

第二次世界大戦の末期、ドイツ軍が降伏した後のポーランドが舞台の映画、という事前知識しか無かったんだけど(そもそも誘われ方が「タイトルがカッコイイから」という時点で察するものがある)、反ソ連派の主人公がソ連から帰還した共産党の地区委員長を暗殺する話で中々難しい作品だった。

平和や自由や豊かさはどちら側も欲しかったもので、どちら側もその為に多大な犠牲を払って影を落としていることが演出の節々から観ている側に投げられていて、その投げ方が割と控えめなので気付いて受け取れないと何の映画かよく解らないなんてことになりそうな気がした。

主人公も共産党地区委員長も同じ様に苦しみ、仲間を失い、未来に対する自身の在り方に苦悩していて、こんなに同じなのに立場が違うだけでお互いに命を狙われるなんて悲しい話だなと虚しさで胃が重くなった。

そんな2人が出会って別れるまで、当たり前だけど分かり合う隙も暇もなく過ごした1日の物語だった。

主人公の飄々とした振る舞いの裏にある不安が徐々に表に出てくる様は、観ている間よりも観終わった後でどんどん自分の中でリアルに捉えられ感情移入してしまう。

演出なんかも古い作品故によく解らなくて、あとは物語全体を振り返って「え!?あ、これ1日しか経ってねぇわ!」と驚いてしまうくらい普段観ているものと時間の表現の仕方も違ったので「映画には時代ごとの撮り方がある」ということを教わった気もした。そんな映画だった。

 

またー。