性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

霊感があるとかないとか、もうどっちでも良い話。

霊感、あります?

幼少期からゲゲゲの鬼太郎悪魔くんが好きで、幼児の頃から鬼太郎のメンコをお守りにしていたし、自分で初めて選んで買ってもらった玩具は悪魔くんに登場するメフィスト2世の暗闇で目が光るフィギュアだったし、大人になってからDVD BOXまで購入し所持している(ネットで7割引くらいになってた)んだけど、そんな純粋培養された霊感ありそう人間なのに僕には霊感が無い。

まあオカルトが好きな癖にマジの怖がりである為、そんなもの無いに越したことないんだけれども、何となく釈然としないのも確かである。

しかし数年前から、とあるマンションから唯ならぬ恐怖を感じており、前を通る度にとても気になっている。

そのマンションは、大変お世話になっている協力業者さん(大阪に拠点を置いているのに兵庫や京都、挙句は和歌山にまで同行という名の道連れになって頂いている)のオフィスの近所に建っており、訪問する度にそのマンションの前を通るので毎回根拠のない威圧感というか視線を感じ、ほんのり冷たいものに触れたような気分になりながらなるべく見ない様に足早に通り過ぎている。

そうして数年が過ぎた後、つい先日の話だけれど、遂にその協力業者のオフィスでの打ち合わせの席で、弊社を担当して下さっているTさん(ネットに転がってる寺生まれのTさんという無敵霊能者エピソードにあやかった仮名。こちとらそんなものにすら縋りたいレベルでビビりなんで)にそのマンションの存在を打ち明けたのである。

「凄い圧迫感があるし、視線みたいなものをいつも感じるし、何か寒くなるんですよね…」と打ち明ける僕に対し、Tさんは「えー?あそこのマンションが?通勤は車だから全然気付かなかったなぁ」と笑いながら、続けて「お昼ついでに今から前通ってみましょうか!」と言うのである。

何を隠そうこのTさん、本人や彼の同僚たち曰くバリバリに霊感があるらしく、僕も一緒に京都に同行してもらった際、あるビルの階段で「あ、ここ本当ダメだわ、早く出ましょう」って言い始めてイヤ!やめて!死ぬ!と僕が滅茶苦茶ビビって他の同行者たちを引かせてしまったこともある。

道中、Tさんに「でも確か霊感全然ないんですよね?」と聞かれ、まあそのはずなんですけど、何かあそこだけ怖いんですよね…と答える僕に「目覚めちゃったんじゃないですか?」と悪戯っぽく笑うTさん。絶対そんなん嫌じゃボケ、泣くぞクソが、お前と懇意にしてたせいでスイッチ入ったとかなら訴えんぞ、やっほー未来の被告、最高裁までいこうぜという気持ちで可能性を否定しながら2人でそのマンションの前に到着。

人といるという安心感からか、普段の様な圧を感じることはなかったものの、それでもやっぱり怖いものは怖い。

「どうですかね?」と恐る恐る尋ねると、Tさんはマンションの屋上を見上げながら、視線を外さずに「いやー…」と言葉を切ってしまった。

そこで切るの?え?何それ?屋上なの?屋上に?何か?何かが?いる?と固まる僕をふっと見やってTさんは言った。

「マジなんも感じないですね!」

そうですか。

は?じゃあ何?さっきのタメは何なの?紛らわしいからやめて?本当に怖かったんですけど?謝って欲しいんですけど?お詫びにお昼奢って欲しいくらいなんですけど?高そうな焼肉屋さん駅前にありましたけど?テイクアウトやってましたけど?(不安が取り除かれたという意味ではこっちが奢るべきなのではという疑念)

結局、ランチはどこにでもある中華料理チェーン店で、当然互いにご馳走することもなく済んだ。

別れ際、何となく「ずっと感じてたあの怖さって何だったんですかね?」と口にした僕に寺生まれじゃない(と思う)のTさんは少し考えてから言った。

「生きた人間がずっと窓から通行人を見張ってて、その気配を感じてたとか?」

うっわ、こっわ、はー引くわ、その想像力に引くわ、霊的なものじゃなかったって安心してる人に対してそんな霊障度外視にリアル怖いこと言い出せるのマジで引くわ、貴志祐介先生の黒い家的なやつ引っ張り出してくるのか怖過ぎて引くわ、え?さっき暫く上の方見続けてたの、その住人と目があってたとか?ははは、ありえる?えー、ありえるんじゃない?それならもう霊的な方がまだいいわ、怖スギ薬局ポイント100万倍、心の底から無理でーす、となってしまい、「不採用でお願いします」と返したら、また少し考えてから寺生まれ(じゃないハズだけど最早どっちでもいい)Tさんは言った。

「じゃもう、生理的に無理ってやつじゃないですか?」

 

急に適当だな。

じゃあもう、て。

じゃあもう、採用で。ワガママでごめんて。

 

またー。