性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

砂の惑星に行って砂の城を作ろう!!キャンペーン

「DUNE砂の惑星」を観てティモシー・シャラメさんが美だった。美人とかじゃなくて美だった。

それはそうと、原作を未読なので物語のどの辺りまで来ているのか知らず、その美を超越する程に「え?時系列で1ヶ月くらいの話じゃない?こっからどう壮大なドンパチに発展していくの???」と気が気じゃない程にのんびりした200分越えだった。何かSFってもっとカメラをパーンてするだけで何年か飛んでるみたいなモノだと思ってたのでそんな所にびっくりしてしまった。いや、着実に、一歩ずつ積み重ねて行くことの大切さはチートや転生なんかには描けないポイントだと思うんだけど、まさか冒頭の西暦(なのかも解らない何かしらの暦)で10000年を超えていたテロップが最大瞬間風速だと思ってなかった。時の流れエグい、そんな先まで飛ばす?みたいな事を確かにそこで感じはした。飛距離とか言う次元の未来じゃなさ過ぎて実感が湧かないけど凄いとは思った。確かにスケールが違うぜ、と。
これで後編が1週間とかで決着ついてたら「やっぱ桁違いの未来は戦乱も凄いスピードで収束すんだなぁ」とか思うのかも知れない。
意味不明な事を言っているが、別に今作が面白くない訳では断じてありませんで、個人的には主人公の美さんもといポールの予知夢(これはネタバレでも何でもなく公式情報)への対峙の仕方が追い詰められる状況下で大きく成長していく描写が素晴らしくて、あ、これは良いぞ、凄く良いとなった。
予知夢について考える時、怖がり故のオカルト読み漁り経験から夢日記で自我崩壊みたいな所が出発点になる訳なんだけど、夢で膨大な情報を整理して、目覚める時には忘れている事で精神を保てる的な話を真っ先に思い出す。
その工程に逆らってしまうと抽象的な夢も含めて自分が生きる現実と段々境界が曖昧になって…という所に怖み成分が凝縮されていてウッとなってしまう。
その境界が曖昧になっちゃう要因に夢の出来事が起こるぞ、という恐れがあると僕は結論付けているので、美さんが予知夢にも葛藤して疲れ果てていく姿に心配と応援の感情を抱いてハラハラ見守っていた。
他方、遠藤周作さんの怪奇小説集の中に予知夢について取り上げている回が収録されていて、その中で「我々のみる夢は未来の自分を予見するものである」という記述があって、どんな起こり様のなさそうな事でも現実に起こる、みたいな事が書いてあったのを今作を観る直前にたまたま読んでいたので、その予知夢に怯え、苦しみながらも未来を変えてやる、切り拓いてやると立ち向かう美さんの姿に滅茶苦茶グッときていた。
予知の能力を持つ敵に、もしくは予知してしまった未来を変えようと立ち向かう作品は数多くあるけども、砂の惑星はそういう点でも色んな作品に影響を与えているんじゃなかろうか。
繰り返しになるけども、そこの描かれ方がとても良かった。
その他には個人的にはスターウォーズナウシカにも影響を与えた、みたいな節を大いに感じられる世界観や乗り物なんかもとても好きだった。
ナウシカって3割くらい砂の惑星だったんだなーと思いながら観た。
後は美さんが本当に美ですね。正装からコート姿からピタッとした軍用スーツというファッション的なバリエーションも、わーっと子供っぽい所から疲れ果て、絶望して、乗り越えようという表情面でも美で、あー凄い美だなと間違いなく思った。SFなのに滅茶苦茶顔がアップのシーン多いもん。折角の世界観なんだからもう少しカメラ引こう?美術スタッフ泣くよ?と思うくらいだった。
上映時間の多くがアップに費やされているのに満足してしまう美さんの美っぷりも是非浴びて欲しいところである。
後編が公開されるまでに原作も読みたい。


何かそんな感じだった。
何かそんな感じだったんだけど、途中で引用した遠藤周作怪奇小説集に登場する予知夢の話について、J・W・ダンヌという学者の著書「時間と夢」に記されていたと作中にあって、へー今となっては色々覆ってたりするんだろうけど読んでみたいなぁと興味本位で検索をかけても全然ヒットせず、検索ワード「ダンヌ 時間と夢」の両方を打ち消した上でGoogleが提示してきたのが「夢眠ねむのまどろみのれん酒」の番組公式サイトだったのが解せない。
「それは両方ないですねー…でも僕の勘がコレじゃないですかね?」と出して来たのが大好きなねむきゅんさんなの、全然ハズレでありながらも思考を完全にGoogleに把握されている気もして2021年も十分過ぎる程に未来だな、怖いなと思ったのでここに書いておきたい。
肝心のダンヌの著書「時間と夢」は、まあ遠藤周作先生の説得力あるフィクションに騙されたんだろうなと思う。
絵に描いたようなカモ読者に先生も喜んでくれていたらいいけれど。


またー。