性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

真空ジェシカとミルクシェイクを。

マンションのエレベーターに乗ったら、途中の階で3歳くらいの男の子とお父さんが待ってて、男の子が大人用のトランクをうおおて押しながら乗って来て、あぁ、こんなささやかなチャレンジが一大アトラクションなの尊過ぎるなと成仏し掛かってたんだけど、達成感に溢れるミッションコンプリート顔でこっちを見上げながら「家から押してきたの!」て言うんでね、成仏通り越して転生しちゃって「えー凄いね」って返したらお父さんが滅茶苦茶冷静に「いやエレベーターの前までお父さんが押したよね?」ってツッコミ入れてて、大好きな真空ジェシカM-1決勝ネタでいう所の5秒秘書が罪人(つみんちゅ)の説明で帰っちゃうくだりレベルで笑っちゃったんだけど、未だにあのネタ好き過ぎて周りからしたら「まだ年末で止まってんの?」てなるよね、でも面白いんだから仕方ないじゃん。逸れてるから戻すけど、その可愛い男の子が嬉しそうに続けてこっちに「ねー」と話しかけてくれて、「どうしたの?」って聞いたら「これから車を運転してお婆ちゃん家にいくの」と教えてくれて、すかさずお父さんが「運転するのもお父さんだけどね」と訂正していて本当に真空ジェシカの漫才の掴み「言うとしたら僕〜」だった。
エレベーターを下りると子供が「いってきまーす!」とこちらに手を振ってくれるので「いってらっしゃい」と返したんだけど、道を歩きながら「あの2人は親子としての完成度が高過ぎるな…」と考え始めてしまい、幻だったらどうしようとか、友達親子を通り過ぎてビジネス親子だったらどうしようとか、ていうかビジネス親子って何だよどっちがどっちに金を払うシステムなの、どっちて子が親に払ってるパターンは有り得ないだろ、どういうシチュエーションでその方向でお金が流れるんだ、資本主義の闇と言うより自分の心の闇を資本主義のせいにしてしまっている気がする、自分はやはり弱い生き物だ…などと考えていたら電車を一本逃してしまって美容室の予約に遅刻してしまった。
申し訳ない。


映画「ガンパウダー・ミルクシェイク」を観て、なんっ、この、ええ?楽しみにはしてたけど、その、ここまで良いとは失礼ながら全く思ってなくて、本当にごめんなさい、好き!!!!となった。
殺し屋が子供を保護して組織を追われるというど真ん中な設定だけど主人公も仲間も敵も性格とビジュアルが凄く良かったり、図書館に武器を調達に行ったり、ダイナーでミルクシェイクを飲んだり、滅茶苦茶タランティーノ作品への愛が詳しくない僕から見ても解るくらい溢れていたりでたまらなかった。
T.M.Revolutionホワイトブレスに「タランティーノくらいレンタルしとかなきゃなんて殴られた記憶もロクにないくせに」というタランティーノレザボア・ドッグスやらキル・ビルの暴力性のキャッチーさを上手いこと表した最高の歌詞があるんだけど、なんというかそれを思い出しながら観た。
「顔のアップ」と聞いて思い浮かべるものの1.3倍くらいの至近距離でのアップが印象的に使われていて、目だけじゃなくて肌からも時間と感情を物語られている気がして凄く好きだった。
肉弾戦、銃撃戦、カーアクションと盛り沢山で、それを何とか切り抜けていく姿に胸が熱くなる。
無敵じゃなく、痛みとしっかり隣り合わせで、後悔や憎しみを繰り返しながらケリをつけんとする主人公がただでさえ格好良いのに衣装とシルエットがそれをポイント5倍にしてしまっているのマジでスギ薬局かよと思った。
個人的にはミシェル・ヨーさんが素敵過ぎて完全にノックアウトされてしまった。
登場から最後まで常に格好良いし、鎖の使い方が爆笑してしまう程にアツかった。中学生なら憧れて真似してしまっていたかも知れない。
お洒落で派手で面白そうだなーくらいのつもりで行ったら面白さでボッコボコにされる2時間だったの嬉しい誤算過ぎた。
規模の大きな爆破はないけど、アクションだけじゃなくて顔のアップの部分に対しても映画館の大きなスクリーンで観て欲しいと思える作品で、鑑賞後に勢いがついて帰りにお寿司をテイクアウトしてしまった。
ご馳走様でした。


またー。