性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

いろんな場所に身を置きながら誰もが暮らしておるという話。

小型犬が2匹、お互い飼い主に抱かれた状態で鉢合わせ、かなり攻撃的な、高圧的なニュアンスでキャンキャン鳴きあっており一触即発を演出しながらも互いに身動きをせず、一切飛び掛かるポーズも見せないのを眺めながら「ラップバトルの方が断然ハラハラするなぁ」とぼんやり思った。自分達の感情のぶつかり合いが安心安全なエンタメと化してしまっていることを彼らに教えたら僕も吠えられてしまうんだろうか。
その時、飛び掛かる素振りを見せられたら、彼らの中で僕こそが最弱なんだろう。


それはそうと先日、休日のホテルのラウンジにケーキを食べに行ったら周りがほぼ婚活顔合わせみたいな人たちで埋め尽くされていて緊張感がひしひしと伝わってきてケーキを味わうのに大変苦慮した。
当人たちは自身の緊張で精一杯で周りの似たような緊張を感じることも無いだろうが、目の前のケーキと紅茶の残量を気にするのみの自分は全部の席の緊張が少しずつ伝わってきて、率先して集めている訳でもないのに緊張感の元気玉状態だった。オラにみんなの緊張を分けてくれ、でもこれ集めたものの何処に、誰にぶつけたら良いんだろう。選挙か。皆、投票行こうな。モーニング娘。の歌みたいに投票行って外食しような。PEACE。
普段は比較的大人しめな部類の商談やらパパ活やらマダムの集いやらマルチの勧誘やらでバラけるので気にならなかったんだけど、これだけ集うとこちらが異分子過ぎて申し訳なくなってくる。
贅沢しに行っている身分なので身近な場所とは言い難いものの、見知った場所の別の顔を見た気分になった。


近所と呼ぶには微妙な距離に個人経営の割とコンセプチュアルな本屋さんがあって、存在を知ってから行くまでに3年掛かったんだけどいざ行くと楽しくて毎月1度は通う様になっている。
割と問屋からドン!配本でーす系の本屋さんにもよくよく見ると特徴があり、その品揃えと店員さんたちが生み出す空気感で頼れるお店というのが生まれるんだけど、セレクトショップ感があるというか、かなりコンセプトというか店主さんの美学で棚が埋まっている本屋さんというのは入る前にまず緊張で背筋が伸びてしまう。
初めてお店に向かう時は「きっと難しい本がたくさんあるんだろうな」と思っていたけれど、お店の選考を経た、言うなれば勝ち抜いた本が並んでいるので大きな絵みたいな印象になっていて勝手が解るまで途方に暮れてしまうだけなのだと思った。
恐る恐る気になる所に手をかけると次々と気になる本を見つけてしまう沼の様なものなのだと感じている。いや恐ろしい。抜けられる気がしない。
一冊をしっかり選んで買って帰り、普通の本屋で買った本なんかも挟みつつ一月で読み切ってそのイメージ。
今はどこからどう興味が繋がったのか雑貨論の様なエッセイを読んでいて、これを読み終えた自分が次はそのお店のどこが気になるのかが密かな楽しみである。
大前提としてお店の思いと自分の興味が合うかどうかの運もあると思うので、その辺を考えるとラッキーな出会いだったなと思っている。


またー。