ロンドンの不良は動きやすさとお求めやすさでリーボックのスポーツウェアを好んでいる、とファッション系の記事で読んで「あ、中学生の頃の僕はただのオタクではなくてロンドンの不良でもあったのか」と見当違いも甚だしい妙な感慨と「確かにそういうことあったよな、oasisとか聴いてたし」と角度も確度も見出せない共通項に納得してしまった。凄い、未だに自分が過去に遡ってまで何者かになりたいだと思うと恥ずかしくて床を悶える。
日本のオタクの中学生とロンドンの不良御用達のリーボックが豊富に揃っていた最寄りのジャスコは今はもうイオンに名を変え、外観こそ名残があるものの、内部のテナントは総入れ替えしてしまった気がしている。地元を微妙に離れて暮らしているので近寄ることも無いけど、冒頭の記事を読んでジャスコでリーボックの服や靴を買って貰ったなぁと懐かしい気持ちになった。
記事を執筆して下さったファッションライターの方もまさかロンドンの空気感を伝えたかったはずなのにジャスコに想いを馳せられるとは思ってないだろうに申し訳ない。
リーボックを着ていた頃の僕がロンドンを歩いていたら不良として一目置かれた訳もなく、恐らく何イキッてんだよと絡まれて涙目になっていただろう。
恐らく日本各地にある「これを身につけていいのはこういう人たちだけ」みたいなのがロンドンの不良にもあるんじゃないだろうか。
自分の身近な文化としては某スポーツ用品店のビニールバック(スニーカーやスパイクを買うと入れてくれるショッパー)を使っていいのはスクールカーストにおいてある程度以上の位置にいる人たちであった。
環境大臣から目の敵にされている今もそんな曖昧で無意味な制度は残っているんだろうか。体制への反抗みたいなアレで続いているんだろうか。
そういうのがロンドンの不良にもあると思うと(あるか知らないけど)ニヤニヤしてしまう。
実際不良の前でニヤニヤ出来るかと言われると爆音列島や東京リベンジャーズを一気読みした後でも難しいんだけれど、家でならニヤニヤし放題である。
今後、昔はロンドンの不良だったと胸を張っていこうと思う。そもそも不良が胸を張れるという価値観自体が地方臭くて終わっているんだけど、まぁスクスク育ってしまったので仕方がない。
問題は自分と彼らが着ていたリーボックは同ブランドのプロダクトの中でも似ても似つかないラインという事なんであるが、そこは不問に処したい。
またー。