性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

2022年のあれこれ。

僕の2022年がどんな一年だったかなんて、人様からどころか来年以降の自分からしたって興味が湧くものなのか正直解らないんだけど、そんな事を言いながら積極的に書いてる部類なので終わってない厨二病、未だに斜めから投げる事を許された数少ない界隈、気分はELLEGARDENの「missing」と言った所である。ブログが駆け込み寺として機能したとは言い難い一年だったけど、だとしてこれまでの助けが失われる訳でもない。自分で書いていただけなのに助けられた感覚になるのは実に不思議だけど、どんなキッカケか知らんが誰かが読んでくれる可能性がある、風船に括り付けたもしくは小瓶に詰めて海へ流した手紙として書いている節があるからそう言えるのかな、などと考えている。

今年は普通に辛い一年だった。
コロナで楽しみだった色んなイベントに支障が出て、自身も陽性になってしまってお盆休みを潰したし(大型連休に体調を崩してしまう周りの顔色伺うコンディションにも腹が立った記憶がある)、仕事はバカみたいに忙しく、かと言って部下に同じ様な働き方をして欲しいとも思えないので損な働き方をしてしまった。
最後のは完全に自己満足だと分かりつつ、その辺りのコミュニケーションをどっしり取って共有を図る余裕が僕に無さ過ぎた。その割に親しみを持って接してくれていた部下たちは優しい奴らなのだろうし、せめて彼らが不幸でも退屈でも無ければ良いと願った一年。まあそんなものの責任まで背負おうなどと勘違いをしている訳ではないけど神社でご近所皆さんの幸せを願うノリというか。
そんな余裕のない感じだったのでお酒とカラオケとたまの野球観戦以外に何かあったろうか、面白かった事、と思い出しつつ少しだけ書き残しておきたい。

 

【書籍】
漫画では「女の園の星」と「つづ井さん」シリーズにとても救われた。全く知らない角度から次々届く笑いに癒された。どちらからも面白過ぎるやろ…と恐ろしくなる瞬間も味わった。
「ホラー映画が怖過ぎて笑えてくる」のと真逆の「ギャグが面白過ぎて怖くなってくる」という意味不明な現象が起きていてスタンド攻撃かと思った。
他にも「正反対の君と僕」は王道のラブコメにまだまだこんな新鮮な領域が残されていたのかとキュンキュンしてしまった。素敵な作品で読後和やかな気持ちにして貰えた。
石井光太さんの「こどもホスピスの奇跡」「近親殺人」というタイトルからして振れ幅が尋常じゃないルポを2冊読んだのもかなりの衝撃だった。前者の熱意と愛情は多くの人に読まれて欲しいと思うし、後者の悪循環からの最悪の結末についても決して他人事でないと知ることで回避出来る事もあるのではと感じている。


【映画】
毎度お馴染みの「名探偵コナン」を筆頭に何本か劇場で観たものの、今年はあまり足を運べず、見損ねた作品の方が遥かに多い。
その中で特に良かったのが「ガンパウダー・ミルクシェイク」だった。現役殺し屋が標的の子供を保護して殺し屋OBと何だかんだ自由を求めて組織と敵対していく作品で、タランティーノ大好きっぷりが素人目にも凄い以上に味方勢が皆素敵で最高だった。殺し屋繋がりだと「ブレット・トレイン」も面白かったけど、個人的には「ガンパウダー・ミルクシェイク」の方が良い、というかこれが今年のNo. 1だと思う。映画館行けてないのでそもそも分母が少な過ぎるけども。
次点は架空の街に根ざした出版社の凄腕(?)ライターと編集長との関係性が愛おしい「フレンチ・ディスパッチ・ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン・別冊」かなと思う。色彩が素敵で、街の明るさ、穏やかさ、治安の良し悪しの複雑さをオムニバス形式で上手く伝えてくれるとても良い映画だった。
そのフレンチ・ディスパッチと同じくらい良かったのが「PLAN75」で、こちらはかなり恐ろしく、またあり得てしまう様な架空の後期高齢者切り捨て制度を取り扱った作品なのにやはり美しく、邦画とは思えない色彩だった。
安楽死へ向けた支度金と死後の自宅整理や書類をサービスする、と何とも便利で主体的な、尊厳を守る取組みです!と明るく宣伝しているけどその制度が根底にある事で雇い控えや賃貸の更新が断られ、最終的に望んでもないのに安楽死を選択せざるを得なくなる社会の生々しさに強い恐怖を覚えた。なのに自分がその年代でなければ果たして反対出来るだろうかと考えてしまう気持ち悪さを自覚出来るのも含めて凄く良い作品だったと思う。

ガガーリン」なんかも古い団地とスペースシャトルが融合する様が美しかったりとフランス映画っぽい色彩に好みを掻っ攫われた一年だったのかも知れない。


【配信】
今年の後半は「水星の魔女」のスレッダの「逃げたら1つ、進めば2つ手に入る」というセリフをお守りの様に暮らしていた。物語自体はまだ序盤から中盤になろうかというタイミングだけれど、特に励まされた作品なので書いておきたい。
他にも色々観たけれど、「僕のヒーローアカデミア」は一気にシリアスな展開になって皆が勇敢過ぎてぶっ刺さり泣けてしまう回が多く印象に残った。励まされるというよりは何とかなってくれと願ってしまう感じというか。
あとは何故かパトレイバーシリーズを延々観ていた。思った以上に緩い世界観だったので、こちらものんびり消化していってきちんと完走出来て良かった。


【音楽】
散発的には楽しんで聴いていたものの、強く惹きつけられたり没頭してしまう様な聴き方が出来ない残念な一年だった。きっと沢山素敵な作品を聴き逃しているんだろう。
大森靖子さんの「魔法使いは二度死ぬ」が好きだけど最終的に「夕方ミラージュ」に帰ってくるというのを繰り返していた。
ELLEGARDENの新譜もとても良くて、ただこれまで以上にバンドや細美さんのパーソナリティを聴いてる気がする。それが出来るというのは本当に凄い事で、待てど待てどやって来なかった続きなのでそれを欲している自分がいるのも間違いないのだけれど、パーソナリティで音楽を聴くだけの没頭っぷりを今年に関してはこちらが備えていなかったと言う事なのだと思うし、それをじゃあ来年取り戻せるかも解らない。
取り戻すというか、前の感性になんて戻れないのだから新しく育めたらいいな。
ただやっぱカッケーと思いながら聴いているこの幸せを自分だけのものだと確信出来る日が訪れたことは破格で、大好きな人に数年ぶりに会えて照れて顔が見れない親戚の子みたいな自分が浮ついてて可愛らしく、ソワソワしてる自分が若干ムカつく。いい歳して。
洋楽についてはwet legが年間通して一番聴いていて、まだ来日のチケットを買えていないのが我ながらどうかと思う。レッチリのチケット争奪戦に負けてしまってその一手間への勢いが失われてしまっている。
衝撃的だったのはサマソニで観たマネスキンだった。あんな全員ロックスターみたいなバンドがいてくれるなんてという驚きと、単純に度肝抜かれる迫力で鳥肌通り越して頭真っ白になる程格好良かった。泣いちゃうかと思った。
来日があればどこへでも行きたい。
後はアンテナが低かった分、歌詞が刺さる事が無くなり、その代わり語感にハマる事が増えた一年だった。「イマジナリーフレンド」「可愛くてごめん」「トウキョウ・シャンディ・ランデヴー」なんかが如実。まあどれも歌詞自体も良いのだけど、それ以上に言葉割りと音の響きが良かった。


そんな感じの一年だった。
来年はどんな一年になるんだろう。
楽しみ!とは中々言えないのが今年を象徴してる気もするんだけど、今年より少しマシに出来たらチェンソーマンのパワーちゃんの様に「ワシの手柄じゃ!」と言えると思うので、マジでそうしたいところである。


たまたまこれを読んだどなたかも2023年があなたの当社比で良い一年になります様に。


またー。