性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

崩壊書評vol.5

田舎がないので経験がないのだけれど、田舎の実家や親戚からダンボール一杯に何かが送られてくる感覚で好きな人から本を沢山送って貰った。
好きな人の使用済みの本っていうのは何か思考の後追いっていうかオカズ感あって生々しいわ。
ありがとうございます。大事に読む。

妊娠カレンダー/小川洋子(小説)
小川洋子という人は身体の細かい所を綺麗に描写する人だな。
大きなうねりを伴う感情の痛みも無機質に出来てしまう魔法使いの様な職業なのだな。
新しい何かが生まれる、何かに変わる瞬間にそれまで側にあったそれまでの時間を死んでしまうと捉えるのは別にネガティブじゃないよなーと改めて思った。サヨナラサヨナラ。

ねむようこ/逃げても逃げても(漫画)
初期チャットモンチーの曲みたいな間合いの絵を描く。
日常における生活感が妙に薄くて、キャラもストーリーも全然強くないのにちょっと面倒な所だけ生々しい。その反面サブカルの理想を強めに投げ込んでくるのでタイミングをズラされてバット振らされてる気分。ケーキに乗っかったイチゴをズームしてるような。
お幸せに。

知的複眼思考法/苅谷剛彦(実用書)
2日で読めたよ!とか言われて厨ニっぽいタイトル面白そうだなって手を出したらめちゃくちゃ時間かかった。時間ばかりかかって、自分の頭の間取りの狭さに学生マンションのギチギチ感を思い出した。そんなもんでも住めば都よ。

地方病(wikipedia)
最早読書でもないけど、Twitterで賢そうな人が勧めていて読んでみたら興味深くまた恐ろしかった。
ノンフィクションに対して、それも犠牲者も出ている出来事に対して興味深いとかあんま言っちゃダメなんだろうかと思うんだけど、人の執念というか。
こういう人たちのお陰で平穏無事に生きてる事を忘れないようにしないと。

世界征服は可能か?/岡田斗司夫(新書)
悪の組織のボスの金持ちの道楽感、構成員のサラリーマン感がたまらないと思ってたけどわざわざスポット当てられると何か思ったより笑えないし、そこを言葉にしてしまってそこに意識を囚われている悪の組織なんて観たくないなー、悪の組織は正義の組織であるべきというか。そんな事を考えて何故か揺り籠から墓場まででお馴染みリク○ートを思い出した。

イカリングだと思って楽しみにしていたのにオニオンリングだった、という世にも奇妙な物語のエピソードがとても好きだった。何者であるか、自分の思い出を都合良く添えて解釈していたものは思い出す必要もなく幾らでもあるし、それを経てきてるから、それを大きく覆されても受け入れて側にいる事も遠ざかる事も守る事になるのだし愛だなと思うし、何より僕はオニオンリング結構好きですよ。モスバーガー行きたい。
明日美子様作品で一番好き。全おっさんが魅力的。

ザネリさえいなければ、と思ってしまう。同感の人は皆間違いなく根暗。
書き手が亡くなってから解釈が固まった、という点では物語として一番自由で夢があると思う。


またー。