性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

アーバンカブト虫葬送狂騒曲。

夏本番なので道端にセミ爆弾が多く設置されており、テロリズムにも通じる恐怖から暑いにも関わらず冷や汗をかくことが増えている。

セミ爆弾の出典は僕の場合は漫画家羽海野チカ先生であるが、実際の根源がどこの誰なのかは知らない。

瀕死のセミが危険を察知し、地面をねずみ花火の様に暴れまわる現象をセミ爆弾と呼び恐れている。

今住んでいる地域はそこそこ都会であるにも関わらず緑も豊かな地域でセミ爆弾の数も非常に多いのだけれど、多いのはセミばかりではなく、カナブン、カブト虫、クワガタまでもが道端によく落ちているのに遭遇する。

セミやカナブンはまだしも、カブトムシやクワガタの中ではかなり都会住みになるんではないかと彼らを見掛ける度に思う。

住所が梅田とか六本木とかそんな感じのカブトとクワガタ。まあ便利だけど住みやすいかどうかは人によるかな、みたいな事を人間だったら言える立場の格好良いカブトとクワガタ。

そもそも日本に生まれ育ち植え付けられた価値観からするとカブトとクワガタはカブトとクワガタである時点で昆虫の中で屈指の格好良さであるので、凄いイケメンが梅田のタワマンに住んでる、凄いイケメンが六本木ヒルズに住んでるくらいの凄みを感じる。

でも彼らにそんなことをひけらかすつもりも、場も、何にも無いことに思い至ると人間の汚さの様なものを感じずにはいられない。

昆虫としては恐らく自然豊かな野山にある巨木こそが梅田のタワマンであり六本木ヒルズだろうに、人間目線で都会住みとか言ってマジごめんなって気持ちになる。先人が彼らの梅田や六本木を切り拓いた土地に今、住んでいる。

セミ爆弾に怯えながらも昆虫が道端に落ちているのを見掛ける度にそんなことをいちいち考えて妙に切ない気持ちになる。

だから何だって話なんだけれど、それだけ。

 

炎天下の中、欲しいぬいぐるみが発売するとのことで開店前から並び購入したついでに映画「スターリン葬送狂騒曲」を鑑賞した。

BLEACH」の吉沢亮の麗しさに疲れを何だかんだして貰おうか迷ったけれど結局凄腕の愛嬌たっぷりのおっさんが集う映画を選んだ。ハゲもデブも粗暴もナルシストも選り取り見取りで最高にキュートである。身近にいたら大体腹立つけど映画は最高。

スターリンが倒れたことによる権力の奪い合いが非常にコミカルに解りやすく描かれていてゲラゲラ笑いながら観た。

ソ連に対する認識がスターリンで止まっていたので周りにどんな立ち位置の人がいて、赤軍とNKVDの関係だったり、NKVDのリストに名前が乗ることの恐ろしさやそのハードルの異様な低さなんかがしっかり伝わってきて興味深いと共にとんでもない時代(というか機関)だなと思うなどした。

いちいちユーモラスで笑っていたのに最後の最後に急激にシリアスに振れ、そこからドが付く程に現実へ繋ぐ構成が一番の皮肉としてガッツリ効いていて何となく「ゲラゲラ笑っててすんませんでした」という気持ちになった。いや笑わせる様に作ってるんだからいいんだけども。

こういう醜いやり取りを笑いに落とし込んでみせるというのはスンナリと頭に関係性が入ってくるので凄い。テスト勉強の暗記のコツみたいだ。それ故に終わった途端に興味が薄い部分から抜け落ちていくのだけれど、それはもう自分の知能の限界だと思うので反省したい。

「立場が人を作る」をまざまざと感じながら、それでも根っこの、弱い部分ほど変えることが出来ないのだなと笑いながらも切なくなる作品だった。

 

美容室で初対面の美容師さんにシャンプーをして貰いながら指圧と握力の違いについての議論を交わした。

初対面なのでパーソナルな話をしたくなくて思いつきで話し始めたのだけれど、思いの外長いこと話し込めたので今後もこの調子で「必要はないけど長持ちしそうな話題」を探求して生きていこうと思う。

ボンヤリし過ぎてるのも初対面でしっかり露呈してしまったので最早怖いもの無しである。一度「無害だがおかしな事を話す客」だと思って貰えると楽に過ごせるので美容室が苦手な方にこのスタンスをオススメしたい。

 

またー。