性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

マジで今更!誰も得をしない・させない「ユーリ!!!on ICE」超超雑感帳【前編】

2017年に入ってから「ユーリ!!!on ICE」というアニメにドが付く程後追いにも関わらず、ドが付く程ハマってしまい、アマゾンプライムに入会し、繰り返しグルグルと何周も観ている。

秀逸なレビューや徹底的な解説などは出尽くし、劇場版を前に小康状態であるこのタイミングに、誰のためでもなく、自分がこの作品のどこに惹かれているのかを再確認する意味で各話の好きポイントを只管書き出していこうと思う。

ハッキリ言ってネタバレのオンパレードかつ、設定度外視の戯言であるし、ユーリ!!!on ICEを知らない人にも、知っている人にも何も利点のない長文となること必至なので読んで文句言いそうだなという人は読まないでくれて構わない。

文字なら何でも良いという暇人と寛容過ぎて来世は神か仏かなみたいな人が読んでくれればそれで良い。

前置きと言う名の釘は刺したのでさっさと書こうと思う。

 

【第1滑走:なんのピロシキ!!涙のグランプリファイナル】

何が凄いってシーズンの集大成、グランプリファイナルの結果発表から始まるんですよね、このアニメ。200m走で言えば世界陸上の決勝戦、野球で言えば日本シリーズの最終戦が終わった所から始まるようなもの。

決勝の中の決勝に残っている時点で十分凄いのに、そこで主人公である勝生勇利は惨敗し、ヘタレキャラを視聴者に植え付ける事に成功している。これって扱いとしてはM-1の決勝で最下位になるとマジ日本一つまらないコンビという見方をされるのと同じ違和感があって「え、十分に凄い選手じゃん」みたいな気持ちになってしまう。

そこはスケートの現役でいられる期間の短さとか、そういうのも相まってちょっと深刻かつ大分残念みたいな事なのかも知れないけど、これで残念キャラとして通じてしまうのは日本のフィギュアスケート選手が強過ぎるという現実が何より強く作用してるのだろうなと、実在するスケーターの人たちに感心してしまった。

この回でグッときたのは、勇利を本人を通り越して周りが勝手に引退だと思っている中で、勇利本人は自分の勝負弱さと憧れのヴィクトルと同じ舞台に立てたのに結果が伴わなかった所に凹んでいるのと、勇利の家族が全くスケート選手としての勇利に入れ込んでいない所。(息子が憧れるヴィクトルすら「カッコイイ外国人の兄ちゃん」としか認識していなかった)

5年も家をあけてスケートに徹していた勇利をフラットにただの息子や弟として扱う家族の精神構造はちょっと理解出来ないくらい出来過ぎている。僕が勇利ならその大らかさに逆にメンタル病んで実家も地元も棄ててよく解らないタイミングで社会の荒波に耐え切れず野垂れ死んでるわ。仕方ないだろ、歪んでるんだから。

ゆうちゃんへの好意とヴィクトルへの憧れの割合が徐々にヴィクトル側に傾いていく過程、そして、その集大成としてヴィクトルのプログラムを完コピし、ゆうちゃんに披露するというのが凄く良いなと思いながら観ていた。

プログラムの曲名「離れずに側にいて」は結局ゆうちゃんでもなくヴィクトルでもなくスケート選手としての現役に対してだったのかなーと邪推していた。

突然の寒波と共にロシア人のヴィクトルがお花見日和だった長谷津へやってくるというのもドラマチックで良い。

 

【第2滑走:2人のユーリ!?ゆーとぴあの乱】

フィギュアスケート界の生ける伝説、ヴィクトル・ニキフォロフがおしかけコーチとしてやって来た事に勇利が憧れのあまり持て余す様が可愛らしい。

まぁ、そんな事よりユーリ・プリセツキーが可愛いんですよ。長谷津にいるヴィクトルをインスタで発見したユーリ(以下、ユリオ)が猫を飼っていて尚且つベッドでスナック菓子を食べ散らかしているというのも反則だし、商店街で虎のトレーナー(1300円)に衝撃を受ける下りなど最高に可愛いとしか言いようが無い。猫を飼っていてヒョウ柄に虎プリント。ネコ科属性のキャラには珍しく寡黙でも根暗でもない武闘派キャラというのも尚良し。

あまりにユリオが可愛くてこの回と最終回は5回以上観た。

自分の野望を全く隠さないユリオの登場により、自分の負けず嫌いっぷりを自覚しながらもそれを持て余して悶々とする勇利も可愛い。

そんな2人の個性にそれぞれ真逆のテーマを課して2人をボコボコにしてしまうヴィクトルは案外コーチに向いているのかなーと思いながら観ていた。

 

【第3滑走:僕がエロスでエロスが僕で!?対決!温泉 on ICE】

ヴィクトルのコーチ権を賭けての勝負に向けての練習。

ヴィクトルのお手本演技を集中して目に焼き付けるユリオの眼差しが野心などそっちのけの純粋で真っ直ぐなものなのが一瞬ながら可愛い過ぎる。この表情は滝行の時にも垣間見える。

優子に対してあっという間に心を開いてしまうユリオも可愛い。ネットで「ユーリ  優子」で検索すると「きらい」が候補に出てくるのマジクソウケる。優子はユリオの年相応な可愛さを解放する鍵だと僕は思っているのでその反応は面白かった。これをもって自分がアニメオタクになり切れない理由が分かった気がする。

他人と一緒に風呂に入れるかと息巻いていた癖にあっという間に温泉に一緒に入ってしまうくらいに打ち解けてしまうユリオが可愛い。ツンのままデレている。

「勝てるスキルがあるのに自信がない」という勇利の弱点をこの時点で完全に把握している癖に、ユリオのプログラムへの理解をフィーリングの一言で片付けるヴィクトル。矛盾している様で、各々に合わせた指導方法を選択している気もする。勇利に自信を持たせ、ユリオの自信を折る、というか。

結果としてそれぞれに足りないものを身につけた2人として勇利がユリオに4回転サルコーを教わるというシーンが描かれていた思うので、それを見て微笑むヴィクトルにとってはしてやったりだったのだと思う。

それにしても、ユリオである。

あんだけ負けん気が強く野心的なのに、スケートについては本当に素直。結果発表を待たずして負けを認めて帰ってしまうの最高に可愛過ぎるだろ。

 

【第4滑走:自分を好きになって…完成!!フリープログラム】

フィギュアスケートの採点方式がようやく説明されるのが第4話で、それが自然なのが良い。

勇利の精神的な成長に前コーチのチェレスティーノがほんのりコーチならではの悔しさを滲ませるシーンがキュンとくる。(キャラとしては別に好きじゃないんだけど、あくまで関わった選手を引き続きリスペクトしている姿勢が大人の魅力感があってとても良い)

フリープログラムを勇利がセルフプロデュースすることを優子からのLINE(のようなもの)で知るユリオの描写があり、あ、ここで優子は本当にユリオファンを敵に回したのだなと納得がいく。翻訳アプリかましているのかはさて置き、英語でメッセージを送り、その前に写真まで送りつけているのである。(ユリオの性格上、ユリオのスマホで撮影して相手に送るとは思えない)

この距離の詰め方が許せないのかも知れないが、僕は結局異性なので上手く理解が出来ない。三つ子の娘に藤川球児並の名前を授ける神経をしている女である。そんな事に目くじら立ててたら血管ぶっ千切れて死ぬしかない。既婚で子持ちなのを喜ぶに留めて欲しい、と個人的には思う。

それはそうとユリオがリリアに出会う事で真摯さを学んだ状態で野心に再び火が付くという描写めっちゃ良くないですか?

加えてフリープログラムの楽曲を救いたいと願う(それが過去の自分を救い先に進むという事と捉える)勇利に対して、「過去の自分は死にました、何度でも生まれ変われる人間が強いのです」というリリアの言葉を体現していく(魂をくれてやってでも勝ちに徹する事が先に進むと捉える)ユリオが対照的で、お互いがサラッとだけれどしっかり引き立つのが良かった。

自分の容姿もリリアの教えも全て利用して自分を鍛えるユリオの方が意地らしくて、僕的には好きだ。あと単純にビジュアルも好きだ。

でも、勇利がヴィクトルと培った自信としてフリープログラムの曲を「YURI ON ICE」と命名する所はグッときた。敵ながら(?)天晴れ。

余談ではあるが、勇利がヴィクトルのつむじを指すシーンがあり、それが勇利からヴィクトルへのイチャつき初アプローチだと認識しているんだけど、ここから一気にバカップルめいてくる気がしているし、露出に頼らず関係としてのベタベタへと移行している気がしている。是非ともユリオには頑張って欲しい。

 

【第5滑走:顔まっ赤!!初戦だョ!中四国九州選手権大会】

グランプリシリーズ出場を賭けての代表選として挑んだ中四国九州選手権大会。

勇利のトラウマめいたメンタルの弱さを呆気なく軽減するヴィクトル。

この作品一番の良心と言える南健次郎くんが勇利に対して言い放つ「勇利くんに黒歴史なんか一個もなかです!」「手ェ抜いたら承知せんぞ!」がハイライトの回だと思うんだけど、彼をここまでのびのび育てたコーチが一番スゲーだろ。

どう見ても勇利が頭3つくらい抜けているのだけど、それくらい地力に差があってもプレッシャーに苛まれる自分に対し、純粋に憧れる南くんという存在が眩しくもまた一つ自信の種になったのでは、と見ていて思った。

負けず嫌いな勇利がヴィクトルの指示に背いてプログラム内容を変更してまで表現したかったフリープログラムと、それをグチグチ言いながらも引き込まれていくヴィクトルの描写がたまんない。ヴィクトルに憧れた勇利が気質までヴィクトルに似ているというのが面白い。

会見の宣言は言うまでもなく名シーンだけどユリオ派としてはちょっと癪なので割愛する。

どうでもいいけどこの回のヴィクトル、おでこ光沢あり過ぎだろ。イケメンじゃなかったらコミカルキツいくらいの光り方だぞ。

 

【第6滑走:開幕グランプリシリーズ やっチャイナ!!中国大会SP】

中国大会SPのSPはスペシャルじゃなくてショートプログラムの意だけど、ピチットくんスペシャルの意だと言っても過言ではない。

酔い潰れたコーチを心配しながら写真を撮りまくって挙句半裸のサービスショットをネットにアップしちゃうSNSネイティヴなのに単純に性格が良過ぎるというピチットくんのキャラ強過ぎるだろ。

この辺から顕著な気がするんだけど、キャラクターが増えてもプログラム中はあくまでプログラムがメインで過剰な演出をしないというのがとても好きだ。

ピチットくんの演技をスイッチにしてヴィクトルをコーチに迎えたプレッシャーを乗り越えたハズの勇利が、1位になる事で今度は呆気なく追われる身の重圧に囚われるのが面白過ぎる。

あとクリスの年間スケジュールを徹底したプロっぷりとモザイクでもかけた方が良いんじゃないですか的な開けっぴろげのエロさ、ビジュアルの圧巻の狙い方、それに対しての「氷がびしょ濡れに見える」というコメントが実に素晴らしい。

試合数自体が少ない上にそれを全て描くわけにもいかないという構成上、全キャラの気質を惜しげもなくブチ込んでくるのがこの作品が面白い理由の一つだと思う。登場時間数に対して個性の浸透具合が突き抜けてて本当に凄い。

 

想像以上に長過ぎるので後半に続く。

少しずつ思い出しながら書いているのでいつになるかは不明だけど、こんな仲間の薄い長文が前後編になるのマジ地獄って感じ。

 

またー。