床屋に座って「いつもの」「いつもより短め」「いつもより長め」しか言わなかった自分が何故に美容室に通う様になってどう変わったか。
結論から言えば特に変わらなかった。変わらなかったが、随分と腕の良い方に切って貰えている(らしい)ので「いつもみたいな感じで」と言えば床屋よりもアーティスティックな断面(断面？)に仕上げてくれる。そんな作品を活かせる能力がない為に完全に豚に真珠ではあるが。そんな訳で僕の要求は変わらなかったけれど、提供される物の質が変わった。この違いは大きいかも知れない。
勝手なイメージで美容室というのは、社交性の高い店員とクリエイティブな会話を愉しめる人間にしか門戸が開かれていない世界だと思っていた。これは大変な誤解だった。
若しくは西野カナやEXILEの話に始まり連ドラで俳優が云々、めちゃイケで誰が云々だったり恋愛談義にマジでー凄ーいなどと言う程割引でもあるのかという相槌の生産工場と化すコミュ力道場なのだと思っていた。これもまた、勘違い甚だしい誤解だった。
僕の通う店は妙に大人しい人ばかり、しかもシュールな笑いを追求する客ばかりが辿り着く美容室界の場末の様な店だった。この巡り合わせは運命かも知れない。
かなり静かな店内に響くくるりの東京、そして時折思い出したかの様な微かな笑い声。潰れたらどうしようとヒヤヒヤしている。心配するなと言うのが無理だ。
そんな心配もしつつ、髪が伸びたら通うを繰り返しているうちにファッション誌ではなく、デイリーポータルZの本や生活の知恵みたいな本を持ってこられる様になり、挙句今回はよく解らない90年代の漫画を勧められるに至る。場末の美容室ですら窓際に追い込まれている感のある生粋の床屋遺伝子を僕は持っているのかも知れない。
そんな美容室ライフにおいて、お客さん集めての花見企画があるらしく、誘われてしまいどうして良いか焦った。
友達や友達の友達、先輩後輩ならいざ知らず、ただの客同士での花見という謎ハードル。
「え？アンタ、おいらが視えるのかい？」と自身が人間に視認されている事実を驚く妖精の様な顔で暫く固まっていた。結局、ライブの予定があって断ったのだけれど、仕事絡まないと趣味外で社交性を発揮出来ないというのもいい加減ダサいので、恥かく覚悟で次回何かあれば参加させてくださいとお願いしておいた。
穏やかに晴れ渡った空の下キャッキャウフフのBBQとかだった場合を想定して、今から火おこしの練習でも始めようかなと企んでいる。
何故こんなに必死なんだろう。自分でも謎だ。
長々書いておいてではあるのだけれど、そんな事はどうでも良く、久々にタワレコでCDを買ったので雑感書き逃げたい。地の果てまで。
HAPPY/SUN
アルミホイルに巻かれたデモ音源を売るトロピカルイケメン集団HAPPYがようやくお金が掛かった環境下で録ってくれた音源がタワレコ限定リリースとのことで。
関西圏からはノーキーズやらキドリキドリやらシレっと本格派が飛び出してくるから怖い。東京でも無いのにどこで培われてきたんだろう、なんて事を考えてしまうのはコンプレックスの現れかも。反省。
今作でも温かい北欧っぷりビーチっぷりごちゃ混ぜアフロっぷりのプリップリに陽っぷりが炸裂。
とても気持ちが良く、聴きながら散歩しつつそのまま会社サボってやりたくなる作品。アルバムとか出ないかな？楽しみ！
The Fin/Glowing Red On The Shore
こちらも関西圏から。Twitterで随分推している方がおり、何と無く覚えていたので聴いたらとんでもなく良かったので購入。
柔らかい陽射しの様な浮遊感。ポップにはシューゲと書いてあったけど、こんな拓かれた週末の午後に愛犬のレトリバー連れてビーチに行ってビール飲みたい感じのシューゲなんてあるのかと衝撃。ジャンルに勝手に振り回されている。
毛色的にはHAPPYと同じ括りだと思う。今更感あるけどライブが観てみたい。関西に居ながらにして完全に遅れを取っている自身を叱りたい。
関西の快進撃は今年も続く。それも昨年よりも色々な方向で。凄い楽しい。
BaseBallBear/FUNNY BUNNY
ピロウズのカバーアルバムから、とりあえず一曲購入してみた。そもそも中学生で出会って以降、ピロウズの曲の良さが音楽聴く基準になっている。今回も前作に負けない選曲に、前作のミスチルバンプエルレテナーをリスナーとして通過してきたかも、くらいの世代を抜擢しつつ髭ちゃんや9mm、岡村ちゃんやベボベで土台固めという今作。
試聴した分だと皆ピロウズの解釈というかリスペクトっぷりが素敵。
その中でも特にベボベが素敵だったのでとりあえず買った。
ザラっと書いて月末ハイライトと化してたら詳しく。
またー。
