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性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

生まれて初めて競馬に行った話。

生まれて初めて競馬場に行った。

ギャンブルを禁じられて育った訳でもなかったけれど、周りの友人や大人が誰も嗜んでいなかった為に何となく賭け事をせずに大人になってしまい、結局この歳まで宝くじ以外のギャンブルに身を投じた事がなかった。もしかして名家の生まれで上流の生活に身を置いていたのかと振り返ってみると総中流を先取りした様な環境だった。

それにしても、まさかこの世に徹夜で麻雀をしない大学生や友達と連れ立ってパチンコに行かない大学生が実在するとは思わなかった。我ながら少し勿体無い気もする。

元を辿ればゲームセンターでもゲームをしないでボンヤリと人のプレイだったりデモを眺めている子供だった。やりたいとか上手くなりたいとか一切思わず、上手い人がやってるのを観るのが好きだった。と言うか、食べ物や購入した商品として手元に残らないものに子供の頃からお金を投じてこなかったのが影響しているのではないかと思う。基本的に食い意地がとんでもない子供だった。親にはあらゆる場面で「ちゃんと食べさせてるでしょ!!」と叱られてくる意地汚さだった。確かにしっかり過ぎる程に食べさせて貰っていたのに不思議なものだった。何由来の食い意地だったんだろう。未だに謎だ。

 

そんな自分が競馬へ行くキッカケとなった些細な出来事がある。前に住んでいた地域で行きつけだった居酒屋さんで競馬好きのお爺さんに勧められて興味が湧いたのだ。それでも中々重い腰は上がらず、友達を巻き込むことでようやく行く運びとなった。

 

行くことが決まっても一向にモチベーションの上げ方が解らず、苦肉の策としてブックオフみどりのマキバオーを買いに行ったら1〜3巻までしか売っておらず、とりあえずソレを購入した。マキバオーは連載当時に途中まで集めていたのだけれど親分がアレした(伏せ方が下手くそ)辺りで辛くて読むのをやめた。だからどんなフィナーレを迎えたのか知らない。カスケード強過ぎな。

ついでに競馬新聞を買ったら470円とかして滅茶苦茶高かった。紙質は綺麗だし丈夫だったし、データが尋常じゃなく細かくて、競馬新聞をサラっと読めるお爺さんがスマホの使い方や株や為替の読み方が解らないのは正直どことなく納得いかなかった。お前ら競馬以外でも本気出せよ。高度かつ圧倒的な情報量だったし、あまりに色々書いてあるので逆に何も考えられなくなり、結局語呂合わせで馬券を買う事にした。470円が華麗にドブに捨てられた瞬間だった。

 

今回遊びに行った競馬場は京都の淀競馬場で、駅も綺麗だしそこから巨大な連絡通路が直結となっていて、公園も綺麗だし女性客や若者を取り込もうと講習会やイベントも充実しておりテーマパークの様だった。

パドックで馬を見ると、どの馬も引き締まった身体をしており、気品が漂っており自分よりも運動能力及び知能指数が高い生き物に思え見惚れてしまった。

こんな綺麗な生き物が滅茶苦茶なスピードで駆けるなんてマジかよと思ったし、更にそれの着順を当ててお金が貰えるなんてちょっと意味が解らないというのが率直な感想だった。

友人に教わりマークシート状の購入券を塗りつぶし、機械に入れて馬券を買ってレースを観た。

初めて生で観たレースは、馬が余りに速く、とんでもない迫力で駆け抜けるので自分が買った馬券の番号さえ忘れて観てしまったのだけれど、テンションが滅茶苦茶アガッてしまい、とても興奮した。最後のストレートでの客席の盛り上がりも地響きの様でそれもまた迫力があった。

2度目のレースで買った馬券が単勝で当たり、馬券を機械に通すと買った時より簡単にお金が返ってきた。100円を賭けて260円を手に入れた。

お金が貰えた事よりも、当たった事が嬉しかった。こんなに爽やかなモンかと腑に落ちなかったけど、勝てないレースを重ねるに連れて「あの時1000円賭けてたら2600円になってたのにな」という気持ちが育ち、あぁ、これか、これがギャンブルに堕ちるという奴かとゾッとした。

100円賭けて楽しくやってるくらいが丁度良いと言い聞かせて最後まで100円で通したら、最後のレースで買った三連複があと1枠当てたら100円が2万円以上に化ける所だった。要するにハズレたんだけど、100円でもそんな可能性があるんだから自分は100円でチマチマ遊べば良いのだと納得いった。

競馬場は前方がスタンディングエリアで後方がベンチエリア、芝生のシートエリアもあり更にお金を払えば個室もある。パドックで馬を眺めた人たちが30分おきに開催されるレースに合わせて大移動する様はロックフェスの様だった。あの馬が良い、あの騎手なら勝てるなどレース前から盛り上がって、レースは更にヒートアップする。完全に仕組みとしてはバンドマンカワイイbotのフェスの過ごし方と同じに思えた。なので案外異文化に戸惑うという事もなかった。

レースが芝とダートでほぼ交互に行われる事も2ステージ制の様に感じられたし、フードエリアのフェス飯と完全に一致するメニュー及び価格帯もそれに一役買った気がする。

 

元々、競馬場は治安が悪くアル中とヘビースモーカーがガラガラ声で怒鳴りあっているというイメージがあったのだけれど、別にそんな事は無かった。ひどい酔っ払いもいなかったし、喧嘩してる人もいなかったし、身なりはそこそこキチンとした人が多かったし、女性客も想像の10倍くらいいた。

競馬場に入るのに入場料が掛かると知らなかったんだけど、このたった200円の入場料が効いているのかも知れないと思った。花見の時期に入園料が掛かる万博公園に行くと、無料で花見が出来る他の公園よりもハイソな客層で平和に花見が楽しめるのだけれど、それと同じ事が起こっているのではないかと思った。

ただし、これは場外馬券場の雰囲気も体験しないと結論付け出来ないし、大体僕の想像していた世界が実在するかも解らない。

一方で予想通りというかそれ以上だったのは、馬券や新聞や書き損じのシートなどのゴミはそこら中に捨てるわ、椅子はガラガラかと思いきやどこも全部手荷物で場所取りしてるわ、そこら中の壁際の床に座り込んでテリトリー形成してるわという奔放さだった。

こんなに綺麗なスラム初めて見た!もしくは何この活気のある被災地って感じの衝撃だった。

ただ、無法という訳ではなく、かなり忠実に喫煙区域を守っている事や売店の列に普通に並んでいる事から「言われてない事はやらないだけ」が徹底されているのだと感じた。

治安が悪いと言うよりは、日常的に守っているモラルが通用しないというか無い事になっている世界だと思った。

 

それでもコースの芝が本当に美しく、どの馬も兎に角キラキラして美しかった。それだけで不思議とチャラになる魅力があった。

客層は馬券売り場でひたすら画面を凝視している人たちよりもレースの度に客席に出てきて観戦している人の方がギャンブルというよりエンターテイメントとして楽しんでいる側面が強い気がする。

実際、遊びに来たグループという感じの集団や馬をカメラで撮りたい集団なども沢山いたし、半ばピクニックと化している家族もいた。いや公園いけよ。

色んなものが入り混じり、不思議なエネルギーが轟々と渦巻く空間だったせいか、帰ったら疲れがドッと出て爆睡してしまった。刺激が強かった。

2年に1回くらいは遊びに行きたいなと思った。 

 

 またー。