性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

ムーミンのお勧めタイトル書いてみた。

ムーミンが好きと言うと「はいはいサブカル乙〜」みたいな感じになるのが納得いかない。
ムーミンはガチの児童文学であり、同時に社会風刺が込められているという意味においてお前らが大好きだと宣うジブリと同じだから!と声を大にした所で負け犬の遠吠え感もあるので、今日はそういうサブカル叩き厨そして温泉地に来て足湯にしか浸からないレベルのファッションとしてのムーミン道を突き進むサブカル層に対しても、ムーミンがどんなものであるかを僕の認識をザックリ教えてやりたい。ムーミンは厳しい。そしてムーミンは面白い。
ムーミンはオルタナでムーミンはシューゲでムーミンは最高だ。
個人の見解なので物凄く偏った内容になる為、興味を持った方は百聞は一見に如かず。一冊くらい読んでみることをお勧めする。

<ムーミン主要キャラ>
愛すべき主人公。
性格は非常に優しいものの、小さい事をクヨクヨ悩む上にビビりで自分に自信がないけど自惚れやでもある、完全に2ch的な表現を使うと「お前ら」な性格だから感情移入しやすいんじゃないでしょうかね?と思うんだけど周囲ではあまり人気がない。同族嫌悪?
異なる文化や性格の持ち主を理解しようと努める健気さと何者をも受け入れられる大らかさも兼ね備えている。
ただしウェルカムモード発揮するまでに葛藤もあり金田一耕助が犯人に辿り着くまでに結構な被害者が出ているタイプのヤキモキ感を提供してくれる。
また、優し過ぎて傷付けられても何にも言えないシャイボーイ。
しかし友達の為、家族の為に発揮される勇気は本当に愛おしい。尊敬に値する味わい深い主人公。

アニメに慣れ親しんだ人には意外だろうけれど、ムーミンパパはこの作品の中で一番パンクで常人には理解できない思考回路を搭載している。
原作のアクの強さは八割方パパが発生源であると僕は睨んでいる。端的に言うと冒険者やヒッピーというよりDQN。友達も軒並み悪友で類は友を呼ぶ、スライムは仲間を呼んだという塩梅。
迷言を振り回しつつも何だかんだ家族に言うことを聞かせてしまうプライベートはクズなやり手営業マンのような人物。
家に訪れた客人は全員が大事なお客様という大らかさと何でも冒険的な視点を見出して楽しんでしまう人生の先輩。彼のように人生が送れたらストレスという言葉は不要になると思うし、全人類がこの性格だと地球は滅びる。

ムーミンの優しさは完全にママ譲りで、息子や夫を想い、立てる事と誰にでも驚くべき程優しい懐の持ち主。ジャムを筆頭に料理を作るのが得意で、孤島に住んだ際には自分のお気に入りの居住空間を作ろうとTOKIOばりのDIY精神を発揮する何でも出来るハイスペックキャラ。
ただムーミンパパに負けじの頑固さもあり、気付けば全員がママの掌で踊っているパターンもしばしば。
誰からも愛されて誰からも甘えられているムーミン谷の太陽の様な存在。
ハンドバッグをとても大切にしている。

ミイ
サブカル女子に可愛いと評判のミイはある意味一番ロックなキャラクター。
自分に素直な性格のミムラ族の中でも突出した問題児で自由に生きる事の天才。
頭の回転がズバ抜けて早く、兎に角先制攻撃に先制口撃。
気に食わない事は怒るし、そこには別に愛があるとかでもなく単純に気に食わないからという生粋のファイター。
多分ラップバトル仕込んだら全世界が彼女の前に平伏すと思う。
ミイにとって自分の感情は何よりも正しい。その姿勢が結果的にムーミンを成長させたり誰かを救ったりする。
自分が正しいと思えば他の生物を殺すし、体格差やステータスが絶望的に届かないチートキャラにも躊躇いなく攻撃を仕掛けようとする危なっかしい面も。

サブカル女子に一目置かれている自由を愛するキャラクター。春から夏に掛けて出てくるので春から準備して夏に動きが本格化するTUBEの様な人物であると思ってもらえると良い。
ムーミンの優しさを誰より理解し、その脆さすらも愛する憧れを抱かずにはいられない素敵な性格。
ミイと同じ様自由を愛するけれど、面倒ぶっても困っている人は助けてしまう胸キュンな一面も。子供やドラゴンなどありとあらゆる生物に好かれがちだけどいつも面倒そうな素振りを見せるラノベ主人公のようなお方。
ミイとは親戚にあたるので、自由を愛し自分を愛する所に共通点を感じる。

スノークの女の子
アニメでフローレンと呼ばれているムーミンのガールフレンド。恋バナが好き過ぎてウケる。
ムーミンコミックスではしょっちゅうムーミン以外と付き合ってはダメンズばっか掴んで失敗しているスイーツOL感が漂うものの、コンプレックスに闘いを挑む意地らしい姿がとても女の子でさいこうー。
原作はアニメに比べると影及び登場頻度は低い。昭和版ムーミンではノンノンという名前をつけられ原作者から怒られた。

トゥーティッキ
別名おしゃまさん。
秋や冬になると活動が活発になる、スナフキンがTUBEならこっちは広瀬香美の様な存在。淡々とした物言いとあまり感情を表に出さない知的キャラではあるものの、突然破壊衝動を発揮したりとなかなかカオスな存在。
一方、やっかいごとを抱えた存在や表舞台に出てこようとしない存在たちを支え、積極的に彼らの問題を解決しようとする心優しい面もある。
ただし治療法が大体「そっと保護する」か「ムーミンの家に押し付ける」なのが玉に瑕。僕の推しメン。

スニフ
臆病で卑屈な部分はムーミンよりも根深いものの、コミックス版では商魂逞しいギャグ要員を率先してこなしてくれる愛おしい存在。皆が真っ先に思い浮かべる「ムーミン谷の彗星」は主役級の活躍というか、もう主役ではないだろうかという次元のひたむきさと活躍を見せる。
小説とコミックス版がドラえもんのTVと映画のジャイアンくらい扱いが違う気がするバラエティーに富んだキャラ。好き。

モッラ
モランとも呼ばれる。淋しさの象徴の様なキャラクターで、彼女の通った後には草も生えないというRPGボス級のキャラクター。何もしないけれど皆に恐れられている存在で、光に引き寄せられて姿を見せたりする。愛し愛され生きるのさ系の象徴ムーミンママの対極の存在で、愛さず愛されずの象徴である彼女が関わる話を読むと誰か彼女を救ってくれないか、という気持ちになってしまうし、何かしらの呪いに掛かっていて解けたら美少女がみたいな謎の妄想まで捗る(がそんな設定ありません)物語をピリっと締める重要なキャラ。

ニョロニョロ
植物みたいな生まれ方をして電気発するポケモンみたいなやつ。いつもあの姿と動きでうなぎみたいにヌメヌメだったらどうしようと怯えている。美味しくはなさそう。(食べまれません)

恐らく登場頻度が高めなキャラクターはこれくらいだと思う。
ここまで書いておいて何だけど、詳しい紹介はコチラを参照下さい。
ネットって凄いなぁ。

全作品を紹介しても良いのだけれど、流石に長過ぎるので今回は読みやすい入門編と一番難易度の高い作品をサラッと紹介して終わりにしたい。
基本的に全作品の構造としては「変わった客がくる(ツンデレ及び自由人多め)→戸惑う→打ち解けて問題解決」みたいな流れで、そのキャラクターも皆拘りが強くて可愛いので気になる方は全部読んで欲しい。

<読みやすい入門編としてオススメ>
・たのしいムーミン一家
テレビアニメが一番キャラ作りの元にしている様に感じる作品。
乗っけから魔物の帽子でムーミンが醜い姿に変わってしまったり、ニョロニョロの習性に狂気的なものを感じたり出来る。
ムーミンママの大らかさが尋常で無く、その大らかさが最終的に全ての問題を解決に導くテンポ良く読める作品。
ただし、歪んだ部分は歪んだままで丸っと愛されて肯定されてしまっているので、そういうのがあまり好きではない人にはそもそもムーミンというものがオススメ出来ない。アナと雪の女王の「ありの〜ままの〜」が大好きなお前らのソレが本気なのか上辺なのかが試されると思うよ。

ムーミン谷の冬
冬の最中に冬眠から目覚めてしまったムーミンの奮闘記。
ムーミンの優しさ、そして優しさ故に板挟みになってしまう所が何とも愛おしい作品。
ご先祖様との邂逅を筆頭に、オオカミに憧れるメソメソの姿に胸が締め付けられたり、内気なサロメちゃんという女の子が空気読まないヘムレンさんに憧れる姿などキュンキュンポイントが多めの作品。
僕の推しメンのトゥーティッキも出ています。僕の推しメンのトゥーティッキも出ています。(大事なことなので2回言いました)

ムーミン谷の仲間たち
入門編というには難しいモブキャラにスポットを当てた短編集なのだけれど、この作品に収められている目に見えない女の子ニンニの話は傑作だと思っているので挙げたい。自分を押し殺してしまうニンニへの自分に素直なミイの攻撃的な言葉が素晴らしく好きで、ミイは彼女を救いたいなんて微塵も思ってない所が魅力で、だからこそ突き動かされる何かがあるな、と。そしてそれを包み込むムーミンママの愛。偉大かよ。

<割と難易度が高い作品>
ムーミンパパ海へ行く
ムーミン一家が灯台のある島へ移住する作品。スナフキンスノークのお嬢さんもスニフすらもいないという難易度の高い核家族モノ。
ムーミンパパの偏屈さと冒険者的発想に終始振り回されっぱなしという読感の作品で、免疫の無い人が読むと終始イライラしそうなのでハマった人にしかオススメ出来ない。ミイの残酷なまでの優先順位の付け方や歯車が狂い出すムーミンママの姿など、読者の人間が根底に抱える問題が次々晒されて突きつけられる気がするヘヴィな作品。
とりあえず「ムーミンパパの思い出」を読んで彼の人格形成の軌跡を辿った後でトライする事をお勧めしたい。

と、大変長くなったけれど軽く紹介すると僕にとってムーミンはこういう作品で。
ムーミンの家族だけど個を尊重する感じだったり、誰がどんな性格で面倒臭くてもそこが良いんじゃんって受け入れていく様に多分人生単位で影響を受けている気がするし、何と無く性格が悪そうな所もムーミンによるところが大きい気もするので情操教育に向いてるかと言われるとちょっとコメント差し控えさせて頂きますだけど、面白いんだよなーと。
全作品の感想もいつか書きたいなーとか思いつつ。

またー。