性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

マイナスも全て連れてパーティーを目指して飛ぶAFRICAEMOというバンドについて。

そのパーティー感が年に数回必ず恋しくなる活動休止中のアーティストがいて、恋しい周期に突入している。
そんな気持ちにさせる現在絶賛活動休止中の彼らの名前はAFRICAEMO。アフリカとエモをいっぺんに名乗る通りのファンキーさとエモさを軸に、シニカルもシリアスなんかの条件反射的に踊れない感情も全部ダンスに直結出来てしまうのが彼等の魅力だと思っている。
ジャンル的には何処に置いて良いのか全然解らなくて、エレクトロだかヒップホップだかオルタナだか定まる必要もなく、group_inou程インディペンデントな風合いでもないせいか人懐っこくて本能的に楽しさが先に立つ考えるな感じろ!な楽曲でありながら詩的で深い歌詞がぐるんぐるん反芻されて酔っ払ってしまう。そんな彼等の作品についての雑感をダラダラっと書いてしまいたい。他のリリースがある可能性もあるけど、とりあえず持ってるものだけ。

At Lunch Time
デモ盤。初めて観たライブで購入。
テクニカルで深い言葉のマシンガンのキラーチューン「Bird」から始まる本作はパーティーと言うよりはダークサイドまで含めて業が渦巻く滝壺みたいな作品で、続く「After The Millennium」や「1=100」では深みのあるギターに甲高くファストなラップが乗ってジャングルだったり都市だったりごちゃ混ぜになったカオスが炸裂してて面白い。ラスト「The Day Before Yesterday And Yesterday」のアフリカンな導入から切々と焦燥感が広がる様は壮観。硬質なギターと手数の多いドラムがめちゃくちゃかっこ良くて、そこから不穏にコーラスを重ねて終わる鳥肌仕様。


Squatter
残響レコードからの待望の流通デビュー盤。
残響らしからぬパーティー感と残響らしいオルタナシューゲごちゃ混ぜ具合。
リード曲の再レコ「Bird」はダイナミックに、かつサビの盛り上がり所が完全に作り直されていてよりフィジカル強化で快走という具合。長友みたいなゴツゴツした直進っぷりへと変貌を遂げてテンションぶち上がり。
「Summer Of New York」では街の熱気に踊り狂って、降り出した夏の雨に打たれた爽快感が凄まじくカッコ良い。この曲で踊らないとか無理。
ただ早いだけじゃないベースのグルーヴを軸にズンズン来る「U Make Me Krazy」、「Logbook 23rd Dec.」や「Curfew」の妙なシニカルさを経て怒涛の勢い「Lazer Beam」の全部捨て去って突き抜ける衝動へ繋がる面白さ。コーラスがサイレンの様で、そこを更にハイトーンなボーカルが煽るという手のつけられないテンションで本編が終わるのが最高に楽しい。
そこからラスト二曲がリミックスなのだけれど、オマケ感はゼロ。アレンジというよりは別解釈。自信作を遊び尽くしたい、という気概を感じる微笑ましい存在感。

Power Of The City
前作に比べると都市型に発展した2ndアルバム。エレクトロ色の強い「City Boy,City Girl」や「Dance & Touch」は周囲でテレフォンズと同じアプローチと受け止められていたのだけれど、個人的にはニヒルで建設的なのに根っこから突き上げる様なノリがより鋭くなっていて嬉しかった。「After the Millennium」の再録のデモから更に深くなった闇とむわっとした空気感がそれを確信させてくれたし、「Cheers!」の速いんだけどどこかノスタルジックで切ない響きは独特でなかなか体感出来ない空気だと思う。「Yes! Today」はデモ盤の「The day before〜」焦燥感たっぷりの歌詞をそのまま使ってピースフルな曲へ変貌させた名曲。
「Night Man」や「Make Me Muscle」という字面からしてマッチョな曲もあったりとかなりバラエティ豊かなアルバムで、最後は前作に比べて人力でなく電子色が強い事を再認識させられるシンセが強い「Kiss You」でシメ。メンバー脱退などの影響もあってだと思うのだけれど、これまでの原始的な勢いを逆手に取った様な対照的な作品で1stと交互に聴くととても面白い。
ライブもモバイルセット編成だったりとフィジカルを活かした表現から随分様変わりしてる部分もあって新鮮だった。
唯一残念なのが大好きなドラムがギターシンセにパートチェンジしてしまった事。それはそれで面白かったけどドラムの好き度は変えられなかった。

Commercialism
術ノ穴のコンピで発表された完全にモバイルセット向きな曲。
社会への憤りをここまで直接的にぶちまけた楽曲は他に無かった、くらい強い言葉を選んで投げかけるメッセージの強さ。起きろ、歩け、走れ、歌え、と何度も呼びかける楽曲。
これを最後に(多分)活動休止中が継続しているのが何とも重みがあるというか切なさがある。

基本的にテンションの高さが凄まじいのだけれど冷静な感覚な所だったり、勢いに反して問うと説くの両方で読める歌詞が大好きだし、何よりライブが素晴らしく良いのでいつかまた観たい。
活動再開してくれないかなーと思うのと同時に最後のリリースがパーティーからメッセージへと舵を切っているのでどうなっていくんだろうというワクワク感もありつつその日を待っている。

またー。