性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

2014.10.03 大森靖子(& THEピンクトカレフ)を観てきました。(@東京キネマ倶楽部)

エイベックスの大森さんのイメージを守ることと攻めて出る姿勢の絶妙な所が「きゅるきゅる」だったんだろうな、と勝手に思っている。似てもいない椎名林檎(それだけ林檎さんが偉大である、と言う意味で悪意は無い)と比べられる部分から少しズラした上に、大森さんのアイドルに造詣が深い部分だったり個性がガツンとアピール出来る一手だったんじゃないか。好きな人、知っている人とは違う、何も知らずにいきなり「新人さん」として大森さんを受け取る人へ、これ以上ないスタートだと思う。徐々に色々な面を解禁して行ってくれるのでは、と言う期待感があるし、大森さんが次世代の基準になったら素敵だなとワクワクしている。知ったかぶりしている人に「大森靖子っぽいよね」とか言われる、みたいな時代が来ると良いな。

それにしても大森靖子さんである。まず最強に魅力的な主人公兼ヒロインとして大森さんがいて、年上の貫禄絶対少女バンド、同世代の勢いピンクトカレフが大森さんとのベストカップルを競うこの少女漫画展開。来来来チームはフラっと帰ってきて男勢を焦らせた挙句特に何もなく去って行く海外在住の幼馴染みたいな存在だな、と思っている。推しはピントカです。なので、キネマ2Daysのピントカが出演する二日目に行ってきました。道中は、増田ぴろよさんが装飾に携わっているということで、響きから直感でこの本を選んだ。エグくて甘い。

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2014.10.03@東京キネマ倶楽部

物販で色々考えてハンカチを買った。

あまりの衝撃でライブの雑感が大体言葉にならないからここからは手短に。

ステージ装飾は増田ぴろよさん。八丈島の装飾も手掛けられていて、行けなかった身として八丈島が羨ましかったのでキネマのモダンな空間を欲望で綺麗に染め抜いてくれているのを観れた事が嬉しかった。

ライブはピントカからスタート。一曲目の「あまい」 がエグみのあるピンクにジワジワ浸透していく感覚。ピントカの「君と映画」は映画というより連ドラみたいな感触。「最終公演」の飛んだり跳ねたりする気持ちから「背中のジッパー」のダイナミックさ。高野さんの切々としたイントロから始まる「over the party」は小森くんを軸にズダンと通した周囲をクルクル回る高野さんの感情を引っ掻くギターという基本構図と違う緊迫感があって本当に好きだ。あのイントロのギターは高野さんの為にあるんじゃないかと錯覚してしまう。キティの皆さんが配ってくれたサイリウムが綺麗だった「ミッドナイト清純異性交遊」は鍵盤にオワリカラのカメダくん。オワリカラと違って個性的で音の数が多いピントカの中でしっかりスペース見つけて印象的なフレーズ弾くから凄い。観てて職人技に感動。オワリカラとは全く違う表現ばかりで益々彼が好きになった。

凄まじくテンションが上がる「新宿」は東京で聴くのが一番好きで、ピントカが一番好きで、そこから「絶対彼女」「きゅるきゅる」「デートはやめよう」の大森さん可愛い無双。絶対彼女の大森さんが歌う少女を聴いていると、女の子っていいなと思うし羨ましさというか、でもそれって男の消費としてのみたいなものを内包しまくってる気がしてあーあーあーとなる。「きゅるきゅる」をバンドで聴いたのは初めてだったので、これが生で表現出来るのかと爆笑してしまった。後半の凄み。大森さんのすごい速さなのにバチバチ感情が浮き沈みする歌のエネルギーが死ぬほど楽しかった。地獄かここは。東京キネマ倶楽部に響く「少女3号」の歌謡曲っぽいホール、ラウンジに似合う音の甘い所に縋る様な儚さから「あたし天使の堪忍袋」のズタズタで瀬戸際の鬼気迫る歌のストーリー性に涙腺が緩んだけど、あーあーあーの大合唱が最高でひっこんだ。少女3号のうしくんのドラムめちゃくちゃ良かった。菩薩か。堪忍袋で高野さん投げキッス。カービィおじさんにはキスじゃなくてキッスが似合う。ピントカのラストは「hayatochiri」はイントロで泣ける。全員何も言えないくらいカッコイイ。ピントカで一番好きな曲。高野ー!小森ー!って交互にずっと叫びたかった。

そこから大森さんのソロへ。裏に全部書いてある、と歌う「裏」から始まったのが切なくて、「ハンドメイドホーム」の生活感「パーティードレス」のほんの少しの背徳感、「音楽を捨てよ、そして音楽へ」の音楽は魔法ではないと連呼する姿、ノスタルジーに中指立ててファンタジーを始める大森さんはやっぱり魔法だと思った。ドラグスレイブ。「ノスタルジックJ-POP」のED感を経て、本編ラストは「夏果て」。曲間に新手の性犯罪が起こったらその手の企画AVがないから起こるんだ、想像力を働かせて行きたいみたいな事を言っていてステージの装飾がグンと肉体的な躍動感をもって包み込んでくる感覚が綺麗だった。

アンコールは大森さんの深くて重いピアノからの「KITTY'S BLUES」大内さんのベースがまるで心臓の音みたいにドクンドクン鳴る度に増す緊張感。見える?ホラ、心臓動いてるでしょ?みたいな、大内さんのベースじゃないとダメだろこれは。大森さんを好きになったキッカケの曲だからか聴くと毎回ハッとしてしまう。そこから「歌謡曲」の大森さんの静かに始まってどんどん突き抜けていく歌、それに寄り添うみたいに熱量を増していくピントカの演奏が天井知らずにグングン伸びていって何処までいくんだと思っていたけど途中から神々しくて何てものを観てるんだろうって気持ちよくなってきて言葉にするの無理だわというレベルの幸福感に圧倒された。大森さんのガッツポーズが思い出す度に鳥肌立つくらいカッコ良かった。

ダブルアンコールは増田ぴろよさんの小森くんに対する劣情をガツガツと綴った手紙の朗読。切々と、とか言うには余りにも身を削った血が滲む様な、実際滲んでいたらしいけど、そんな手紙で。昔好きだった男に似ているという節から始まって、ロックンロールは男の甘え、現代アートは女の甘えという言葉が深々と刺さって(ロックンロールは男の甘えという言葉を聴いてカービィおじさんと大差ないなっていうか、ロックスターもただの男というか、受け入れて甘やかしてくれる存在あってのなんだなと感じてそれがたまらなく愛おしくまた親しみを覚えて尚更憧れに繋がった)、ロックスターだろ、賠償金が怖くてどうする、私というマーシャルを掻き鳴らしてみろ、口説いてみせろ、気付いていますか?家族写真の私の隣にいるのはあなたです、エイベックスにお金を貰って表現、私と小森さんの接点は大森さん、大森さんは神様、私って可哀想、私って可哀想という言葉は男受けはいいけど女受けは最悪、みたいな事がバンバン血判押すみたいに綴られてて、私って可哀想って言葉の受け取り方は色々あると思うんだけど、僕は自分でハッキリ言うのは凄いというか、言われるのを待っているのが卑怯だなって思ったし、普通でありたい普通で満足したいけど構われたいって自意識で不健康にブクブク太った思考回路(でも普通って何だろうねそこからもって卑怯だと思う)ガンガン殴られてる気がしてそうだ、そうだって思って、増田さんの小森くんに対する禍々しいまでの欲望、増田さんが観てきたこれまで、増田さんが観てきたロックンローラー森清貴。地獄、地獄、地獄。何だろうこれ。何だろうでも凄い泣けると思って泣いてたら隣のおっさんめちゃくちゃ退いてたけど視線うるせえ目の前にある地獄の美しさにちょっとしたアクセントだよザマーミロっていうかよくもまあ目を逸らせますね、この文脈で泣ける僕はどんな地獄を内包してるんだろうとか思ってたら増田さんがリフトされて花束持って小森くんの所に辿り着いてちょっと意味わからないくらい爆笑しながら泣いた。花束を受け取って生命力に満ちた強烈に燃えるギターを弾く小森くんが一言「生きて下さい」と応えた瞬間、あのピンクのデロデロしたステージが全部消化?昇華?されてめちゃくちゃ優しくて愛おしくなった。正しい享受の仕方だったか解らないけど、増田さんの魂が本当に美しかったし、小森清貴というロックスターが本当に男らしかった。神話だ。ラブレター。

その光景を全部見ていた、全部許した大森靖子さんは増田さんが言う様に増田さんと小森くんの神様だし、あんなに圧倒的な表現者で、いつも何かをくれて爪痕を残していく大森さんは確かにあの場にいた皆の神様になるのかも知れないな、と思った。今はカルトでいい。今は。

何だこれ。大森さん全編凄過ぎてちょっと書ける言葉が見つからなかった。来て良かった。またいつか東京に観にこれる様に頑張って働こうと思った。夜の歌舞伎町を突っ切ってホテルへ行ったギラギラ、ホテルのエントランスに木彫りの熊、早朝忙しく後片付けする清掃車、ホテルのバスタオル生乾きで精液みたいな臭いするんですけど、無駄だよザーメン、今日もまた地獄から地獄へ。

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見て、この世で一番素直なハート。

またー。