性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

あの日は、サイリウムが輝く大安だった。

最近考えた事、二つ。

こないだのワンマンで、ライブハウスのゴミ箱にサイリウムを捨てて帰っていた人が多くて驚いた。
家庭と違って店だからゴミの分別は収集業者が、という割切りではなく単純に普通のゴミではないという事実を知らないのではないかと思う。
サイリウムの販売元ですら国が自治体ごとに分別バラバラなせいで「各自治体の規則に倣って」としか書けない現実。そもそも確かにそこまで世間一般に浸透している物でもないから配慮してくれっていうのが難しい気がする。
基本的には燃えないゴミとして処理すべきだと思う。
よって、そこらへんのゴミ箱に捨てるというのは違う。
今回のワンマンで配られたサイリウムには、ファンが愛情と同時にマナー伝達の想いを込めて「捨てずに持ち帰って」と丁寧に注意書きを添えていてくれたのに、それでもやっぱり読まない人は読まないし、理由が元々わかりにくいから捨てちゃう人は沢山いたのだと思う。
お得意のマイナス思考をフル稼働させると、処分方法の厳格化に伴いサイリウム禁止をアナウンスするハコが出てきても何ら不思議じゃない。
楽しさを共有するなら、知っておかないといけないこともある気がする。どうやったら浸透するんだろうか。難しい。
これは何で捨てるんだよ!!って怒るんじゃなく、どうやったら皆が知るに至るのかを考える類の問題だと思う。Facebookの匿名性の薄らいだ横の繋がりとか、Twitterの妙な連帯感にドップリ浸かってる人が多い界隈だと思うだけに、広まったら早そうな気がするんだけどなぁ。優しい人が個人で回収したとして、量が多くなったら産廃みたいな扱いになってお金取られたりしないか心配したりしてしまう。この辺はただの妄想なのだけれど。
僕は単純に記念に持って帰ったら良いのになぁ、と思うのだけれど。
僕がヤーヤー言ってて腹立つ人もいるだろうけど、販売元もこう言ってるので、参考までに。

あとは、辻村深月さんの「本日は大安なり」を読んだ。
辻村さんの物語は、ライトノベルばりのスペックのキャラクターが重戦車の様に物語を突き進むものと、ハートフルな現代ファンタジーの様な物があり、読む際の気分は選ぶものの、どの作品も面白く読んでいる。
唯一、別の作品のキャラクターがしれっと出てくる以外は楽しめている。辻村作品の醍醐味のハズなのに、作品ごとの括りしか出来ず、あのキャラか!とか思えず人に言われていつも気付くフリをするけど、実際覚えてない。話は覚えているのに。
本日は大安なりは結婚式場の話で、それを読みながら自分の結婚式を思い出した。

ハイライトは何と言ってもお色直しの関係で自分一人が高砂に取り残された際にメインディッシュが登場し、誰もこっちの相手をしてくれず途方に暮れた五分間(ビール注ぎに行って時間潰そうとしたら「段取りがあるので座っててください」みたいな事をやんわり言われて最終的にテーブルの花の花弁の数えてた)と、自分で書いた癖に挨拶の漢字が読めなかった父親だろう。(汚くて読めなかったのでなく、自分で書いたのに読み方をど忘れしたとの事らしかった。しっかりしろ。血を感じて泣ける)
何故か晴れの日に天性の空気である片鱗を覗かせた挙句、父親にトラウマを植え付ける事となってしまったけれど、それでも結婚式というのは終わってみれば良いものだった。

BGMに並々ならぬこだわりを見せ、プランナーの方々には高く評価頂いたものの、世間的にはマイナーなバンドで固めたプレイリストに親戚一同かなり戸惑った様子。世間様に祝って貰いたい程の自信もなく親戚オンリーの式にした唯一の弊害だと言える。
タキシードとドレスなのに赤いパーカーと連呼するserial TV dramaの「赤いパーカー」で入場したり、教会爆音ロックンロールなオワリカラ「おいでシスター」で退場するなど、何がどうプロの評価を得たのか未だに解らないけれど、特に音響担当からは面識もないのにお褒めの言葉を伝言で頂いたりと満更でもない気分だった記憶がある。

そんなノリノリにも見える僕ではあるが、結婚式を最初からしたかったかと問われると全然NOだった。全然NOだったわ。やりたくなかった。
でも、奥さんが喜んでくれるし。あと親とか。特に奥さんの親とか喜ぶし、などと考えて結局見たこともない額のお金を振り込んだ。当時はお金が掛かる事への怯えがあったけれど、終わってみれば損などほぼしていない事に気付く。
冷静になれば、結婚式なんて回収率がずば抜けて高い自主企画ワンマンの様なものだから、ちょっと背伸びするくらいなら経済的な心配をする必要はほぼ無い。(親戚の旅費以外は)
親戚縛りがあると客単価最低3万とかな訳で、とんだフジロックだな。
最低な事をつらつら書き綴っているけれど、心の底から感謝はしている。当然ながら。

ここまでの表現を後ろ向きな言動に取られているかも知れないけれど、素直じゃないだけで蔑む意図は微塵もない。
むしら自分で式の準備をしてみると、プランナーになってみたいな、という憧れを抱いたりした。
僕たちに付いてくれたプランナーの方は、式の最中号泣しており、たまたま奥さんの親戚にいた同業者に「あんなに泣くプランナー見たことない」と言われる程の号泣っぷりで、どう考えても奥さんと奥さんのお母さんの次に泣いていたのは彼女で、なんて言うか最後の挨拶しなきゃならないのに面白くなってしまって笑そうだった。毎回そんだけ泣いてたらポカリ手放せないだろ、くらい泣いてた。イオン欠乏するんじゃないかと心配になった。
そういう当たり前に感情移入しくれる人だったから憧れたのかも知れない。凄く大変だけど、やり甲斐ある仕事なんだろうな、と思った。
彼女は僕らの式の後しばらくして転職し、今はパンケーキを焼いてるらしい。華やかに見えて実に厳しい世界だ。
冷静に考えれば高額商品にして一生に一度の買い物だ。相当ゴリゴリくるお客さんもいるだろう。僕の精神が耐えられる気は微塵もしない。尊い仕事だと思う。

などなど、書き始めると喉から出かかっている思い出という名のシュールな記憶はいくらでもあるのだけれど、ウェディング業界の評価の足をジワジワ引っ張る言動は慎むべきだと思うのでこのへんにしとこうと思う。
続きは居酒屋で。

結婚式をすべきかどうか後輩などに聞かれる事がある。これらの理由も含め「面倒だけどやっといても良いんじゃないか」といつも答えている。
だって、やってもやらなくても円満な家庭は円満だし、険悪な家庭は険悪な事に変わりない。だったら、どっちにしたって華やかなスタートが思い出にあった方が良い気がする。それだけなんだけど。

またー。

本日の小説
結婚式で心に傷を負いながらもウェディングプランナーとして仕事をこなす主人公と、それぞれに厄介な思惑を秘めた複数の結婚式の駆け引き...的な話。めちゃくちゃ読みやすいので日頃本読まない女子大生やOLなんかにオススメ。

本日のBGM
serial TV drama/赤いパーカー
結婚式で流したけど当然誰も赤いパーカー着てなかった。