性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

オモチャの心の声にモヤモヤする感じの話。

レイトショーで「トイ・ストーリー4」を観た。非常に悶々とする内容であったので、ネタバレをしながら感想を書きたい。

普段は全くネタバレせずに無意味極まりない雑感を述べて文字数を稼ぎまくっているので、中身に触れる文章が書けるのか不安ではあるんだけれど、自身をスッキリさせる為に書きたい。

とは言え、ここから突然書き始めるとネタバレ絶対許さない勢の方に不快感を与えてしまうので、特に意味のない話を間に挟んでから感想を書き始めようと思う。

ブラウザバック、スクロール避けの配慮だと認識頂き、ネタバレを望まない方にはここでお別れを告げたい。わざわざ来て頂いてありがとうございました。何のお構いも出来ませんで申し訳なーい。

 

先日、終電を下車し、予約したチケット料金の払い込みをしようとコンビニに立ち寄ったんだけど、入り口から離れた喫煙スペースに男の人がグッタリと、足を投げ出して座り込んでいるのが目に入ってビビってしまった。

時間は1時前、周囲に誰もおらず(店員さんは中にいるけど)、具合が悪かったらどうしようと思いながらも絡まれがちな人種なのでトラブルに発展したら怖いしで躊躇っていたんだけど、思い切って「大丈夫ですか?具合悪いんですか?」と声を掛けた。

そしたら大学生っぽくて、酔い潰れている風で呻いていて、とりあえずいざとなったらダッシュで逃げ切れそうだなと判断して「もう電車ないですけど家帰れます?」って聞いたら「歩いて帰れます…」って返事が返ってきて、それは良かったんだけどそもそも歩けなさそうだったのでちょっと面白くなってしまった。

「買い物いくけど水いります?」と聞くと欲しいと言うので「ちゃんとお金払ってくださいね」と言って、チケットの払い込みをしたついでに水を買って戻ったら、その間に準備していたのか震える手で100円玉を差し出してきて笑ってしまった。

受け取りが済んだから帰ろうと思ったら、急に「あ、消費税…消費税を…」と律儀なことを言いながら震える手で財布を引っ張り出すので声を出して笑ってしまって申し訳なかった。

もういいから飲んで休憩してちゃんと帰るように告げて別れたんだけど、彼はちゃんと帰れたんだろうか。

とりあえず悪い人じゃなさそうだったので良かった。何にも覚えてないだろうけど、その人の良さを失わないで欲しいなーとボンヤリ思った。

そして僕は払って貰った100円をポケットに入れたつもりが落としてしまった様で、ただ見知らぬ酔っ払いに100円課金しただけの男に成り下がってしまって詰めが甘いな…という感じであった。オチとしては弱いけれど現実世界、こんなもんよな。

 

さて、これだけ無意味な話を間に挟めば読みたくない方の目に内容が触れることもないだろうから思いついた順でざざーっと書いていきたい。以下、トイ・ストーリーの雑感。

 

【ウッディの心の声について】

これが一番キツかったんだけど、ウッディがボニーの元を離れて自由に生きるという選択をしたのが納得いくところと出来ない所が混在してて滅茶苦茶しんどかった。

アンディの元で野球でいうと4番でエース投手として存在してきたウッディは、ボニーへ引き継がれても暫く4番でエースとして活躍し、皆の中心にいた。

それが徐々に序列が落ちて今では週に3回の登板という状態になった事への困惑と、そんな自分でも周囲を纏めなければという正義感の板挟みで滅茶苦茶悩み苦しんでいる。

周りで彼を慰めるオモチャたちはウッディの様にエース格を経験していない為に彼の心情を正しく理解することは出来ない。

子供の側にいて支え励ますことが存在意義と言っていたはずのウッディは最終的にボニーの元を去るという決断を下す。

ボー・ピープが言う自由な世界を見たいという方に心惹かれるという描写が若干弱いので、どちらかと言うと「またアンディやボニーの様に自分を絶対的に必要としてくれる支え甲斐のある相手を探死に行こう」という感じなのかなと個人的には感じている。

自身に搭載されていたボイスボックスを譲ったギャビー・ギャビーが迷子を励まし、貰われていったのを目の当たりにしており、そっちへ振り切れたのでは、と。

ボニーにとって自分が必要ないとはウッディ自身、勿論思っていないと思うんだけれど、自身の待遇というかポジションに耐えかねたのもあると思う。週の半分は出番があるのに。大半のオモチャからすると贅沢な悩みかも知れない。

いつかのアンディやボニーの様に、ギャビー・ギャビーの様に必要とされる誰かと出会うまで自由な世界を見ながらオモチャたちを子供達の元へ解放して回ろう、というオチなのかな、と思う。これまでの3作品を経て、持ち主である子供をどんな困難に直面しても最優先にしてきたウッディが自分を最優先に据えたこの4が蛇足だったとは思わないけれど、受け手とは身勝手なもので、最後までアンディが想いを込めて自身を託したボニーを支えて欲しかったなという悶々が凄まじかった。

滅茶苦茶会社に馴染んでる営業職のエースが出先でランチを食べている時に「転職するかどうか悩んでるんだよね」と話し始めるのと同じ驚きと切なさがある作品だった。オモチャの優しい世界に対して随分な例えである自覚はあるけれど、それくらいの違和感と「本人にしか解らないもんなー」という納得したい気持ちが入り混じって悶々としてしまう作品だったと思う。

 

【フォーキーの自分がゴミという認識について】

今回のキーとなるキャラクターであるフォーキーはゴミ箱に捨てられていたゴミから誕生したオモチャであるので、自身の「僕はゴミである」という認識は正しく、何の悲壮感もないのだけれど、オモチャ達からするとそれが自虐かの様に思えてしまう序盤の温度差がちょっとだけしんどかった。(3で跡形もなくゴミになりかけた主軸メンバーたちなので余計に。)

オモチャ達の場合、自身の悲しい末路としてのゴミ(役に立たないもの、必要とされないもの)という価値観もある訳で、フォーキーの言う存在としてそもそもゴミというものとは同音、同名でありながら意味が異なる。生まれ持っていないはずの役割を果たさねばならないというは中々の大仕事。

結局、望まれた役割を存在意義として受け入れてくれたフォーキー。心の優しく素直な子で良かった。

フォーキーとトイ・ストーリー1で登場したシドに手術を受けてこの世に爆誕したベビーフェイスの差はどこにあるんだろうとボンヤリ考えた。どちらもある種手作りオモチャである訳で、フォーキーがオモチャたちと普通にコミュニケーションがとれるのに対してベビーフェイスは上手くコミュニケーションが取れていなかった様に思う。これは作り手の気持ちが込められているかどうかみたいな所に起因するのかも知れないな、と思った。支えが欲しいと生み出されたフォーキーと、手術という遊び方自体が主目的で生み出されたベビーフェイスの差というか。

オモチャたちも自分たちとコミュニケーションが取れる対象をオモチャだと認識するだろうし、そう考えるとシドが生み出したミュータント・トイたちのオモチャ社会での位置付けが滅茶苦茶辛いものに思えて泣けてくる。全然今作に関係ないけど。

あと子供にプレゼントしたらオモチャよりも包装紙とかラッピングのリボンの方を気に入ってしまって嬉しいんだけど少し複雑な気分になるのを思い出しながら観ていた。

 

【悪役がいない優しい映画】

本作の悪役ポジションはギャビー・ギャビーだったと思うんだけれど、あんなに意地らしく優しく気弱な彼女は悪役とは言えないな…というシリーズで一番悪役がいない優しい作品になったのではと思うと、この4があって良かったなーと思う。

ギャビー・ギャビーの「理想の、100%の自分になれたら大好きなあの子に必要として貰えるはず」という必死さは大人になればなるほど理解出来ると思うし、それが叶わない可能性を同時に考えてしまうので観ながら彼女がどうか傷つかないで欲しいという気持ちで一杯になってしまった。

最終的には新たな出会いが彼女を救って、彼女もまた貰い手を救うという素敵な展開となったけれど、これが無かったら本当に4なんかいらんかったんや派になっていたかも知れない。

対してわざわざ分ける程のボリュームでもないのでついでに書きたいのだけれど、ボー・ピープの自由至上主義な変身具合はそれはそれでショックだった。身なりも随分変わったし、腕も負傷してるし、逞しく武闘派になっているし、オモチャであること(ボー・ピープはそもそもランプ人形なのでオモチャとも言い切れないかも知れない)をやめた存在がトイ・ストーリーのヒロインなのは凄いことだなと思った。現実世界のオモチャの将来は割と仄暗い(実際、ボニーのオモチャたちにも今作登場しなかったキャラクターがいるのはそう言う事なのだろう)訳で、そこからヒロインが飛び出したというのは実に夢があるし、ヒロインがヒーローを連れて自由な世界へというのは滅茶苦茶アメリカっぽいし、そういったオモチャの将来を考えさせない良い展開だったのかも知れない(個人的には前述の通りあまり納得のいくものではないのだけれど)

ギャビー・ギャビーとボー・ピープの対比は物凄くメッセージ性が強いと勝手に受け取っている。

 

とりあえずこんな所で、あとはボニーのお父さんの生々しいまでに微妙な配慮が足らない具合とか、幼稚園の先生の子供のなだめ方がゲロ吐くくらい見覚えあるとか、バズの「心の声」は割と自身のアイデンティティーに基付いている事とかあるんだけど、特に印象的だったのが上記の感じなのでこれくらいにしとこうと思う。

勿論、公式設定で否定されてたりするところもあるんだろうけど何も調べず感じたことを書いただけなので不快に思った方がいたら申し訳ない。

何となく、もう一度観て消化したい気持ちもあるんだけど「うわーもっかい観たい!!」となれなかったので次は素直に「アルキメデスの大戦」を観ようと思っている。

菅田将暉さんはドラマ「dele」で可愛さがバーストしまくっていて、有り難みに拝みながら観た経験があるのでとても楽しみにしている。

 

またー。