自分の中では海外ドラマの世界というか、USJのアンテナショップくらいの位置付けにあるシティーベーカリーで朝食を摂った。
オシャレで、食べ慣れない種類なのに大変に美味しいパン、テレビや映画館のスクリーンで観てきた様な雰囲気、どれも嬉しい体験だったし、こういうのをずっと有り難がれる人間でいたいものだなぁとしみじみ感じていたら、同じように朝食を摂っていた家族連れのお子さん(未就学児童)がアジカンのリライトを歌っていて衝撃的だった。
ご両親の英才教育が行き渡りすぎていて勘の良いガキ一直線である。将来有望が過ぎる。
勿論歌詞は曖昧で、単語の意味もわからないだろうけれど、それにしてもしっかりとしたテンポで曖昧な故にゴッチ氏の歌唱法に近い雰囲気まで再現出来てしまっていて感心しきりだった。
アジカンの魅力であるキャッチーさが老若男女にキチンと刺さっている様はファンとして喜ばしく、また胸を張りたい気持ちになった。
カラオケでリライトを歌ったことが意外とないので、素晴らしいサビを聴かせてくれたあのお子様に負けないようにチャレンジしたいと誓った。
ぼっち・ざ・ろっく!の影響もあってアジカンで一番好きな「転がる岩、君に朝が降る」を沢山の人が聴いてくれて、改めて良いよね!と共有出来る日々が送れている事も嬉しい。
その足で大阪中之島美術館に塩田千春さんの展示「つながる私(アイ)」を鑑賞に行った。
毛糸が張り巡らされた展示は蜘蛛の巣、脳の伝達網、記憶の結び目と広がり、曼荼羅チャート、社会的な繋がり、如何様にも受け取れるもので圧巻だった。
紡がれた毛糸が絡まり合って広がった空間の中にいると繋がりということを色々と考えさせられる。三角屋根の家のフレームを覆う毛糸も数え切れない要素が生活を成り立たせていて、それが時に内と外を隔てることで各々を守っている事を感じた。
一般参加型の展示においては「つながり」について沢山の人が思いを寄せており、親との複雑な関係性を吐露している人もいれば、自分が経営している会社の宣伝を顔写真入りで送っている人もおり、「つながり」という言葉から内向的な理解をする自分に近い人もいれば外向的(外交的)な解釈をする自分と遠い人もいて、それが繋がりあって広がっている光景が社会を通り越して宇宙みたいに思えて面白かった。
圧巻。会期中にもう一度くらいは訪れたい。
中之島美術館の天井の高さは本当に素敵だなと思った。
それはそうとアイアン・メイデンの来日公演を観に行った。
数年前、数えるほどしか曲を知らない中で興味本位で申し込んだツアーがコロナで中止になって払い戻しになってしまったので、こっちも意地になって絶対行って楽しんでやるんだと意気込み、今回は無事に当日を迎えた。
改めて当たり前な事なんて本来無いのだと、それが当たり前の様に有ってくれる事の両方に感謝した。
自分よりも年上、親世代が主力の様なライブはキングクリムゾン以来。
バンドもお客さんも元気過ぎる。
メタルの激しさはギターがハイライトだと勝手に思っていたんだけど、ベースが先頭に立って引っ張っていく曲が多くて印象がガラリと変わった。音源もそのはずなのに生で体感するまで全然そんな事を考えもしなかったので「こうなんだぞ」と荒々しく教えて貰っている気になる。
でっかいゾンビが登場したり、それと銃撃戦を繰り広げたり、曲ごとに背景が変わったりと、それぞれをあえてデジタルでなく人力で成している演出も愛嬌が有っていちいち可愛買ったし、ちょっとオペラみたいな印象を受けた。
牧歌的なキャッチーさもあって、地獄のカントリーってこんな感じなのかなと妄想するなどした。
大好きな「The Trooper」はツアーのコンセプトになっている2作のアルバムには収録されていなかったのでやらないかなぁ、と思っていたらアンコールで演奏してくれたし、本編でやらなくてショックを受けていた「Wasted Years」もアンコールにぶちかまして貰えて歓喜で飛び跳ねてしまった。セトリを調べて参加する事も出来たけど、それを我慢していたお陰で喜びもより大きくなった気がする。
ドラムセットに鎮座したテディベアも可愛らしくて素晴らしかった。さすがイギリスのバンド。3分の1が旅先に自分のテディベアを伴うという素敵な文化のお裾分けをヘヴィメタルで頂けるとは思ってもみなかった。
僕は大森靖子さんも好きなので、クマのぬいぐるみと縁が深いのかも知れない。自分にも新千歳空港のシュタイフ(今はもう閉店してしまったけど)で迎えたクマのぬいぐるみがいるので知らないうちに引き寄せられているのかも知れないと思った。クマのぬいぐるみのネットワークが結ぶ縁というか。
2時間ほどの大ボリュームのライブはあっという間だった。
次があるかキャリア的に解らないけれど、また来日してくれたら是非行きたい。
アイアン・メイデンの予習に勤しんでいるうちに凄く良いアルバムが複数枚リリースされていて、そっちも聴きたいしライブの予習もしたいしで贅沢な悩みの日々だった。
大森靖子、OGRE YOU ASSHOLE、米津玄師、結束バンドなどなど。
ライブが終わったので気の向くまま沢山聴いていきたい。
またー。