今回は2013年に惜しまれつつ解散したGARNET CROWの好きな曲を兎に角単的に並べていきたいと思う。
世間的には「コナンの曲を歌っていたアーティスト」という位置付けでしかないのかも知れないけれど、アルバムが兎に角素晴らしいアーティストで聴かずに語るのは100年早いと言わざるを得ないのでオススメの意味を込めて今更レビューにかえさせて頂きます。
まずは、GARNET CROWの良い所をまず単的に紹介したい。
1.アルバムが暗く、普通に1曲目からドン底だったりする作品がある
2.アップテンポな曲も何と無く曇り空
3.難解な拘りやアプローチを非常にポップにまとめるセンスの持ち主
4.AZUKI七さんが幸薄そうな可愛さの権化。彼女の作詞は微妙に重たいタイプの愛おしさを節々に感じる。
5.ギター岡本さんのフレーズがかなり多趣味。ネオアコ大好き感。
6.シンセは二人。印象は1.5人。
という推しポイントを踏まえてオススメ楽曲のコーナーへ移りたい。
公式MVに関してはこのレーベル特有のダサさがパンパンに詰まっているのでそこもオススメしたい。所属アーティスト全員この微妙に低予算な手触りの映像なので文化というか味わいを感じる。
前期の作品はあまりネット上に残っていない様なので後期の作品など興味あればご覧下さい。
水のない晴れた海へ
(アルバム「first soundscope〜水のない晴れた海へ〜」収録)
記念すべき1stフルアルバムで、インディーズ扱いだったデビューミニアルバムの家系和みポップとディープな世界観がいよいよ本領発揮した傑作において、最高に壮大なオープニングチューン。
RPGっぽい歌詞とピアノと多重コーラスが分厚い北欧ポップ感を煽る名曲。
夏の幻
(アルバム「first soundscope〜水のない晴れた海へ〜」収録)
言わずと知れた、という数少ない曲。(あとは「夢みたあとで」辛うじて「スパイラル」くらい？)
夏の夕方の海辺っぽいカラっとした切なさがある曲で、GARNET CROWにしては明るい方だと思うのだけれど割とこれでも暗いと言われるので、この曲が重たく感じて腰が引ける人はアルバムまで手を出さなくて良いと思われる入門編な位置付け。
MVは完全にZARDの撮り方に倣っていて見比べるのもまた楽しい。
HAPPY DAYS？
(アルバム「first soundscope〜水のない晴れた海へ〜」収録)
イントロのアコースティックギターの滑り出しと歌い出しから多重コーラスが印象的で、モヤ掛かる湖っぽいかと思いきやシンセが所々テクノっぽかったりそこからミステリアスな方向にザワザワと広がる意外性のある良曲。
flying
(アルバム「first soundscope〜水のない晴れた海へ〜」収録)
GARNET CROW史上最高の楽曲だと思っていて、歌詞が非常に厨二っぽいのだけれどテーマ曲に起用されたRPGの世界観を非常に上手く消化してるな、とプレイして気付いた。サビのコーラスパートとメインパートの重なり合いがベクトル全く違うのに上手いこと融合してるのは序盤からコーラスを多めに効かせてるからかも知れない。
楽曲的にもこの曲調かつこの歌い方で盛り上がり所をしっかり作れるポップバンドの本気を勝手に垣間見て虜。
call my name
(アルバム「SPARKLE〜筋書き通りのスカイブルー〜」収録)
何気ない幸せもGARNET CROWに歌わせると妙な重さを感じさせるに至る、という好例。面倒な異性にこそ惹かれがちなツンデレ気質人の惚気をアフタヌーンティーの席で延々聞かされる様な曲がたまらなく良い。
Naked Story
(アルバム「SPARKLE〜筋書き通りのスカイブルー〜」収録)
GARNET CROWの兎に角明るい曲！というのが好きランキングの上位にあまり入ってこないんだけど、淡々とした中村さんのボーカルでもって熱血の域まで初期の作品で歌われているのはこの曲くらいな気がして好き。(後期は割とある気がするので割愛)
Last Love Song
(アルバム「SPARKLE〜筋書き通りのスカイブルー〜」収録)
1人が好きな君と人が苦手な僕の共依存的な楽曲で本当に最高。
何が凄いってセンチメンタルなアコギに乗ってるのが別れ話でも何でもなく付き合いながら将来を想うという内容なのが凄い攻め方。完全に悲観しかかってる辺りに共依存の根深さを感じる。
この曲のジャケットの中村さんと七さんが可愛過ぎてポスターを拝んでいた。
クリスタルゲージ
(アルバム「Crystallize〜君という光〜」収録)
僕の中では2番目に好きな曲。
ミニマムで透明感のある北欧ポップの様な耳触りで、かなり難解な歌い方をしてるけどスムーズに染み込んでくる感じが大好き。ハイライトと言える盛り上がり所は特に無いのだけれど、岡本さんの1サビ終わりのアコギがとても良い。あと何故かタイトルがカタカナなのがジワジワくる。
Only Stay
(アルバム「Crystallize〜君という光〜」収録)
宇多田ヒカルのdeep riverで言えば「嘘みたいなI Love You」みたいに早めで攻撃性が若干高めな楽曲。所々入るシンセの短いフレーズと横たわるジワジワしたギターが暗めに曲を引き立てる良曲。
恋することしか出来ないみたい
(アルバム「Crystallize〜君という光〜」収録)
開放的でアップテンポなのに暗い、という凄い矛盾を突き通した曲。
出だしで「イェーイ！」というコーラスを背負って滑り出すも次の瞬間にメインボーカルが低く声を落とし、あとは要所要所アップテンポな曲調を締めるように影を落とすボーカルの歌い方。
妙齢のOLのお姉さんが電車で種村有菜の単行本を幸せそうな表情で読んでいる、という何と無く和む良曲。
冷たい影
(アルバム「I'm Waiting 4 You」収録)
コナンの主題歌を多く手がけてきたGARNET CROW史上最もサスペンスの匂いが漂う火サスっぽい楽曲は別にコナンのテーマでも何でもないという罠。
ありそうでなかった歌謡曲的な歌い方とギターソロに4枚目のアルバムで到達した、という意味でも味わい深い良曲。
2時間サスペンスのエンディングって大食いキャラやドジっ子キャラが妙なテンションで場を呆れさせてくるけど、その背景に流れてる若干不釣りあいなテーマ曲を思い出して貰えると幸い。
僕らだけの未来
(アルバム「I'm Waiting 4 You」収録)
パーカッションの疾走感に引っ張られる若干ラテンノリの情熱的な楽曲なのだけれど、何故かヤンデレ感を節々に感じる歌い回しが秀逸。情熱的なギターとコーラスが熱い。
Sky
(アルバム「I'm Waiting 4 You」収録)
物凄く暗くてマジ最高。
言うことなし。
とりあえずアルバム前半のオススメをダダダっと非常に歪んだテイストで書いてしまったのだけれど、何と無く時間を経ても好きな作品には気を許してしまうというか、妙に親しげで生活感ある感想を抱いてしまう、という事でお怒りの方には許して欲しい次第。
後半の作品もいつか取り上げたい。
お怒りの方にはご容赦願いたい。
またー。
