性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

本を読む度に何故か反省する癖に読んでしまう大人の読書録。(2023年ゴールデンウィークの記録④)

何がフックだったのか定かではないけど、このゴールデンウィークは沢山の方にブログを読んで貰えていてとても驚いている。特に予定も無い中で時間潰しも含めて似たり寄ったりの毎日を書いたことで誰かにちょっとでも面白がって貰えたんだとしたら、それはラッキーな出来事だと思う。
有益な情報が整理されたブログが読まれものだと思っていたので、その自分が定義した普通から掛け離れたこの日記もどきのやたら長い記事ばかりのブログが滅茶苦茶(当社比で)読まれている事が不思議でならない、というのが正直なところなのですが、素直に嬉しいのもちゃんとあるので、ありがとうございました。


5月6日(土)
天気予報で夕方から翌日にかけて天気が崩れるとのことで目覚めて即洗濯をし、開店と同時にスーパーで買い物を済ませる。
和歌山県産のニンニクが安かったので嬉しい。
新玉ねぎも安かったので買い。
ブロッコリーは自分の基準と比べてちょっと高過ぎたので見送り。
ニンニクはどうせ火を通すし外国産でも良いんだけど、食べ物は何となく国産、それもご近所であればある程に妙にテンションが上がってしまう。
帰ってきて一度座ってしまうと億劫になってしまうので新玉ねぎを切って水にさらしておいたり、炒めたものを酢に漬けたり、ニンニクを刻んでオイル漬けにしたり、ササミをレンジで加熱して割いたりして平日楽するぞアイテムを仕込んでおく。
水にさらした玉ねぎは土日でサラダや豆腐に乗せたりして食べてしまう予定。
特殊能力と呼べるものがないままやって来た気がしているけど、目先の天気やら労力を考慮して自発的に何かを出来るというのは鍛え上げられた能力なのかも知れないなと思いながら「進撃の巨人」を観る。10話超えてようやく進撃の巨人っぽくなってきた。
アニメを観る事で不思議と原作の記憶が押し出されていくのか「この先どうなってしまうの???」とハラハラしている。単純な仕組みでおめでたい。サシャやコニーが好きなんだけど、親近感を抱いてるんだろうか。彼らは精鋭やぞ、しっかりしろ。


雨で野球放送が中止になったのでダラダラと筋トレ。そう言えばこの連休は最低でも散歩程度には毎日何かしらやってるけど、一度もジムに行かなかった。倹約という意味ではジムを辞めるのと携帯のキャリアを変えるという二台巨頭を残して自炊がある程度出来ているので伸び代と評価されたいけど、まあ倹約好きの人たちからしたら「講じられる手段を取らない」という輩はブン殴りたいくらいに怠惰に見えそうなので何も言わないのが正解である。
手持ちの未読の本が2冊あって、でも気乗りするものがなかったので追加でAmazonで頼んだ本が届いたので早速読む。
済東鉄腸さんの「千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話」という、転生ラノベも真っ青のタイトルのエッセイで、でも大前提の情報を間違いなく伝えるにはコレしかないよねという作品だった。句読点の位置まで含めて。
元々はオモコロの原宿さんが「ルーマニアモンテビデオくらいしか知識がない」と自称しつつも済東さんとのトークイベントに出演されるというツイートを見かけてこの本の存在を知ったんだけど、読書家で好奇心の強い原宿さんと違って自分がマジでルーマニアモンテビデオとドラキュラくらいしか知らなかったので配信チケットの購入を見送ってしまったのだった。あの頃のGIZA所属アーティストは大抵好きだった。大体コナンのOPかEDに採用されるし。音楽番組ではどのアーティストも扱いが弁当で言うとバランみたいだったけど、そこを含めて「特別な筈が特別になりきれない」的な推し要素があった気がする。
完全に話が逸れているけど、ジョジョが好きそうな語り口だなと思いながら読み始めたら本当にジョジョが好きで、挙句にBLEACHのポエムをとても評価されていて、僕もBLEACHポエム(というか久保先生のポエム)が大好きだったので遙か時を超えて仲間を見つけた気持ちになった。
済東さんがルーマニアに触れ、ルーマニア語を学んでいく過程で感じた語学教育に対する抵抗感と、それを上回って自分に合う道を見つけて突っ走る姿に、語学に限らず尊敬の念を抱くと共に、自分で環境を切り拓いていく姿勢に圧倒された。
「興味がある何かを学んでも使う機会が無い」という言い訳は結局「そこまでの目的や情熱が無い」と言う事なんだよなと反省しつつ一気に読んだ。
行った事がなくても(済東さんは「行けるなら行きたい」「行ける環境にあるなら行くべき」という考えなので別に「行かなくてもいい」なんて仰ってなくて、これは大事なことだと思う)出来る事はあるなとしみじみ感じた。
こういうものを脇に寄せて、無いものとして淡々と貯金を上積みすべく働いてきた向きもあるので、もっと興味自体に興味を持ってあげなきゃ自分が可哀想だなと思ってちょっと落ち込んでしまった。
東欧の文学はチェコ文学の作品をまとめた本を読んでみたいなとリストに追加していただけなので、映画も含めて本書に登場する作品を手掛かりにルーマニアから覗いてみようと長風呂しながら思った。


5月7日(日)
連休最終日。
雨で無気力になってしまい、朝マックをデリバリーで頼んだのに、頼んだ途端に「じゃあ朝ごはんを用意しなくて良いこの隙に」と掃除機とトイレ掃除とシンクの掃除を済ませた。
いつかはやらなきゃいけない事なので良いんだけど、これならわざわざデリバリー頼まなくても朝食くらい用意出来たのでは?とツッコミを入れざるを得ない。
何故だかYouTubeのオススメに東京ディズニーリゾートに泊まって数十万円上乗せした個人ツアーのvlogが出て来て、総額が2人で120万円以上というサムネを単純に凄いと思ってタップして観た。
このツアーの翌日にまたパリのディズニーへ旅立つと言っており、スケールがデカいなとビックリした。
同じディズニーランドでもゴールデンウィークの混雑っぷりを配信しているアカウントもオススメに出て来て、どっちもだけどパーク内の撮影で広告代で個人が稼ぐのはキャストやパレード抜きだとて規約的にどうなの?と思いつつ、広義の解釈で留めざるを得ない以上はこういうのを黙認する事で上手く回っていくんだろうなと思った。
二つの動画はどっちも2〜30万再生くらいで、前者には「もっと再生されてそうなものなのにラグジュアリー過ぎて皆引いてんのかな?」と思うし、後者には「それ観てどんな感情になるのが正解なんよ」と門外漢故に処理が追いつかなかった。
それでも、またいつか行きたいものだとは本気で思っている。
それと同列に世界最貧国や大気汚染が世界一の国のリポート動画をYouTubeが勧めてきて、この上げてから落とす、この現実を知らんふりするなと突き付けてくる性格の悪さは誰に似たんだよと思いつつ、どうせ僕の検索履歴からYouTubeが学習して招いた事態なので、要するに自業自得なんだよなとそれも2本とも観た。
ここで素直に観てしまうから更なるサイコなアカウントに進化を遂げてしまうんだろうけど…。


最終日くらい映画でも観よう(それこそルーマニアの映画でも良かった)のに決めきれずに諦めて、トーマス・トウェイツさんの「ゼロからトースターを作ってみた結果」を読んだ。
何だか2日連続で似た系統のタイトルだなと思いながら、ポチッた時には全く考えていなかったので無意識にそういう「何が書かれているか解りやすい本」を選んだ可能性がある。
疲れてんのかな…休み疲れ?贅沢な話である。
明日から頼まなくとも働かせてやるというのに。
内容としては本当にトースターをゼロから作るという話で、ただし、そのスタート地点が部品を買うではなくて部品を作る為の原材料を生成する所から始まるというぶっ飛び具合。
表紙に印刷された完成品のトースターを見た時点で「何を組み立てたらこんな変なものが出来るんだ?」程度にしか思っていなかったので大変に驚いたし、その完成品を見たくせに想像出来なかった自分の勘の悪さにも驚いた。
著者が沢山の方に知恵を借りて試行錯誤し、自力で鉄やら銅を手に入れていく姿と、出来上がるものの歪さ(勿論出来上がっている事自体が半端なく凄いんだけど)に実験や工作を通り越して冒険を垣間見たし、技術の進歩も冒険みたいなものなんだろうなと感心しきりだった。
章を重ねるごとにパーツが揃っていく中、ぼんやりと感じる「こんなに作るのが大変なのにどうしてトースターはあんな安いんだろう」という疑問について、バリュー・レンジの内側と外側に分けて書いてくれていて(物の値段に対価として含まれているものと含まれていないけど何らかの対価が生じるべきもの)、確かに安い物は有難いんだけどソレの外側にある影響(遠い国で原料が採掘される際の環境汚染や労働者の安全などへの対策費)は考慮されていない値段だと思うと、その値段で存在している事の異常さに気付かされる、という話だった。
製品としてトースターに関わる場合にこれを読んで感じる負担を背負いたくないと考えるならば誰だってそうな訳で、そういうのをちょっと考えられるかどうかは大切なんじゃないかと改めて考えさせられた。
一連の試みが過程を含めてメッセージを投げかけてくれる親切設計なアートであることに加え、余りにもユーモラスで爆笑しながら読めてしまう文章なのも(これは訳の村井理子さんの貢献も滅茶苦茶大きいのでは)優しい説得力があって良い本だと思った。
「単に、誰もが貧しい側にいたくないから消費の連鎖は終わらないのではないか」という言葉は刺さる。著者が言う「あると便利、でもなくても平気」を考えるキッカケとして、目論見通り最高の一冊だと思った。


その後、筋トレをしながら進撃の巨人を観る。
連休中にシーズン1くらい観終わるかなと思っていたけど中々に重たくて、その日人類は思い出した…物語のシリアスさを…という感じでトロスト区奪還作戦までで休みが終わってしまいそう。
エレンを筆頭に皆が頑張っているので筋トレも頑張れる、みたいな側面はある。
努力のステージが違い過ぎるのは申し訳ないけども。
大した負荷をかけている訳ではないのに気温も湿度も上がってきたのか汗ばむ。やってる感が出て良い季節になってきたけど、冬よりもキツく感じるのは汗の狡さというやつ。
プロテインを飲み過ぎるとタンパク質の過剰摂取で腎機能に負荷がかかるというニュースを読んで一瞬怖くなってしまったけど、冷静に考えれば60gくらいを目安という中で「そんなやってる訳でもないしな」と20gしか1日に飲んでいない(し運動しない日は飲まない)ので大丈夫なハズ。
やってる感を過剰評価したり、形から入り過ぎない様に引き続き気をつけたいなと思うに留めたい。


遠出もしなかったけれど、単純に仕事から離れて本を興味が向くまま読めたこの連休も悪く無かった様に思う(最善かは考えないことにしたい)
今日は早めに寝て、明日からまた次の連休に好きな事をするために程々に頑張りたいところである。


またー。