アマゾンプライムビデオで作品を再生すると画面にレーディングと共に注意事項が表示されると思うんだけど、
「暴力」「薬物」とかだと露骨だったらどうしようと若干身構えてしまう一方、「飲酒」の飲みっぷりが自分以下だったりすると自分のお酒の嗜み方は警告無しにはみせられない代物なのだろうかとソワソワしてしまう。
宗教的だったり文化的な配慮だと解っていても。
まぁでも最寄りのポイントが「差別的」とか「暴言」とかですらなく「飲酒」で済んでいるのも自分が真面目に生きてこれている証なんだから元気出していこうと心の中のマネージャーが励ましてくれるので、今後も全国目指して頑張っていこうと思いまーす。
直前にコロナに感染してしまい、無事お盆休みの全予定をロストしてしまったので家で映画やら本やら高校野球やら延々嗜んでおり、とりあえず前半にお世話になった作品をまとめておこうと思う。
■幽玄道士キョンシーズ(映画/アマプラ)
子供の頃に親に録画を見せて貰っていたなぁと懐かしくなって視聴。
なぜか子供がカンフー駆使する映画をやたら見せられていて、カンフーキッズというシリーズが凄く好きだった気がする。
当時も感じたけれど、二転三転して結局ぶっ倒される親方・・・痛い目にしか遭ってないので切ない気持ちになる。
しっかり硬直している死人(しかもそうなる生前の立場も重々しい)がコミカルな存在になると言うのは悪魔くんや鬼太郎に親しんできた僕からしても近いようで同じでない、微妙にお隣さん的な世界観なので改めて観ると死んでるけど新鮮だなと思いつつ見ていた。
スイカ頭が可愛いけど、記憶ではスイカ頭が続編でとんでもない事になった気がするので大人になった今、逆に観れない気がして一歩踏み出せないでいる。
アストナージが1番可哀想な気がするし、クェスは勿論のことハサウェイもちょっとついていけない。
彼らの嫌う大人になってしまった・・・と普通に凹んでしまった。
最初から戦争があるもの、あらゆる自由が奪われている中で生まれ育った事で「そっちの基準でやってあげてるじゃん、だからこっちも思うように生きさせてくれよ」という苦しみもあるのかなと思いつつ。
■パーム・スプリングス(映画/アマプラ)
程良いスケール感とカラッとした色彩に多湿で暮らしている身体が憧れてしまう。
一度でいいからプールに浮き輪を浮かべ、その上でビールを飲んでみたい。
バカに振る舞う主人公を見ながら「明るく低めに演じている人の苦悩と諦めは根深いんだよなぁ」としみじみ。
ヒロインがヒロインであり、圧倒的なヒーローだった事に滅茶苦茶「良ッ!!!!」と刃牙の登場人物みたいなリアクションをしてしまった。
タイムループって結構大層な歴史の転換点を背負っていたり、誰かの命が掛かっていたりするので「モチベどうやって維持できるんだろう」などと単純に感嘆してしまうんだけど、本作は自分たちの心身の為だけに何度も繰り返すことで自身と向き合っていく絶妙なカロリーなのがとても好きだった。
■コーヒー&シガレッツ(映画/アマプラ)
喫茶店に行くと毎日顔を合わせてる常連同士の他にこういう人たちが確かにいて、会話のテンポが間延びしているのでBGMにならず耳に引っ掛かってしまうという現象が起こるんだけど、それを卓越した技術でわざわざ見せてもらって・・・という「俺も、そしてお前も何の為に・・・?」と思わずにはいられない展開(展開と呼べる程に物事が動くなんてことは無い。自分の日常がそうである様に)で、確かに手持ち無沙汰になるとコーヒー飲んじゃうよな、とか言葉を探して目が泳いでしまう自分自身を思い出したりして気恥ずかしくなった。
イギー・ポップとトム・ウェイツの妙なプライドがチクリとくる話やホワイトストライプスの2人の淡々としたコントの様な空気、ケイト・ブランシェットの一人二役の面白さ(最初気付いてなかった)など、映画を観た!!という感じが微塵もしないんだけど、物語もドキュメントも重いけど何か観たいという贅沢な気怠さを時々抱えてしまう自分には丁度良い内容だった。
■雑貨の終わり(三品輝起/エッセイ)
無印良品が大学生の頃から好きだったんだけど、土日のレジの大混雑を見かける度に何となくオルタナが、インディーがもうそれでは無い空気でメインストリームに上がってしまったものと似た気持ちを抱いていて、何というかその正体を自分の想像以上の度数で解析された気がした。ラーメン屋の様なネーミングの高級食パン店よりも、それを隠れ蓑にする様な(位置関係は知らないけど)個人経営っぽい演出のチェーン店のパン屋さんの事もかなり気になっていたので、それについても言及してくれていて面白かった。
目を醒ませ僕らの世界が何者かに侵略されてるぞ、とはカラオケでも大変お世話になっているO×Tの名曲「UNION」の歌い出しであり、そこまで拒絶する態度では無くむしろチェーン店寄りの性格をしているのも確かなのだけれど、最初からその顔で来られるのと入り込んでからネタあかしをさせるのは違うんだよなぁ、とボンヤリ考えてしまうし、「ざっくり同じ」という括り方ほど個人に誤差が生じる基準もそう無いと思う。
雑貨とは何なんだろう、自身が雑貨に囲まれる生活をしていないので本書の大切な部分がまだ理解出来ていないけれど、アンティークの雑貨屋を覗いた時に感じるのは生活の時間の長さや愛着が付喪神的な大切さを加味させるのが雑貨と生活用品の違いなのかなと思ったりもするので、自分に無かった考え方を授けてもらった様な気はしている。
■MAGMA(映画/楽天TV)
映画に興味があったというより友達が吹き替えに参加しているという情報で有料レンタルしたんだけど、思った以上にどっしり本格的な設定に「予算さえあれば」と2分に1回は呟いてしまう映像というギャップに悶々としてしまった。
世界中の休火山が突如として噴火し始めて世界ヤバイ、救わないとという話だった。
主人公の大学教授よりもヒロイン的な女性の動機も熱意も関係性もいまいち明確でなく、「この人は何故そこにいて、その熱量で発言して、その深さで平然と関わろうとするんだろう」が拭えないまま世界を救うタスクまで参加している姿に「案外こういう人が数百年後には偉人として教科書に載っていたりするんだろうな」と思い至り、勝手に納得して見ていた。ただ大学教授に「連絡を先延ばしにするのはダメ」みたいな事を言ってて、それは本当にそう、大事なことだなぁと思った。社会人として。
富士山が愛知県辺りにある気がした(気のせいだといいな)のと日本のイメージが驚くほど海外にある間違った日本食レストランのそれだった事は不問にしたい。CGがみんなのゴルフ2くらいツルツルで、もうそんな細かい誤差を気にしている場合じゃ無いので。
■ロスト・ラッド・ロンドン(シマ・シンヤ/DMMブックス)
地下鉄でロンドン市長が刺殺され、その地下鉄に乗り合わせた大学生の主人公の上着に凶器のナイフが入っており、無実の証明と真犯人を探して奮闘する主人公と相棒となる刑事を軸に進むコミックス。
会話のテンポが言葉のリズムも間も深めて凄く良くて、大掛かりな展開はないけれどスリリングで先が気になってあっという間に3巻読み終わってしまった。
イギリスの生活の中に当たり前にあるんだろうな、という文化や差別、キャリアのあり方なんかをさり気なく、でもしっかり見せてくれる上に絵がとてもスタイリッシュなので大変に好みな為、他の作品も期待しまくりで購入した。読むの楽しみ。
またー。