性格の悪そうなBLOG

いちいち長いですが中身は特にないです。

ラストマイルやらバイオレンスやらミステリーやらオカルトやらの話!!

色々観たり読んだりしたので雑感を書きまくったら騒々しいブログになりましたとさ!良かったら読んで貰えたらば!

 

映画「ラストマイル」をようやく観た。
ブラックフライデーを前にショッピングサイトの巨大倉庫の荷物に爆弾が仕掛けられてしまい、物流含めて大パニックに陥る中で、倉庫の中だけでも三億個、運送会社に託してしまったものも含めればそれ以上という荷物の中から爆弾と犯人を探すという物語だった。ブラックフライデー前に公開されたの凄いと思う。
凄く面白くて、同時にかなり身につまされる内容だった。
ネタバレをしないように書くと、ネットショッピング、運送業、雇用形態に至るまで、利便性と効率の為に見ないふりをしつつ、ある面では自分も犠牲になっている事に気付かないフリをしてきた部分をかなりしっかりと描写されていて辛い気持ちになった。アンナチュラルのロールケーキ回を彷彿とさせるキツさというか。
今回はそれよりも遥かに巨大な企業なので登場人物は大体誰かの指示でその役割に徹していて、それがどういう事かはシステム的にしか理解していないし、そこに負荷が掛かって限界に達した時、感情が追いついてきてようやくとんでもない状況にいると気付いてしまう。
無理に踏みとどまるか逃げるかしか選択肢がない仕組みがあまりに当たり前になってしまって、社会って怖いなーと観ながらずっと考えていた。
巨大組織では末端の非正規にも、統括する管理職にも替えがいくらでもいる事、パーツのように補填され続ける=それだけの人が辞め、入ってくる事の理由がこれでもかと描かれている気がした。終わらない悪夢の公式というか。
自社の責任を提携会社や下請けに押し付ける負のバトンリレーなんかも顔を合わせないコミュニケーションが当たり前になった事でより鋭さを増しているんだろうな、とも思う。
劇中に登場する象徴的な数字の意味は何通りかあると思うけど、ここまで書いた様な事を数文字で言い表しているんだと思っている。
我がことと受け取って考えてみると本当に辛い事ばかりだし、何より皆が勇敢過ぎて眩しくもある。スゲーと何度も思った。
そう言えば、MIUとアンナチュラルのカットインは自然な感じで、それぞれの領分の仕事を果たして繋がっていく感じが凄く良かったし、どちらの物語で登場した人物が自然に社会で生活している姿も見られ、これはかなりの救いだと思うし、それを両作品のファンだけが思い至るくらいの登場のさせ方をしてくれているおかげでラストマイルから入った人の気も逸れないという最高の形になっていた。
あと、たまたま『「欲しい!」はこうしてつくられる』という本でショッピングサイトや有名企業がどうやって消費者を消費に駆り立てるかという話を読んでいたので進研ゼミの漫画のように「これゼミでやったところだ!」と細かい部分で感動してしまった。MIUやアンナチュラルを再履修したいと言う方々にも、是非ラストマイル及びご自身のネットショップ利用の見え方がかなり面白くなると思うのでオススメしたい。
どこでオチついてるんだろう。


それはそうと、ここ2週間くらいでアマゾンプライムビデオで「ザ・ハント」「ナチュラルボーンキラーズ」「ホラーマニアvs5人のシリアルキラー」というバイオレンス映画を観て、「すみれ屋敷の罪人」「方舟」「牛の首」というミステリーやらオカルト系の小説を読んでいる。
多分、自分の想像もしない展開に驚きたいみたいなのがあるんだろうと推測している。
最近の世の中の出来事には驚きに気落ちする要素があまりに添付されてるパターンが多過ぎるから余計にフィクションから得たいんだろうと思う。
以下、雑感。
【ザ・ハント】
セレブが庶民を人間狩りする映画。どちら側もお互いへの偏見を崩さず、相互理解のなさのお祭り状態だった。どっちが勝っても相手をへし折ってやった以上の収穫がないという凄い作品だと思う。
ナチュラルボーンキラーズ】
無差別連続殺人犯カップルが2人の自由を追い求める映画。サイケとカルトとバイオレンスと美の四輪駆動で荒野を駆ける。ククク奴は四天王の中でも最弱ポジが美みたいな直球さがあってそれはそれで美しいみたいな感じだった。
【ホラーマニアvs5人のシリアルキラー
ホラー映画の評論だけはデータ型オタクとしてビッグマウスな主人公がひょんな事からシリアルキラーの集会に参加してしまってゲロ吐きながら奮闘?する映画。ナードと美女というパワーポップバンドのアルバムに4曲くらい入ってそうな世界観で考えを放棄してパーっと観られる作品だった。
【すみれ屋敷の罪人/降田天】
美しくて優しいが故にどこを向いても悲しくて切ないという、個人的には読んだことのない方向性のミステリーだった。人間生きていれば、ある程度のキャラ立ちというのをしてくる訳で、受け手から見たその人が本当にそういう人間なのかどうかって忘れがちだけど解らないものだよなぁと思うと共に、「地獄への道は善意で舗装されている」という格言を新たな展開を迎える度に思い出させる作品だと思う。面白かった。
【方舟/夕木春央】
地下に作られた宗教施設跡地「方舟」に閉じ込められた人々に降りかかる連続殺人を推理して犯人を探しつつ、脱出方法も探らないといけないという、どちらかだけでも一冊分の大変さなのにあいがけカレー大盛りみたいなボリュームで大変な一冊。
何を言ってもネタバレになりそうなラストをどこかでうっかり踏んでしまう前に読まないといけない、という意味でも読者にスリルを提供してくれると思うし、これのネタバレを平然とする奴はバチが当たらないとおかしい。
【牛の首/小松左京
不穏ながらも妙に愛嬌があるオカルト(たまにSF)の短編がぎっしり詰まった一冊。
表題作の「牛の首」はパッと読んだ時にどう思うかかなり個人差があると思うけど、色々不気味さや怖さを感じるという事自体の仕組みを物凄く上手く利用してるなと怖かった。民間伝承に感じる怖さ。
窓だの家だの家に開いた穴だの、個人的に家の要素がある作品が軒並みギャグの様でいてかなり怖かった。笑ってみたものの冷静に考えると怖い、後からジワジワくるところが良かった。


何か感想ばっかだけど、まあそれはそれで。
また観たい映画が毎週のように封切りとなる周期がやってきたので何作品観れるのかな、と思いつつ。


またー。